スタンダード・プードルってどんな犬? 歴史やカラダの特徴について
頭脳明晰な犬種として知られているスタンダード・プードル。人懐っこく、友好的に接することができるので、子どものいる家でも安心して飼うことができます。ここでは、スタンダード・プードルの歴史と特徴についてみていくことにしましょう。
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スタンダード・プードルの歴史
スタンダード・プードルの起源について、はっきりしたことはわかっていません。しかし、紀元前30年頃のローマ帝国時代の記念碑に、スタンダード・プードルと思われる犬の彫刻が残されていることから、遥か昔から人々に寄り添って生活してきたものと思われます。
祖先にあたる犬が、中央アジア、ポルトガル、ギリシャ、モロッコ、ロシアなど広い地域に分布していたと考えられており、ドイツを経由してフランスに入った後に、改良と小型化が進められ、現在に至っていると思われます。現在のプードルの姿に、もっとも影響を与えているといわれているのが、「バーベット」という犬種です。この犬の被毛は、プードル同様にクルクルとカールしています。
16世紀までのプードルは、現在のスタンダード・プードルか、もしくはそれよりもカラダの大きなものに限られていたそうです。荷車を引く使役犬や、水猟犬として鴨狩の際に、仕留めた獲物を水に入って回収する回収犬(レトリーバー)としての役割を与えられていました。ちなみに、プードル独特のカットスタイルである「コンチネンタルクリップ」は、水辺で猟をする際に、作業の効率を上げるために考えられたものです。胸部や関節部分の毛量を多く残しているのは、水に飛び込むことが多かったスタンダード・プードルの体温が低下するのを防ぐためであり、尻尾の先の毛を残しているのは、遠く離れたところまで泳いでいった犬を、猟師が見つけやすくするための目印としての役割があったのが理由です。
18世紀頃に、プードルは貴族の間で人気を博します。とくに、フランスでは王侯貴族の寵愛を受けるようになり、後にフランスの国犬にまでなります。また、この頃には、トイ・プードルや、ティーカップ・プードルなど、現在定められた、すべてのサイズのプードルが存在していました。これらのプードルは、カラダの大きさが違うだけで、性格や気質は同じです。賢く、訓練性能がよく、人懐っこかったので、大道芸に用いられたり、トリュフを探すために使われたりするなど、様々な目的に応じて役割を与えられていました。
現在では、愛玩犬としての役割を果たすことが多いので、実際に猟で使われることは少なくなりました。しかし、足場の悪さに耐えられる足腰の強さや、高い判断能力を買われて、近年では、災害救助犬として注目されるようになっています。
スタンダード・プードルのカラダや顔の特徴
スタンダード・プードルの体高は、45~60㎝で、±2㎝まで許容すると定められています。ミディアム・プードルのカラダのサイズを、そのまま拡大・進展したものであり、かつ同じ特徴を持っていなければならない、とされています。体長と体高が、ほぼ同じ大きさのスクエア体型をしており、大型犬の部類に属します。肉球が厚く、四肢の筋肉が発達しているので、走ったり泳いだりするのが大変得意です。
被毛、毛量が多く硬めのカールした毛質をしています。シングルコートになっており、抜け毛は少ないので、お手入れはしやすいといえるでしょう。毛色は、ブラック、ホワイト、シルバー、ブルー、グレー、ブラウンなど大変豊富で、きれいな一色毛であることが求められます。
頭が小さく、マズルは長めです。表情は知的で、気品に溢れた雰囲気を纏っています。
スタンダード・プードルは、サイズの小さいプードルに比べて、落ち着きがあり、おおらかな性格をしています。大変賢く、人とかかわることも大好きな犬種ですので、しつけはしやすいといえるでしょう。愛情を持って接し、しっかりとした信頼関係を築けるよう心掛けましょう。