【ねこ好きリレーエッセイ】わたしの地域猫活動日記
2月は年に一度のねこ月間。待ちきれないPECOでは「ねこの日、おめでとう」をテーマに、 1月20日から2月22日までの約1ヶ月間にわたり、ねこ好き8人によるリレーエッセイをお届けします。第3回は東京都武蔵野市の市民ボランティア団体「むさしの地域猫の会」代表・西村麻衣子さんの、忘れられない出会いと別れのお話です。
- 更新日:
東京都武蔵野市の市民ボランティア団体「むさしの地域猫の会」代表として、動物愛護に関わる西村麻衣子さん。5年に及ぶ活動の中で、たくさんのいのちと巡りあってきました。救ったいのち、救えなかったいのち、どれもたまらなく愛しいいのちたち。西村さんをここまで導いてくれた、忘れられないねこたちの物語を、たっぷりの愛情で綴ってくださいました。
悩むことも多いけれど、猫はわたしの人生を豊かなものにしてくれている
地域猫活動を始めるきっかけになったのは、近所のノラ猫親子の相談を「むさしの地域猫の会」にしたことでした。そこから会員になり、今ではなぜか会長をやっています。
当時わたしが助けられなかった、あの子猫が導いたのかなぁと思っています。
あれから、たくさんの猫、猫の周辺にいる人との関わり合いに追われています。
悩んで、泣いて、怒って、たまにうれしいこともあります。
この5年で経験した悩みとか喜怒哀楽は、今まで生きてきた40数年分を上回ったかもしれません。
出会う猫や猫にかかわる人たちのおかげで、わたしの気持ちや信念のようなものは毎日くるくると変わりますから、自分にはなんて芯がないのだろうとウンザリしますが、だからこそやっていけている、とも思っています。
いろいろありますが、猫はわたしの人生をとても豊かなものにしてくれていると感謝しています。
活動の中で出会った印象的なねこたち
今までの活動の中で出会った印象的な子たちを紹介したいと思います。
ふくちゃん
活動を始めたばかりのころに保護した神経質な子猫。たくさんの猫がいたのにご飯のない場所でしたから、コンビニのビニールを持っていくと襲いかかってくるほど飢えていました。特にこの子は臆病で、ご飯を咥えて遠くに持って行ってガツガツと食べる子でした。人馴れ修行で我が家にやってきて、今では大切な家族になりました。飢えていたイメージが強くどんどん食べさせるので今ではずいぶん太っ…(自粛)…。
馴れなかった子猫は今でも抱っこできないし、近寄ると逃げますが、愛おしさはほかの子となにも変わりません。
「保護猫~ふくちゃん~」http://horiaia.exblog.jp/19034036/
「ふくこのこと」http://horiaia.exblog.jp/23203134/
コロちゃん
あるお宅のお庭でパンくずをもらって生きていた子。白血病キャリアでした。
1年も経たないうちにリンパ腫を発症し肺に水がたまるようになりました。
苦しそうなコロを見るのはとてもつらかった。でも最期を看取ってあげることができました。
コロちゃん、力が足りなくてごめんなさい。あなたのおかげで今のわたしがいます。
「保護猫コロちゃん」http://horiaia.exblog.jp/23205529/
「ありがとう、コロちゃん」http://horiaia.exblog.jp/23225668/
トーラ
真夏の暑い日、「家の前に生きているのか死んでいるのかわからない猫が倒れています。行政に相談しても放っておいてくださいと言われました」という相談がきました。
虫がたくさん湧いていて砂まみれ、ガリガリの子猫でした。半身麻痺で歩くこともできなかったのですが、ある日首から大量の血と膿が吹き出し、少しずつ歩けるようになっていきました。
今では優しい家族のもとで大切にされしあわせに暮らしています。
トーラ、希望の星。きみはいつまでもわたしたちのアイドルです。
「ボロボロの仔猫さんを保護。」http://horiaia.exblog.jp/24539924/
「トーラのこと。」http://horiaia.exblog.jp/24583148/
レオ
5年間、毎週末、餌やりに通っていました。寒い日はひざにのって30分は温まっていたのがレオ。餌場の猫がレオだけになって保護を決意しました。今は、とてもあたたかいご家族のもとで大切にされ、のんびり暮らしています。
レオを通してわたしは外で暮らす猫たちのことをこんなに親身に想えるようになったのよ、ありがとう。
ゆず
処分されそうだったところを保護できた多頭飼育崩壊の子。頭蓋骨を骨折したとかで頭の骨が歪んでいて、いつもふらふらしている子。健気で可愛くて、検査のために募金を募ったらあっという間に数十万円も集まったほどの人気者。
大好きなゆず。うちの子ではないけど、とくべつな子。いつまでも元気でいてね。
あ~書ききれない。まだまだほかにも、たくさんたくさん、いるんです。
ボロボロで起き上がれずに動物病院に連れてこられて、あといくらももたないかもしれない、なんとかしてあげたかったけど、そのまま病院で息を引き取った茶トラくん。
「茶トラくん、天国へ。」http://horiaia.exblog.jp/25028693/
両足が曲がっている状態で保護されて、でも順調に育ちしあわせになれると思っていたけど虹の橋を渡って行ってしまった子猫のメントツくん。
「ありがとう、メントツくん」http://horiaia.exblog.jp/24532872
しあわせな家族に迎えられた子たちのことは忘れてしまうことができます。あとはご家族に任せられるから。
でも、助けられなかった子たちのことはいつまでも胸の奥に残り、折に触れて思いだします。
大雪の日や台風の日、酷寒の寒さや真夏の暑い日には、外で暮らしているたくさんの猫たちのことが気にかかり胸が痛くなります。
これは一生続くだろうと覚悟しています。
わたしにとっては、毎日がねこの日です。
ねこの日、おめでとう。
みんなしあわせに。
むさしの地域猫の会
http://www.musashinoneko.com/
※毎月譲渡会を開催しています