猫の膀胱炎について考えられる原因や症状、治療法と予防法

猫が頻繁にトイレに行くようになったり、排尿する時に痛そうに鳴いたりする…。そんな時は、膀胱炎にかかっているかもしれません。今回は、猫の膀胱炎の原因や症状、治療法、予防法についてみていきましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫の膀胱炎の症状

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猫の膀胱炎とは、膀胱に炎症が発生した状態のことをいいます。膀胱とは、左右の腎臓から送られてくる尿を一時的にためておくための袋状の器官。尿道を通じて尿を排出する仕組みになっています。

猫が膀胱炎にかかった場合の症状としては、以下のようなものがあります。

●ぐったりして元気がない
●食欲不振
●発熱
●水をたくさん飲む
●排尿の回数が増えるが、1回の尿量は少ない
●尿の色が濃くなる
●尿が濁っている
●血尿が出る
●尿のニオイが強くなる
●排尿時に痛みを訴える

人間が膀胱炎になった時と同様に、膀胱炎になった猫は排尿の際に痛みを感じます。しかし、猫は自分の痛みを言葉で伝えることができないので、飼い主がいつもと違う仕草や様子の変化から、病気のサインを感じ取ってあげなければなりません。

とくにオス猫の場合、尿路が細く、閉塞してしまった場合まったく尿が出なくなってしまうことも。苦しそうにしている様子が見て取られ、時間が経つにつれてぐったりしてきます。

また、排尿障害により腎臓に負担がかかり、急性腎不全を引き起こすケースもあります。最悪の場合、命を落とす危険があるので、くれぐれも注意してください。

猫の膀胱炎の原因

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細菌感染

一般的な膀胱炎は、おもに尿道から侵入した細菌が、膀胱に達して炎症を引き起こします。このような、細菌感染による膀胱炎を「細菌性膀胱炎」と呼びます。また、尿路結石の原因となる結晶成分に細菌が二次感染することで膀胱炎を発症する場合もあります。

膀胱炎を引き起こす細菌としては、大腸菌、ブドウ球菌、プロテウス属が有名で、これらが全体の大半を占めるといわれています。

結石

猫の尿はほぼ中性ですが、体質、食べ物、細菌感染などにより、尿のpHが酸性やアルカリ性に傾くことがあります。pHとは水溶液(この場合は尿)の性質(酸性やアルカリ性の程度)を表す単位のこと。これにより、結石の原因となる結晶が作られやすくなります。さらに、猫はもともと飲水量の少ない動物ですが、気温の低下によりさらに飲水量が減少し、尿が濃くなることで発症するといわれています。

その他、原因不明のもの

原因が特定できない膀胱炎が「特発性膀胱炎」。猫の場合は、原因が特定できる膀胱炎よりも、この特発性膀胱炎の方が多いといわれています。特発性膀胱炎の発症原因としては、猫はデリケートな動物なのでストレスに影響されやすい、など様々な意見がありますが、いずれの説も推測の域を出ず、はっきりしないのが現状です。

膀胱炎の治療方法

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猫の膀胱炎に対しての治療方法は、以下のようなものが挙げられます。

投薬治療

膀胱炎を引き起こす原因となった細菌を特定し、もっとも効果的な抗生物質を投与します。

カテーテルによる強制排尿

尿内の結晶が原因で、尿路が完全にふさがれてしまっている場合は、尿路の閉塞を解除しつつ、膀胱から直接尿を出してあげるために、カテーテルを挿入。痛みを伴うので、鎮静処置や麻酔処置が必要になる場合があります。

基礎疾患の治療

膀胱炎が長期化したり、いったん治っても繰り返し再発したりするようなケースでは、ほかの疾患が膀胱の炎症を引き起こしている可能性も。結石や腫瘍、先天的異常などがないかを検査し、結果に応じた治療が施されます。

一方で、特発性膀胱炎の治療については、原因がはっきりしていないため、基本的には症状を緩和していくことを目的とした対症療法が中心となります。症状に合わせて投薬治療、食事療法、排尿を促すために水分を摂取する、ストレスの軽減を目指す、などの処置を行います。

膀胱炎の予防方法

細菌性膀胱炎を予防するためには、トイレを清潔に保つこと、飲水量を増やすことが重要。細菌性膀胱炎の場合、尿道を通じて感染するため、トイレを清潔にすることで細菌の侵入を防ぐことができます。トイレの砂は、2週間に1回は交換するようにしましょう。

また、飲水量を増やすことで排尿を促し、細菌を体外に排出させます。猫が水を飲みやすくなるように、水飲み場を複数設置するとよいでしょう。

結晶が原因の膀胱炎を予防するためには、食事の改善や水分摂取量を多くすることが効果的です。結晶を作りにくくするために、ミネラル分(マグネシウムなど)の量をコントロールしたフードや、尿を酸性に保ち結晶ができにくくなるクランベリーのジャーキーなどが市販されています。

また、ドライフードからウェットフードへ切り替えることで、食事による水分補給を期待できます。さらに、常に新鮮な水を用意したり、水場を増やしたりすることで、猫が水分を取りやすくする環境を整えることも大切です。

特発性膀胱炎は、原因がはっきりわかっていませんが、肥満、飲水不足、寒さ、ストレスなどが関係していると考えられています。そのため、猫にとって快適な生活環境を作ってあげることが大切。結晶が原因の膀胱炎と同様に、日々の食事や水場の確保、防寒対策に気を配りましょう。

飲水量の少ない猫は、膀胱炎にかかる確率が高い動物です。日頃から膀胱炎の予防に努めるとともに、猫の様子の変化にいち早く気づけるよう、しっかりと目を配ってあげてください。

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