犬のリンパ腫 考えられる原因や症状、治療法と予防法

食欲が落ち、元気がなくなってしまった中高齢の犬。カラダのどこかに腫れやしこりがあったら、「リンパ腫」の恐れが。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
  • 更新日:

監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

リンパ腫の原因とは?

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

135pixels/Shutterstock.com

リンパ腫は血液の成分・白血球の一つであるリンパ球ががん化したものです。原因解明は進んでおらず、遺伝やストレス、免疫力の低下などが関係しているのではないかといわれています。中高齢になってからの発症が多く、致死率が高い病気ですが、早期治療により症状が緩和され、発症前とほぼ同じ生活を1年以上送ったというケースも少なくありません。飼い主として強い気持ちを持って病と向き合い、愛犬が幸せな余生を過ごせるよう支えてあげてください。

発生箇所により異なるリンパ腫の症状

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

Piyaphong25/Shutterstock.com

カラダのあらゆる組織に発生する可能性があるリンパ腫。発生箇所により、多中心型リンパ腫、消化器型リンパ腫、縦隔型リンパ腫、皮膚型リンパ腫などと分類され、それぞれ症状が異なります。8割を占める多中心型リンパ腫は、下あごやわき、内股、ひざ裏などに、腫れやしこりが現れるのが特徴。消化器型リンパ腫は下痢や嘔吐などの症状が。両型とも体重が減少したり、元気がない、食欲が落ちるといった変化も見られます。高齢犬の場合、こうした異変は単なる老化現象ととらえがちですが、見過ごさないよう気をつけてください。また、縦隔型リンパ腫は咳や呼吸困難を引き起こし、皮膚型リンパ腫は湿疹や脱毛などの症状が出ます。まれに、様々な精密検査を行ってもなかなか発見しづらいリンパ腫が存在します。元気がない、食欲が落ちてきた、体重が落ちた、などといった場合は早めに動物病院を受診しましょう。

完治ではなく緩和を目指すリンパ腫治療

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

didesign021/Shutterstock.com

リンパ腫の診断では、全身の触診と血液検査に加え、胸やおなかなどを診るレントゲン検査や超音波検査などを行います。進行が疑われる場合は、肝臓や脾臓、骨髄への転移についても調べることになります。

リンパ腫治療は抗癌剤を用いた化学療法が中心となります。リンパ腫の進行度やカラダの状態などに応じて、数種類の薬剤を投与します。根本的な治療にはならないものの、症状を抑える目的で、ステロイド剤を併用することもあります。リンパ腫治療における第一の目標は、完治ではなく、あくまでも症状の緩和。ただし、再発・転移が多いため、症状が一旦治まったとしても、継続的な治療が必要です。

抗癌剤には様々な種類があり、副作用の心配やコストの面も含めて、ほとんどの飼い主がその選択に頭を悩ませます。獣医師の提案をよく理解した上で、愛犬にとってベストな治療法を選びたいものです。

日常生活では、治療の効果を妨げたり、薬の副作用が重くならないよう、栄養不足による体力の低下に注意しましょう。食事の量・栄養バランスに気を配ってください。食欲が低下している場合は、香りが立つよう食べ物を温める、水分を加えて食べやすいやわらかさに調整するなど、工夫を凝らしてください。

予防法がないリンパ腫は早期に発見・治療するのみ

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

Pressmaster/Shutterstock.com

リンパ腫は、まだ原因が明らかにされていないため、残念ながら明確な予防法はありません。現時点で飼い主が愛犬のためにできる最大限のことは、早期発見・早期治療です。なでたり、ボディーケアする際には、カラダにしこりや腫れがないかチェックしましょう。

リンパ腫になりやすい犬種は?

米国の調査では、リンパ腫になりやすい犬種として、ボクサーやゴールデンレトリーバーなどが挙げられることが多いようです。日本国内では詳細なデータがないため、定かではありませんが、明らかにいえることは、5歳以上の中高齢での発症が多いということ。適切な治療を受けていれば、健康だった頃とほぼ変わらない生活を送ることが可能なため、穏やかな余生をサポートしてあげたいですね。

内容について報告する