ペットのプチ不調改善や健康長寿にオススメ! 潜入!心身が健やかになる「中医学診療」ドキュメント
ペットの高齢化に伴い、生活習慣病やアレルギーなどが増えている現在、全身のバランスを整え、自然治癒力を高める予防医学「中医学」に注目が集まっています。シリーズ第3回目の今回は、獣医師が五感を使って、ペットの状態を細かくチェックして判断していく、リアルな中医学診療をドキュメント。病気になる前にいち早く体調を改善できる診療の様子を、最近プチ不調だったミニチュアダックス犬、おはぎちゃん8歳が体験します!
クランケ紹介
ミニチュアダックス おはぎちゃん(8歳)
内弁慶な性格で、外ではちょっとおすまし。その分、お家では甘えっこで、超ワガママ。繊細な性格ゆえか肌が弱く、毛艶が悪くなりがち。さらに最近ちょっぴり元気がなく、うんちがゆるめのこともあります。散歩後も疲れるように感じたので、中医学の先生に相談することに。
STEP1【中医学診療をしている病院を探そう】
シニア世代の8歳となり、次第に以前の元気がなくなってきていたというおはぎちゃん。食欲がなかったり、消化不良を起こしたり、皮膚の炎症もあったりと、様々なプチ不調が気になっていた頃、飼い主さんがネット上で発見したのが、「ペットの中医学体験談」でした。
「おはぎもこれから年をとっていくし、一度、健康診断を兼ねて診てもらおう」と決意した飼い主さん。近所に中医学の診療をしてくれる病院があるか調べてみましたか。まずは電話で、おはぎちゃんの状態を相談してみます。便の具合やかゆがる様子を説明したら、「ぜひ一度いらしてください」ということに。東京都大田区にある「ペットメディカル久が原」の青柳 伸介先生のもとを訪ねることになりました。
STEP2【病院へでかけよう】
翌日、診察の予約を取った病院へ。おはぎちゃんを連れてでかけます。
STEP3【診察室で先生と対面】
診療室で迎えてくれた青柳先生と対面。挨拶の後、さっそく診察や検査?と思いきや、「まずは、全体の様子を見たいので、しばらく自由に動いてもらいましょう」。
慣れない場所に来て、ちょっと興奮気味なのか、うろうろ落ち着かない様子のおはぎちゃん。
STEP4【望診(ぼうしん)】
自由にのびのびふるまうおはぎちゃんを、じっと観察する先生。じつはすでに始まっていた中医学の診療は、人間の五感…目で見る視覚、鼻で匂いを嗅ぐ臭覚、耳で音を聞く聴覚、手でさわる触覚などを総動員して、言葉を喋ることができないペットたちの心身のサインを診ていくというもの。
まずは目で診る「望診(ぼうしん)」からスタートしています。
おはぎちゃんの顔つきや表情、身体全体の動きから、元気のあるなし、活動力、動き方、歩行の様子などを、先生の目でチェックしていきます。舌の色などの状態も見るのですが、「無理に舌を出させるとその瞬間色が変わる」ので、できるだけ自然な状態で出したときにすばやく舌の色や状態を診ていくのだそう。
ちなみに、舌全体の色が赤っぽいと身体に熱がこもっていて、白かったり青いと冷えているのだとか。「ちょっと白いかな。冬場の冷えや夏場の冷房にも気をつけてくださいね」
STEP5【聞診(ぶんしん)】
ペットの口や耳、体全体の匂いを嗅いだり、鳴き声や呼吸音をじっと聞くのが「聞診(ぶんしん)」。主に鼻や耳で診ていくものです。病院の雰囲気に慣れたのか、先生に匂いを嗅がれたり、耳をすまされても、おはぎちゃんはじっとしています。
匂いを嗅ぐ理由は、臭いで熱や湿気の溜まり具合を判断するため。呼吸音や鳴き声が強い場合は、寒さや暑さ、湿気、乾燥などの影響が強い状態。逆に呼吸音が弱々しく、鳴き声が出ず、出てもかすれるなどの場合は、体の抵抗力や治癒力が弱っている状態なのだとか。家でも時々チェックしておくと、体調がわかるとのことです。
STEP6【切診(せっしん)】
筋肉の凝り、皮膚の弾力性、緊張度、体表リンパ節の状態、唾液腺、甲状腺の大きさなどを診ていきます。もちろん、しこりなどがあればチェックします。
身体にじかにふれて脈をとったり、お腹の張り具合などを診るのが「切診(せっしん)」です。ワンちゃんや猫ちゃんの脈を診るときは、着ていたウェアを脱がし、後足の付け根をしばらくタッチ。脈の強弱、早いか、遅いかなどで、心臓の働き、気の流れなどを確認します。
軽く触っただけで脈を感じる場合、脈拍数が多いと急性の熱症状、脈拍数が少ないと急性の冷え症状。深い位置まで押さえてはじめて感じる場合は、脈拍数が多いと体の内部に熱がこもっている症状で、脈拍数が少ないと体の内部に冷えがある症状だそうです。
身体全体をさわり、股関節の動きなどの運動状態などを、くまなく診ていく先生。とくにミニチュアダックスは、腰に弱点を抱える犬種。腰部や脚部の筋肉の凝りや緊張度などをじっくり触って確認していきます。
このとき、おはぎちゃんの体調管理にいいマッサージを教えてくれた先生。日頃から飼い主さんが優しくなでてあげることで、いち早く患部を発見できるうえ、予防にもなるのだそうです。
STEP7【問診(もんしん)】
切診の途中からはじまっていたのが、「問診(もんしん)」です。文字通り飼い主さんに問いかけていくことですが、おはぎちゃんが普段食べているものや生活環境、睡眠や便の調子などを具体的にヒアリングします。このときの診断はすべてカルテに記載され、次回診察時以降、変化をみていきます。
STEP8【処方】
じっくりと望診、聞診、切診、問診の4診を終えた後、気になる点があった場合は、より詳しい数値を知るために科学的な各種検査をすることもあります。
今回は、とくに問題はなし。先生の総合的な診断で、おはぎちゃんの症状を改善するための中医学の処方をしてくれました。
今回の処方の中心となるのは、皮膚炎の症状を押さえる中医学のペットサプリメント。無事に飲んでくれるかどうか心配顔の飼い主さんのために、「はい!」と先生がおはぎちゃんの目の前に。すると興味しんしんで、すぐにでも飲みたそうなそぶりを示しました。
「ワンちゃんは自分の体調にいいものはわかるものです。自分から積極的に飲んでくれる子も多いです」
心身のバランスを取ることで、本来そなわっている自然治癒力を高める中医学の処方は、基本的にオーダーメイド。診断を受けてから、その時点の症状に最も合うものが個別に処方されます。プチ不調を整える処方などもあるので、獣医師さんに相談してから服用させるのがいいでしょう。
STEP9【再診】
いただいた処方を毎日飲ませた結果、毛艶も良くなり、お腹の調子も回復したおはぎちゃん。先生からアドバイスをもらった、旬の食材をいつものフードに加えるなど、食餌に気をつけたことも良かったようです。
そして約2週間後、再診へ。先生も経過良好で元気な様子に一安心。何よりもおはぎちゃんの表情が生き生きしてきました。中医学診療は、その時々の変化を診ていくことも大切。処方も徐々に変わっていきますので、良好な状態を維持するためにも定期的に診てもらいましょう。
STEP10【定期的な中医学診療で健康長寿】
定期的に中医学診療を受けるようになってから、ぐったりすることもなくなり、お肌の炎症も消えたおはぎちゃん。体調がいいせいか、気持ちも安定し、常にご機嫌でますます可愛くなったそうです。「定期的に通うことで、体のちょっとした微妙な変化を診続けてもらえるのが何よりも安心できる」と飼い主さん。
「これからも健康診断も兼ねて通い続けたい。高齢になって病気になる前にいち早く発見してあげて、ずっと一緒に仲良く健やかに過ごしていけたらと思っています」
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まとめ
ペット中医学の診療ドキュメント、いかがでしたでしょうか? 現在全国各地で、獣医師の資格をもった先生たちが、ペットたちの健康長寿のために中医学の診療に取り組んでいます。五感を使って診ていく独特な診察と、体調のバランスを整える処方で、ペットが重い病気になる前に防ぐことが可能な中医学診療。まずはお近くの中医学診療ができる病院へ、一度相談へ行ってみませんか。元気なうちから病気にならない体づくりをサポートしてくれます。
診察してくれた先生
青柳伸介先生
愛知県出身。北海道大学獣医学部卒、同年獣医師国家資格取得。2003年1月「ペットメディカル久が原」開院。西洋医学における診療手術全般も行うと同時に、「病気を起こす動物の体を調整していく」中医学をはじめ自然療法にも鋭意取り組み、手作り食のセミナーも開催中。
ペットメディカル久が原
電話03-5747-1831
住所東京都大田区久が原3-31-10