【獣医師監修】猫が震える。震える原因や考えられる病気、治療法、予防法について
ふと猫に目をやると、うずくまって震えている、寝ている時に足がぴくぴくしている、なんてことはありませんか? 犬は寒さや恐怖心でよく震えるのですが、猫は普段はほとんど震えない動物なので、何か病気になったサインかもしれません。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
猫が震える原因
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震え・痙攣というと、てんかんを疑うところでしょう。しかし、猫は犬と比較するとてんかんになる確率は低く、猫の震えの原因がてんかんであることは少ないと考えてよいでしょう。猫の震えは、以下のような理由・原因で起こります。
レム睡眠の時
いわゆる眠りが浅い状態でぴくぴくしている場合はレム睡眠が考えられますが、安易に考えることは禁物です。今まで寝ている時に震えていなかった猫が急に震えだした時は、病気かもしれませんので注意深く観察してください。
筋肉量が低下してきた時
猫は11~12歳くらいまでは肥満になる可能性がありますが、それ以降は消化機能の衰えにより、エサを食べても痩せていく猫が多くなります。そのため筋肉量が低下し、呼吸をするだけで震えたり、体温調節が上手にできずに震えたりします。
関節痛・口腔内の痛み
猫の震えで一番多いのがこのパターンです。どこかしらの関節が痛んでいたり、口内炎や歯周病など口腔内に痛みがあったりする場合に震えることがあります。
心筋症・腎結石・尿管結石
目立った外傷がない場合は、体内の痛みから震えが生じている可能性を疑います。猫がなりやすい重病の中には、心筋症・腎結石・尿管結石など痛みを伴う病気が多く、その痛みで猫が震えることがあります。
糖尿病・尿毒症
糖尿病による神経障害や、低血糖から起きる痙攣により震えることがあります。とくに高齢の猫は、慢性腎臓病から尿毒症を発症し痙攣を起こすことがあります。尿毒症は、痙攣のほかにも食欲不振や嘔吐、下痢など多くの症状を伴うのが特徴です。
てんかん様発作
猫はてんかんが少ない動物ではありますが、よだれ・カラダのつっぱり・痙攣・虚脱という2~3分の一連の発作であるてんかん様発作を起こすことはあります。たとえば、脳腫瘍や高血圧が引き起こした脳内出血のように、脳が損傷した時にはこの発作が起こることがあります。
猫の震えの治療・予防方法
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なぜ猫が震えているのか、その原因を特定するためには動物病院で検査をする必要があります。とくに、これまで震えることがほとんどなかった猫が震え始めた時には、血液検査と尿検査は必須で行います。電解質やカリウム・カルシウム、中性脂肪やコレステロールといった、スクリーニングといわれる項目のすべてをチェックし、原因を特定します。そしてその原因に合わせた、適切な処置をとります。
ちなみに、猫が震えている時には、動画を撮っておくとよいでしょう。動物病院に連れて行った時に、どういう震えが起こっていたかを獣医師が知ることで原因の特定がしやすくなるからです。
その際、特別な異常がみつからない時には、定期的な健康診断で様子をみていくだけということもあります。そして経過を観察し、明らかにおかしいと思われる震え・痙攣の症状がある時には、さらに専門的な検査を行い原因を追究します。抗アセチル抗体や内分泌のチェックのほか、筋電図・全身のレントゲン・CT検査・MRI検査などを行うこともあります。
このように、猫が震えている時は何かしらのサインを送っている証拠です。いつもと違うと思った時には、すぐに獣医師に診てもらうようにしましょう。