【獣医師監修】動物病院での犬や猫の爪切り。料金はいくらぐらい?
人間の爪は伸びるとカットしますが、犬や猫の爪はどうすればよいのでしょうか。歩くことである程度は削れていきますが、動物の爪は意外なほど早く伸びてしまうものです。そして、犬や猫の爪のケアをしないでいると大変なことに…そうならないためには、動物病院で切ってもらうという方法があります。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
動物病院で爪切りをしてもらえるの?
そもそも、犬や猫の爪は動物病院で切ってもらえるものなのでしょうか。その答えは、「切ってくれます」です。トリミングサロンが苦手な犬や、飼い主が自分で爪を切ってあげられない場合(慣れるまでは難しいものです)は、動物病院に依頼しましょう。動物病院の獣医師や看護師は犬や猫の扱いに慣れているので、爪を切りすぎて出血することはほとんどなく、万が一出血したとしてもすぐに止血してくれるので安心です。
動物病院における爪切りの料金の目安
動物病院で犬や猫の爪切りをしてもらう場合にかかる費用は、病院にもよりますが平均で500円ほど、高くても1000円くらいです。中には、病気の診察時にサービスで切ってくれたり、健康診断の一環としている動物病院もあります。
じつは、爪切りをするためだけに動物病院を訪れ、そのタイミングで体重測定をしてもらう飼い主もたくさんいます。また、爪切りはごく短時間で終わります。愛犬や愛猫に「病院に行ってもすぐに帰ることができた!」という経験をしてもらうことで、病院嫌いを回避できるかもしれません。
犬の爪切りの必要性
では、犬や猫の爪を切らないままにしておくと、どうなってしまうのでしょうか。
犬や猫の足の裏には肉球があり、その指の先に爪があります。
犬や猫は基本的に素足で歩くので、肉球は靴と同じような役割を果たしています。触るとプニプニしてやわらかいのは、地面の衝撃を吸収するためのクッションになっているからです。肉球があるおかげで、犬や猫は関節や骨を守ることができます。また、滑りやすい路面ではブレーキの役割も果たします。犬や猫は優秀なハンターとして野生で生活することができたのは、足音を立てず獲物に忍び寄り、ケガをすることなく獲物を捕らえることができる、この肉球の機能によるものです。ちなみに、肉球は仔犬・仔猫の時はピンクですが、だんだんと黒くなっていきます。
その肉球と同じように、爪は犬や猫が生きていくために必要な機能を備えています。犬と猫の指は一般的に前足が5本で、後足が4本です(品種により、後足にも5~6本の指がある場合もあります)。この爪があるおかげで、獲物を捕まえたり、猫の場合は木に登ったりすることができます。つまり、犬や猫が生きていくために、爪は必要不可欠なものなのです。
日頃の手入れを怠ると、犬の爪はどんどん伸びてしまいます。爪が伸び放題になると、巻き爪になってしまったり、大事な肉球に爪が食い込んで痛みが走ったりすることがあります。また、爪の中を通る血管や神経も同時に伸びていくので、その分爪切りの際に出血や痛みが発生するリスクは高くなります。
一方、猫の爪は爪とぎをすることで古い爪がはがれ落ちるため、一定の長さ以上は伸びません。しかし、高齢になり爪とぎをしなくなると、古い爪がはがれ落ちず、爪はどんどん太く長くなっていきます。
爪とぎをする猫の場合、犬のような巻き爪の心配はありませんが、カーペットやカーテンに引っかかり、折れてしまうケースもあります。そのため、室内飼育の猫の場合は、先端の尖っている部分を切ってあげた方がいいでしょう。爪が折れたりはがれたりすると、出血や神経の損傷により、犬や猫は歩くことすらストレスになってしまいます。
犬や猫の健康を守るためにも、定期的に爪の長さをチェックして、必要があれば動物病院でカットしてもらいましょう。
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