【獣医師監修】犬が留守番中に吠える場合はどうしつければいい?
愛する犬とずっと一緒に過ごしたいと思っても、日常生活を送る上で、犬をひとりで留守番させなくてはいけない場面は必ずやってきます。しかし、とくに長時間に渡る留守番を得意としている犬はあまりいません。そこで今回は、犬と留守番について解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬って留守番は得意なの?
大切な愛犬とずっと一緒に過ごしたいと思っても、24時間つきっきりでいることは現実的には不可能に近いでしょう。しかし、犬はもともと群れで生活していた動物なので、ひとりでの留守番はあまり得意ではありません。ただし、仔犬の頃から少しずつひとりの時間に慣れさせることで、留守番中のストレスを軽減することができます。
そもそも、留守番が苦手な犬は、少し時間が経てば飼い主が帰ってくることを教えられていないことがほとんどです。そして、飼い主が帰ってこないかもしれないという不安やストレスにより吠えたり、あまりにひどい場合は物を壊すような問題行動を起こしてしまうのです。
犬に留守番をさせる前に
では、犬に上手に留守番をさせるためには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
犬にストレスを与えないためにも、いきなり長時間の留守番をさせることは避けましょう。まず、犬のいる部屋から完全に姿を消して、2~3分で戻ることを繰り返し、「飼い主がいない時間を作ること」「飼い主がいなくなっても必ず戻ってくること」を覚えさせます。
飼い主が不在の間は、お気に入りのおもちゃで遊べたり、おやつを食べられたりといった楽しみを与えてあげましょう。慣れてくると、ひとりでも落ち着いて過ごせるようになります。
大切なのは、犬に「留守番=寂しい時間」と思わせないことです。日頃から、留守にしても飼い主は必ず帰ってくるという安心感を与えながら、留守番は楽しい時間だということを教えていきましょう。
このようなトレーニングを積むことで、犬が留守番できる時間はどんどん延びていきます。しかし、食事やトイレの衛生的な部分を考慮すると、長くても12時間くらいが限度でしょう。とくに、仔犬や高齢犬、体調不良の犬の場合は、長時間の留守番は禁物です。
留守番中に無駄吠えをさせないためには?
家を出る際や帰宅時に、部屋の中からワンワンと犬の吠える声が聞こえてきた経験を持つ飼い主は少なくないでしょう。「留守中、ずっと鳴いているのでは?」と心配になるかもしれませんが、通常は出かけてすぐに鳴き止み、留守中は静かに過ごし、飼い主の足音などを察知してまた吠える、というパターンがほとんどです。心配な場合は一度、ボイスレコーダーなどを置いて出かけてみるとよいでしょう。
もし、犬が留守中ずっと鳴いているような場合は、飼い主と離れることに強い不安を感じる「分離不安症(ぶんりふあんしょう)」という病気の可能性があります。分離不安症は治療が必要な病気なので、まずはかかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、テレビやラジオ、ステレオなどを点けたままにしておくと、犬がリラックスして過ごせるケースもあるようなので、試してみてもよいかもしれません。
帰宅後は、いい子で待っていた犬に熱烈な「ただいま」をしたくなるかもしれませんが、帰宅してすぐにかまいすぎると、帰宅時に興奮して吠えるようになるケースもあるので要注意です。
犬がいい子で留守番できるのは、日頃のコミュニケーションがあってこそ。まずは短時間のトレーニングを繰り返し、犬との信頼関係をしっかりと築くことから始めましょう。
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