犬の血尿。血尿の原因や考えられる病気、治療法、予防法について

血便と違い、判断が難しいのが犬の血尿です。血便に比べると、血尿の方が注意が必要な状況にあることが一般的ですが、散歩時に土の上などで排尿する犬の場合は、なかなか血尿に気づけないことがあります。そこで今回は、犬の血尿について解説していきます。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬の血尿が出る原因

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尿に血が混じる場合、どこからの出血が考えられるでしょうか。それは、尿が作られ運ばれる器官、つまり腎臓、尿管、膀胱、尿道、のどこかで出血が起きているということです。これに加えて、メスでは膣、オスでは前立腺などの疾患で尿に血が混じることがあります。
犬のおしっこの回数が多い、しきりに陰部を気にしている、トイレの時間が長い…そんな時は、血尿が出ている可能性があります。そのため、トイレシートは白いものに変え、陰部に白いタオルやガーゼを当ててみましょう。それでオレンジ色やピンク色が確認できれば、血尿が出ているということです。

血尿が見られたら受診が必要ですが、血尿の原因ごとに詳細に見てみましょう。

膀胱炎が原因の血尿

多くは細菌感染であり、膀胱粘膜が炎症を起こし出血がみられます。通常は外部から雑菌が尿道へ侵入したり、増殖しないための防御機能が働いていますが、なんらかの原因で防ぎきれなかった時に起こります。メスは肛門と尿道口が近いので、下痢などで腸の菌が侵入しやすいことが分かっています。また、疲労やストレスなどで防御機能が衰えてしまうこともあります。

尿石症が原因の血尿

泌尿器にできた結晶や結石が膀胱粘膜を傷つけることによって出血し、血尿がみられます。体質や食事内容、遺伝的素因などが関与しています。結石が尿道を塞いでしまうと尿が出せなくなり、急性腎不全を起こし命に関わります。

膣炎が原因の血尿

メス犬特有の病気である膣炎になると、膣が炎症を起こして出血することがあります。また、外陰部を舐める、地面にこすりつけるという行動も見られます。膣炎が命に関わるようなことは通常ありませんが、子宮が炎症を起こしたり細菌感染を起こすと、子宮蓄膿症といって命に関わります。

前立腺炎が原因の血尿

こちらはオス犬特有の病気で、細菌感染が原因となることが多いです。

犬の血尿の治療方法

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膀胱炎の治療方法

細菌の感染には薬(抗菌剤)を服用します。およそ2~3週間に渡って、細菌がなくなるまで服用を続けます。また、水を多めに飲ませておしっこを多くさせると、膀胱内の細菌を排出する回数が増えるので治癒が早くなります。下痢をしている時などは、尿道口を汚さないように拭いてあげると予防にもなります。

尿石症の治療方法

膀胱炎と同じく、水分を多めに摂取させてトイレを促します。尿石の成分によっては内科的に溶解可能な場合があり、療法食などで対応していきます。内科的なアプローチができない尿石に対しては、外科的に摘出します。尿石があることで細菌感染を起こしやすくなることもあるため、抗生剤の内服を同時に行うこともあります。

膣炎の治療方法

外陰部の消毒を行い、抗生物質を投与します。子宮の病気を併発している時は、その病気の治療も同時に行います。

前立腺炎の治療方法

細菌感染が原因の病気ですので、抗生物質の投与による治療が行われます。

犬の血尿を予防する方法

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血尿の原因のひとつに膀胱炎がありますが、これはトイレを我慢することも要因になります。環境の変化によりトイレをしなくなるような神経質な犬は、出来る限り慣れ親しんだ場所で生活させるようにするなど、ストレスをかけさせないことも大切です。

そのほかの病気については、いわゆる予防というのは難しいかもしれませんが、常々犬の様子をチェックしておくことで早期の発見につながります。何かちょっとでもいつもと違う様子が見受けられたら、いつも以上に気にかけてみましょう。もしトイレの時に変化があれば、先程紹介した血尿のチェックをしてみてください。そうすることで、重大な病気の早期発見ができるかもしれません。

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