【獣医師監修】犬には、わさびなどの刺激物を与えてはいけません!
犬の噛み癖がなかなか直らない、という悩みを持つ飼い主は少なくないと思います。そのしつけのために、わさびを使うと効果的という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。しかしこのわさび、与え方を間違えると大変なことになってしまいます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬にわさびを与えてはいけません!
そもそも、わさびをはじめとした刺激物に、犬が自分から好んで近づいたり、食べようとしたりすることは通常ありません。基本的に、動物は刺激が強すぎるものを避けます。辛味と痛みは似ているため、胃粘膜を刺激して胃炎を起こしたり、嘔吐や下痢を起こすおそれもあります。
しかし、その刺激を逆手に取って、噛み癖の矯正にわさびを少量使用する人もいるそうです。
たとえば、壊されたら困るものに、ほんの少量のわさびを塗っておくと、その辛さにびっくりした犬は二度と近寄ろうとしなくなるというわけです。しかし、分量を間違えると胃腸に異変が起きる可能性があるので、非常にリスクの高いしつけの方法だということを覚えておいてください。
わさび以外で、噛み癖のしつけに有効なアイテムとしては、天然由来の苦み成分を使用したビターアップルのスプレーが挙げられます。このスプレーを犬がよく噛むものに吹きつけておくと、犬はその苦さを嫌って噛むことをやめます。ビターアップルはその名前の通り、りんごの皮から抽出した苦み成分を使用しているため、わさびと違って安全性は高いのですが、犬によっては思ったような効果が得られないこともあります。
犬は、本来ものを噛む生きものです。人の都合で「噛んではいけない」というルールを設定する以上、まずは噛まれて困るものよりも、もっと魅力的で噛みたくなるおもちゃなどを用意してあげましょう。その一方で、噛まれては困るものに犬が興味を持たないよう、日頃から注意を払ってください。犬が一度何かを噛み始めたら、その行動を止めるのはとても困難になります。
犬にはわさび以外の刺激物もNG
わさびに限らず、犬は刺激物を苦手としているので、大量に食べてしまった場合はすぐに動物病院で手当てをしてもらわなければいけません。
わさび以外の刺激物としては、唐辛子やこしょう、からし、カレーなどの香辛料が挙げられます。どれも、犬の消化器に大きな負担をかけ、口腔内の痛み、胃の痙攣・麻痺、嘔吐・下痢といった症状がみられることがあります。
中毒性があるものではないので、ごく少量であれば神経質にならなくても大丈夫ですが、大量に食べてしまった場合は、半日から1日程度の絶食、症状に対する治療が行われます。
犬が刺激物を口にしてしまったら、飼い主も慌ててしまうかもしれませんが、正しい知識を持っておけば冷静に対処できます。もし、刺激物を食べた犬の様子に異常がみられた場合は、適切な処置をしてもらうためにも、何をどれくらい食べてしまったのかを確認し、動物病院に連れていきましょう。
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