「ペット保険」はけっこう当たり前!?  世界のペット先進国事情に学ぶ飼い主のココロガマエ

「ペット保険」はけっこう当たり前!? 世界のペット先進国事情に学ぶ飼い主のココロガマエ

昨今、日本は「ペット先進国」といわれていますが、「動物愛護という観点でも先進国?」と問われたら、世界のペット先進国と比べてまだまだ!といわざるをえません。日本でも関心が高まってきている「ペット保険」ほか、お手本にしやすいペット先進国事情を紹介しましょう。

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そもそも世界のペット先進国との違いはなぜ起きる?

 その違いは、どうやら犬が担ってきた役割にあるようです。ヨーロッパは狩猟や放牧を中心とした文化のため、とくに犬は、生活や仕事を共にする「パートナー」という概念が浸透しています。たとえばドイツでは18世紀に動物保護法が施行されてから改定を重ね、動物の権利として、飼い主や他の犬との交流から、飼育場所の広さや日照まで事細かに定められています。

 一方、農耕民族であった日本では、「番犬」という役割からスタートしているのでヨーロッパほど人間に近しい存在ではありませんでした。現在では「愛玩」という概念に変わってきましたが、法の整備という点では、やっと国として着手し始めたというのが現状なのです。

先進国で「ペット保険」は当たり前!?

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日本では、昨今、ペットの健康寿命について関心が高まるにつれ、「ペット保険」に対する注目度も上がってきましたが、加入率は一桁台とまだまだ低いのが現実です。一方、世界の「ペット先進国」では、飼い主の義務としてペット保険へ加入することは、それほど特別なことではありません。
 とくに、スウェーデンでは犬の保険加入率がなんと8割近くで世界一の保険加入率を誇ります。「怪我から病気までしっかりと面倒をみるのは当たり前」ということで、ブリーダーから譲渡される際に、ペット保険にも当たり前のように加入するのです。また、補償の範囲も多様で、ペットの盗難、予防接種や去勢・避妊までカバーする保険もあります。

 日本のペット保険は、通院・手術・入院周辺をサポートするプランが一般的で、飼い主の要望や予算に合わせて選択できるようになってきました。定期的な検診を受けていれば、未病予防にもつながり「健康寿命」を延ばしてあげることができます。また、早期に病気が発見されることで、結果的には医療費を抑えられることにもなります。

年を取ってくると病気になりやすいのは、人間も犬も同じです。病気が見つかると費用がかかるから病院へ連れて行かない、動物病院でせっかく症状の原因がわかっても金銭面から治療を断念する、などの行為は、飼い主として絶対に避けたいところですね。

日本より制限されているペットの入手方法

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「ペット保険」以外にも、飼い主の心持ち次第で実践できる先進国のお手本はまだまだあります。
まずは、ペットを手に入れる方法です。たとえば犬の場合、環境省の調査によると、日本での入手先として、33%がペットショップ、友人知人からの譲り受けが26%、ブリーダーからの直接販売が18%、保健所や動物愛護団体からの引き取りが5%となっています。

 一方、世界の「ペット先進国」では、生体販売を問題視して法規制している国が多数あり、その場合はペットショップではなくブリーダーの直接販売や保護施設からの引き取りがほとんどです。これは、子犬や子猫を衝動買いすることを防ぎ、家族の一員としてブリーダーから子犬を譲り受け、家族として共に過ごすという理念に基づいています。

また、ドイツでは「ティアハイム」という動物保護施設で保護や仲介、譲渡が行われています。「ティアハイム」は、とても明るく広々とした施設で、犬は室内と屋外を自由に出入りできるようになっています。家族や友人同士で気軽に訪れて、寄付したり、新しい家族を探したりするのです。

日本でもペットの入手経路は徐々に増えてきていますので、ネットなどで探してみるのもいいかもしれませんね。

愛犬が快適に生きていくために「しつけ」はマスト

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次に紹介したいのが、しつけです。
たとえばアメリカでは、ニューヨークのような大都会でも大型犬から小型犬など様々な犬を見かけます。散歩は基本、リードをつなぎますが、都会の中に多数あるドッグランに連れて行って、リードを離して思う存分遊ばせるというスタイルが主流です。それでも、ドッグランで犬同士が吠えたり、人間を噛んだりというようなトラブルはほとんどないとか。これは、ドッグトレーナーをつけて「パピートレーニング」という社会性を高める訓練をし、たくさんの犬と触れ合うことに慣れさせているからです。

 日本でも、犬のしつけ教室に連れて行くことが少しずつ浸透してきています。しつけ教室といっても、幼稚園型、犬を預かる訓練所型、出張訓練士型、飼い主へのしつけ方教室など形態もしつけの度合いも様々です。手間も費用もかかることですが、吠えない、噛まない、他の犬に怯えてパニックにならないなど、きちんとしつけをすることは、愛犬が人間社会で快適に共存していくために不可欠なのです。

さて、いかがでしたでしょうか。
ペットへの愛情は、他のペット先進国と比べてもけっして負けていないと思いますが、本当の意味で「ペット先進国」と自負できるようになるためには、できること、いえ、やるべきことはまだまだたくさんありそうです。

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