【獣医師監修】柴犬の抜け毛が多い理由と対処法
日本犬の中でもっとも人気のある犬種、柴犬。昔は屋外で飼育されることが多かったのですが、最近では室内飼育が主流です。柴犬を室内で飼育する際に、悩みの種になるのが「抜け毛」です。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
柴犬はよく毛が抜ける犬種
柴犬といえば、素朴な見た目と愛嬌たっぷりの表情、飼い主に忠実な性格などが魅力の犬種で、その人気は今や海外にまで広がっています。その柴犬、じつは抜け毛が多い犬種だって知っていましたか? しかもその量は、「多い」というよりも「ものすごく多い」といって差し支えないほどなのです。柴犬は短毛種なので、抜け毛のイメージはあまりないかもしれませんが、柴犬を家に迎え入れたいと思ったら、この抜け毛と闘う覚悟が必要です。
柴犬はダブルコートの被毛を持っている
なぜ、柴犬は抜け毛が多いのか。それは、柴犬の被毛がダブルコート(二重構造)になっているためです。柴犬はその昔、日本の山岳地帯で小動物などの狩りに使われていました。山岳地帯の冬は厳しいもの。身に染みるような寒さの中、柴犬はそのダブルコートの被毛で寒さから身を守っていました。
ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)で構成されている被毛のことで、硬いオーバーコートが柴犬の皮膚を雨や雪など外部の刺激から守り、やわらかく密生したアンダーコートが体温調節をしたり、皮膚を紫外線から守ったりする役割を持っています。このように、被毛が二重構造になっているおかげで、柴犬は日本の冬を耐えしのぐことができたのです。
ダブルコートの犬種には「換毛期」がある
体温調節の役割を持つアンダーコート(下毛)は、秋から冬にかけて生え変わり、その密度を増して寒い冬に備えます。そして、暖かくなってくる春先から、役目を終えたアンダーコートが抜け落ちていきます。
これが換毛期と呼ばれる、アンダーコートの生え変わりの時期。換毛期は1年に2回、春と秋にやってきます。とくに、春の換毛期には、寒さをしのぐために蓄えられていたアンダーコートがごっそりと抜け落ちます。アンダーコートは細く軽いので、空中に舞いやすく、服やじゅうたんなどの布製品に付くとなかなか取れにくいのが特徴で、飼い主としても対応に苦慮するところです。
抜け毛の対処法
柴犬を室内飼いする以上、抜け毛対策は欠かすことができません。では、抜け毛対策とは具体的にどうすればよいのでしょうか。
日々のお手入れにブラッシング
抜け毛対策としてもっとも効果的なのが、毎日のブラッシングです。「どうせ抜けるのだから、放っておいてもよいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違い。換毛期に抜けるアンダーコートや、抜けそうな状態の毛を放っておくと、毛玉や蒸れの原因となります。毛玉や蒸れは皮膚炎を引き起こす要因にもなってしまうので、余計な毛は取り除かなければなりません。
そこで、重要になるのが日々のブラッシングです。ブラッシングをすることで余分な毛を取り除くことができるほか、血行を良くしたり、犬とのスキンシップになったりと、様々な効果が期待できます。さらに、あらかじめ犬のカラダから抜け毛を取り除くことで、部屋の掃除も楽になります。換毛期は毎日、換毛期以外は1週間に1~2回程度はブラッシングしてあげましょう。
定期的にシャンプーを
適度なシャンプーも、抜け毛対策として効果的です。ただし、シャンプーのしすぎは、必要な皮脂まで洗い流してしまうため、逆にフケや痒みの原因となってしまいます。シャンプーは1ヶ月に1~2回程度にとどめましょう。
柴犬を室内で飼育するなら、抜け毛との闘いは避けられません。柴犬の皮膚の健康を守るためにも、換毛期にはブラッシングを欠かさないようにしましょう。また、部屋の床に毛が落ちている状態は、喘息やダニの原因となるので、こまめに掃除するようにしてください。
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