災害時に困らないためのペット防災! 今やっておきたいしつけ【犬編】

災害時に大切なペット避難したとき、しっかりとやっておかないと困るのがしつけです。避難所で他のペットやペットを飼っていない人とトラブルにならないためにも、きちんとしたしつけを今のうちに行っておきましょう。

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災害時には、どのようなことが起こるかわかりません。ワンちゃんのストレスを減らすためにも、最低限のしつけを行っておくことが大切です。

1.犬の防災【しつけをする前に覚えておきたいこと】

まずは犬の性格を知ろう

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まず、愛犬がどのような性格なのかをよく把握しておくことが大切です。ワンちゃんにも一匹一匹個性があり、何が得意で何が苦手か変わってきます。まずは、ワンちゃんが普段からどんなことを考えて、どのような行動をとっているのか、よく観察する必要があります。

普段大人しいワンちゃんでも、災害時はパニックになってしまうかもしれませんし、意外と落ち着いている可能性もあります。非常時にワンちゃんが予測しない行動を取って慌てないように、愛犬が他のワンちゃんや人と、どのように関わっているのか把握し、問題を起こさないように、どのようなしつけを行うべきなのか考える必要があります。

体罰は絶対にNG!

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しつけで何よりも大切なのは、ワンちゃんと飼い主さんの信頼関係です。体罰を行えば、信頼関係が崩れるだけでなく、人の手を怖いものだと認識し、逃げたり噛むようになってしまいます。避難先で飼い主さん以外の人に触られたり、獣医さんによる触診があっても怖がらないように、体罰はやめましょう。

ワンちゃんは褒められることが大好きな動物なので、しつけをする際は"褒める"ことを基本としましょう。もし失敗してしまっても、強く叱ったりはせずに、根気よく教えてあげることが大切です。

2.犬の防災【避難先で困らないためのしつけ!】

吠えない・噛まないが基本

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吠えない・噛まないというのは、災害時に備えるためのしつけだけでなく、ワンちゃんを飼う上でも最低限やっておきたいしつけの一つです。ワンちゃんが暮らすことになる避難所では、ペットを飼っている人だけでなく、様々な人が避難してきます。

中には動物が苦手な方もいるかもしれません。そんな人々がいる中で、ワンちゃんが吠え続けて迷惑をかければ、その避難所にいられなくなる可能性もあります。周りの迷惑にならないように、普段から無駄吠えをしないようにしつけを行いましょう。

吠え癖を直すには様々な方法がありますが、まずは吠えたときに大きな声で叱らないことが大切です。飼い主さんが大声で叱っていると、ワンちゃんは「応援されている」と勘違いしてしまい、さらに吠えることに繋がってしまいます。吠えたら気をそらす、吠えるのをやめたらほめてあげるなど、ワンちゃんの性格に合ったしつけ方法を行いましょう。

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次にしつけておきたいのが、噛み癖です。噛み癖があるワンちゃんは、周囲の人を傷つける恐れがあるだけでなく、周りのペットにも危害を及ぼす可能性があります。さらに、怪我をしたときに獣医さんからスムーズな治療を受けられず困ることも。

災害時、ワンちゃんの傍に必ず飼い主さんが居られるとは限りません。飼い主さんが傍にいなくても、人に安心して任せることができれば、避難生活中も安心ですよね。噛み癖を直すには、咬まれたら痛いことをアピールして、遊びやなでることを中断する、などの方法があります。

"ハウス"でクレートへ入ってくれる

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避難所では、飼い主さんと一緒に避難してきても、ペット用のスペースにあるクレートで過ごすことが多くなります。そんなとき、飼い主さんがいない状況や、狭いクレートに慣れていないワンちゃんは、ストレスや不安から無駄吠えが多くなったり、食事やトイレがままならず体調を崩す恐れがあります。

まずは、日常生活の中にクレートを取り入れ、ワンちゃんがその場所を安心できる場所だと認識することが大切です。また、「ハウス」の指示でクレートに入るようになれば、日常生活で活用できるだけでなく、災害が起きたときの避難手段としても有効です。

いきなりクレートで過ごさせるのではなく、お気に入りの毛布やおもちゃなどを置いて、まずは自然に中で過ごせるような環境を作りましょう。

さらに、おやつをクレートの中に置き、食べさせるようにします。ワンちゃんがクレートに入るときは「ハウス」と声をかけるということを繰り返していくと、「ハウス」の掛け声だけでクレートにはいるようになります。

ワンちゃんがクレートに対して安心感を抱くようになったら、扉を閉めてみたり、飼い主さんがその場を離れてみたりしましょう。ワンちゃんが中で安心して眠るようになれば、クレートトレーニングはほぼ完了と言えます。

フレンドリーな犬になろう

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災害時は周囲の環境が大きく変わるため、他のペットと一緒にいる時間が非常に長くなります。個別に散歩をさせる時間がないため、複数のワンちゃんと一緒に運動をすることもあるかもしれません。そうなったとき、日常的に他のワンちゃんとコミュニケーションをとっていなかったワンちゃんは、周りになじめずにストレスを感じます。

そういった事態を避けるためにも、ワンちゃんを毎日散歩に連れ出し、様々な経験をさせることが大切です。犬同士にも、挨拶のやり方やマナーがあります。普段からワンちゃんが集まる公園や、飼い主同士の集会などに積極的に参加して、ワンちゃん士のふれあいに慣れさせましょう。ペットを飼う人同士の情報交換の場としても便利です。

様々な触れ合いや、いろいろなところに行った経験があるワンちゃんは、災害時にも落ち着いた行動を取れることが多いです。散歩を始めたころから、できるだけいろいろなところへ連れ出すようにして、経験豊富でフレンドリーなワンちゃんになるように、飼い主さんは気を配りたいですね。

"待て・おいで" をできるようになろう

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「ハウス」と指示すればクレートに入る、ということも大切ですが、「名前を呼んだら来る」「所定の場所で待つことができる」というのも、災害時にはとても大切になります。

「おいで」ができるということは、飼い主さんとワンちゃんの間で十分な信頼関係ができているということです。緊急時、ワンちゃんが少し離れた場所に居ても、飼い主さんの指示一つで戻ってくることができれば、安全に避難できる確率が上がります。

また、万が一はぐれてしまった場合でも、名前を呼んでくるようにしつけておけば、発見できる確率が上がります。呼び戻しを覚えさせるためには、ご飯のとき、散歩のときなど、ワンちゃんにとって楽しいことがはじまるときに「おいで」と声をかけるようにするのが良いでしょう。

「おいで」の掛け声でなにか楽しいことがはじまる、とワンちゃんが覚えてくれれば、あとは何度も反復させることで身についていきます。このとき注意したいのは、呼び戻しのコマンドを叱るときに使わないことです。飼い主さんの元へ行ったときに叱られた記憶が残ってしまうと、ワンちゃんはコマンドに従わなくなることがあります。

トイレトレーニング

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愛犬のトイレを散歩の際に済ませている飼い主さんも多いかと思いますが、避難所では必ずしも散歩に行けるとは限りません。状況によっては、何日も散歩に出られないような日々が続くこともあるため、室内でトイレができるようにしておくと安心です。

災害時だけでなく、老化によって思うように散歩に行けなくなったときも、室内でトイレができるようにしておくと、介護をする際にも楽です。まずは、狭い部屋にペットシーツを数か所置いて、限定された場所から開始するとよいでしょう。

既に外でトイレをする習慣がついているワンちゃんの習慣を変えるのは大変です。犬種によってトイレを覚えるのが得意、不得意があることもあるので、ワンちゃんの様子を見ながら、無理をさせない程度に根気よく覚えさせていきましょう。

ペットシーツにトイレができるようになれば、避難所での生活もぐっと楽になります。トイレを我慢することは、ワンちゃんの体にも悪影響を及ぼすこともあるので、早いうちから室内外問わず、トイレができるようにしたいですね。

3.犬の防災【しつけと合わせてやっておきたいこと】

去勢・不妊手術

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避難所で生活するために、しつけと合わせてやっておきたいのが去勢や不妊手術です。発情期を迎えたワンちゃんは普段よりも大きな声で吠えるだけでなく、マーキングなども行うようになります。

また、避難所では常に飼い主さんの目が届いてるとは限りません。目を離したうちにメスが妊娠してしまう、という可能性もあります。望まぬ妊娠を避け、他のワンちゃんを守るためにも去勢や不妊手術は、しつけと合わせてやっておきましょう。加えて、感染病を防ぐためにワクチンの接種も定期的に行っておきたいですね。

餌や散歩の時間を一定にしない

ワンちゃんの体内時計は、飼い主さんが思っているよりもずっと正確です。午前10時きっかりに散歩に出て、午後12時にはご飯をあげる、といった規則正しい生活をしていると、ワンちゃんはその時間をしっかり覚えていて、場合によっては催促してくることもあります。

しかし、災害時は毎日のスケジュール通りにいくとは限りません。催促による無駄吠えなどに繋がることもあるので、餌や散歩の時間は毎日少しズラしてあげるようにしましょう。

しつけは普段の積み重ねによって身についていくものです。思い立ったときに一時的にやるのではなく、継続的に続けてワンちゃんにしっかりと覚え込ませるのが大切なので、根気よく、長い目で教えていきましょう。

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