ペットと防災【避難先での心構え】避難所で愛犬とどう生活すればいい?

ワンちゃんと一緒に避難所に避難してきた後には、避難生活が待っています。災害の規模にもよりますが、1カ月以上自宅に帰れないことも。そんなとき、ペットを飼う人として避難先で注意したいことややるべきことを紹介します。

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ワンちゃんと一緒に避難してきた避難先では、誰もが災害から命からがらに逃げてきた被災者ばかりです。そのため、いつもより住民同士のもめ事に繋がりやすくなります。そんな中、飼い主さんに求められるのは適切な配慮と、自主的な行動力です。避難先での飼い主さんの心構えについてご紹介します。

1.愛犬と避難をする前にまず知っておきたいこと!

ペットとは"同行避難"が基本

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"同行避難"という言葉をご存知でしょうか。これは、ペットと飼い主さんが一緒に避難をする、という意味の言葉で、東日本大震災以降徐々に知られるようになった言葉です。飼い主さんが避難所へ行く際には、ペットは置いていかずに必ず一緒に避難することを環境庁も推奨しています。

過去の震災には飼い主さんがペットを置いていったために、脱走したり衰弱してしまうという事件が起きました。たとえ短時間の避難だと言われていても、ペットと離れないようにして、しっかりと管理するのが飼い主さんの義務です。

ここで注意したいのが"同行避難"といっても、必ずしもワンちゃんと一緒の空間で生活できるわけではないということです。あくまで"一緒に避難する"ことを指す言葉で、同じ空間では暮らさず、ワンちゃんはとは別の場所になることもあります。また、ペットの受け入れの可否も避難所によって変わるので、それぞれの自治体のルールに従うようにしましょう。

"避難所"と"避難場所"の違い

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"避難所"と"避難場所"の違いをご存知ですか。"避難所"とは、自宅が住めない状態の人や、危険を感じる人が寝泊まりできる施設のことで、食料備蓄などがある場所です。主に公民館や学校など、自治体が運営している施設や、国営の施設などが避難所として開放されます。

対して、"避難場所"は火事や津波などの災害から逃れるために行く場所です。高台や広い公園などが主に指定され、「指定緊急避難場所」や「広域避難場所」というような名前で呼ばれます。あくまで一時的な避難を目的としているため、食料の備蓄などはありません。

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これらの場所は、自治体などが発行する"防災マップ"に記載されているので、災害が起きる前に、自宅から一番近い避難所と避難場所はどこか、確認しておくようにしましょう。

実際に災害が起きたらワンちゃんと自分はどこに避難するのか、あらかじめ家族間でも打ち合わせ、万が一連絡が取れない環境でも、どこへ行ったのか見当がつくようにしておきたいですね。

他にも知っておきたい防災用語

一時滞在施設

外出先などで災害に遭い、一時的に帰宅ができなくなった人の受け入れ先です。庁舎やオフィスビルのエントランスホールなどが主に解放されています。場合によっては、その場所に貯蓄されている支援物資などが開放されることも。

災害時帰宅支援ステーション

徒歩で帰宅する人々に向けて、ファミリーレストランやコンビニエンスストアがトイレや水道水、交通情報などを提供します。店頭にはステッカーが貼られているので、自宅から会社までの道のりにある店舗は対応しているのか、確認してみましょう。

また、これらの施設の他にも、災害時に飲料を無料で提供してくれる「災害対応自販機」というものもあります。こちらも自販機にポスターやステッカーなどが貼ってあるので、覚えておくと良いですね。

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二次災害を起こさないように管理をする

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避難する場所が決まった時、そのまま家を出てしまうのは危険です。ガス漏れや漏電などにより、火災が発生し二次的災害を引き起こす可能性があるので、ガスの元栓やブレーカーの管理などを徹底しましょう。
一刻を争うような状況でなければ、慌てて家を飛び出さずに持ち物の確認、家族への連絡方法、などを一度きちんと行うことが大切です。

特に、ワンちゃんを歩かせる場合は、怪我をしないように靴を履かせる、逃げ出さないように丈夫なリードやハーネスを使用する、などきちんとした配慮が必要です。迅速な行動は大切ですが、慌てすぎてかえって危ない目に遭わないように、落ち着いて行動したいですね。

2.愛犬と避難先での心構え

全員が被災者だという意識を持つ

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避難所にいる人々は、みな飼い主さんと同じように被災者です。中には家族を失った方や、家を失った方もいることでしょう。そんな中で、ペットを飼っているからといって自分の考えを無理に通そうとするのはマナー違反です。

避難先にはアレルギーを持つ人や、ペットが嫌いな人もいるかもしれません。共同生活をする以上、そのような人たちにもきちんと配慮ができるのが、良い飼い主さんです。場合によっては受け入れを断られることもあるかもしれませんが、そのような場合は別の避難所へ身を寄せることを考えましょう。

受け入れてもらった場合は、きちんと周りにペットがいることを伝えましょう。とある避難所では、一人の飼い主が小型犬を放し飼いにした結果、その避難所はペット不可となってしまったそうです。一人の飼い主さんのイメージがペットを飼う人全体に関わると考えて、慎重に行動したいですね。

人に頼らず自主的に行動する

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災害時は精神的な不安や、ワンちゃんの傍から離れたくないという思いが強くなり、避難所でのペットの扱いなどを人の手に委ねがちです。しかし、飼い主さんが自主的に行動しないと、ワンちゃんと長期的に離れることになったり、体調を崩すなどの原因を作ることになるかもしれません。

避難所には動物用のケージが用意されていますが、すべてのワンちゃんに行き渡るわけではありません。飼い主さんが自主的に動き、ケージの確保やワンちゃんの扱いについてきちんと理解し、他の飼い主さんと連携していくことが大切になります。

愛犬のケアを欠かさずに

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災害時は飼い主さんも心身共に追い詰められているかもしれません。しかし、それはワンちゃんも同じことで、知らない人や動物に囲まれて、とても不安な気持ちでいっぱいです。そんな中、飼い主さんとも離れ離れに暮らすことになれば、より強いストレスを感じ、免疫力が低下して病気になる可能性もあります。

下痢やおう吐、食欲がない、などの症状が見られたら要注意です。特に、予防接種を受けていない子や老犬などは病気にかかるリスクが高いため、飼い主さんは気を抜かないようにしたいですね。すぐに獣医さんに診てもらえるとも限らないので、普段から予防接種を受けて、健康な体作りに努めましょう。

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避難生活中は、ワンちゃんのストレスを思い通りに発散させることができないかもしれません。しかし、そんなときこそ愛犬のケアは欠かさないようにしましょう。散歩や遊びはワンちゃんの体調の変化に気づくきっかけにもなるので、できるかぎり行えるようにしたいですね。

特に運動量が少ない老犬などには普段以上にコミュニケーションを取り、遊んであげたり、体を触ってあげることが大切です。飼い主さんが長時間ワンちゃんから離れなければいけない場合は、飼い主さん同士で助け合い、散歩を代わりに行ってもらうなどの処置を取りましょう。

もし逃げてしまったときは

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飼い主さんがどんなに気を付けていても、ワンちゃんが何かの拍子に逃げ出してしまうこともあります。ワンちゃんがすぐに冷静になれば、近くにいる可能性もありますが、遠くに逃げてしまった場合、自力で戻ってくるのは難しいです。

もしもの時を想定して、飼い主さんはワンちゃんにマイクロチップや迷子札といった、飼い主さんがわかるようなものを常に身に着けさせるようにしましょう。

また、日常的に大きな音などに慣れさせておくことも大切です。バイクの音などが怖い子の場合は、散歩の際に待たせる訓練をしてみましょう。バイクが来ても何も来ないことを覚えさせ、大人しくしていたらきちんと褒めてあげることがポイントです。飼い主さんが落ち着いて、毅然とした態度でいればワンちゃんも動揺することは少ないはずです。

3.避難所以外の選択肢も考えよう

ワンちゃんにとっては自宅が安心できる場所

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吠えグセが治らない、他のワンちゃんが苦手、介護が必要、など様々な理由で避難所に行けないワンちゃんも、過去に起きた災害の際には居ました。そんなときは無理に避難所にいかず、車中泊などの方法を取るのも一つの手段です。

慣れない避難所では上記でご紹介したように、ワンちゃんへのストレスも非常に強く、飼い主さんも配慮しなければいけないことが多いです。自宅が危険がないようであれば、ワンちゃんのためにも自宅避難を検討してみましょう。

ただ、自宅避難や車中泊など、避難所に身を寄せない方法の場合、災害救助物資が受け取りにくくなったり、情報が手に入るのが遅くなる可能性があります。そのようなことを想定して、防災バッグには家族やワンちゃんが必要な分の食料や日用品を備蓄しておき、多少支援が受けられない状態でも生活できるようにしておきたいですね。

注意点が多い車中泊

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熊本地震では避難所に入れなかったペット連れが、車中避難をする光景もよく見られました。しかし、暑くなる季節だったため、ワンちゃんを車内に残していった結果、熱中症になり亡くなったという悲しい事件も起こりました。避難所よりはワンちゃんと一緒に居られる車中泊のほうが良いという飼い主さんもいますが、熱中症には特に注意しましょう。

飼い主さんにも注しなければいけないことがあります。長時間座り続けたことで血栓ができ、呼吸困難や全身の血液循環に支障をきたし、最悪の場合死亡する病気「エコノミー症候群」は、車中泊の人は特に発症のリスクがあるため、適度な運動などが必要になります。愛犬を運動させるついでにでも、こまめに立つようにしたいですね。

避難先ではペットに癒されたという人もいれば、迷惑に思う人もいます。その両方の人がいることを心に留め、避難所のルールに従った適切な行動を取って、飼い主さんはワンちゃんを守れるようにしたいですね。

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