お外に出る猫ちゃんには高確率で寄生  大切なペットのためにやっておくべきノミ・マダニ予防

お外に出る猫ちゃんには高確率で寄生 大切なペットのためにやっておくべきノミ・マダニ予防

外で暮らすほとんどの野良猫にはノミが寄生しているといいます。体力のない子猫は、ノミに血を吸われて貧血になってしまうことも…。そんな外の猫たちを保護する場合、寄生虫の駆除は不可欠です。寄生虫に苦しむ猫たちを数多く見てきた市民ボランティア団体「むさしの地域猫の会」代表の西村麻衣子さんが、ノミ・マダニ予防の重要性を訴えます。

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TNR・猫の保護と譲渡が、二本柱の活動

「地域猫」の存在をご存知でしょうか? 
「地域猫」とは、不妊・去勢手術を施してその地域で管理されている猫たち…つまり、人の管理下にある野良猫を指します。
西村さんが代表を務める市民ボランティア団体「むさしの地域猫の会」では、東京都武蔵野市と協働で、地域猫活動に取り組んでいます。

「市民の方々からご相談を受けた場合、飼い主のいない野良猫たちを市民の方と協力してTNRすることが、主な地域猫活動の内容です。TNRとは、『野良猫を捕まえ(Trap)、去勢・不妊治療を行い(Neuter)、また元の場所に戻す(Return)』こと。去勢・不妊手術をすれば猫たちは個体を増やさなくなり、発情・出産のストレスから解放されます。するとケンカによる負傷も減り、感染症の予防にもなるのです。手術を終えた地域猫はその目印として耳先がV字にカットされ、その後はご近所に見守れながら暮らしていきます」(西村麻衣子さん、以下同)

同会では地域猫活動以外に、猫の保護・譲渡も行っています。

「野良猫が生んだ子猫や捨て猫など、譲渡可能な猫がいたら保護し、一時預かりができるボランティアさんにお世話をしていただいて、元気になったら譲渡する(里親を探す)…という活動も並行してやっています。月に一度譲渡会を開催していて、毎月10匹前後は里親さんが見つかっていますね」(同)

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保護するのは子猫がほとんど。今年は現在までに80匹近くの猫を保護したそうです

外で暮らす猫のほとんどがノミに寄生されている

TNR活動と猫の保護、どちらを行う際にも最初にやらねばいけないことは、猫のノミ・マダニなどの寄生虫駆除だといいます。
というのも、外で暮らす猫の場合、ほとんどの確率でノミに寄生されているからです。

「ノミはほぼ100%ついているといっても過言ではありません。TNRするにも保護するにも、捕獲したらまず動物病院に連れて行くんです。そして診察台に猫を置くと、体からノミやノミ糞がポロポロと落ちてきます。こういった虫は弱っている生きものに寄生しやすいですから、特に子猫にはびっしりとついていることが多いですね。夏だけではなく、どの時期に保護してもノミはついています」(同)

緑が少ない住宅街で保護された猫でも、ノミに寄生されていることが多いのだとか。子猫にいたっては体についたノミに血を吸われて、貧血状態に陥っていることも少なくないそうです。

「もうノミはついているものと考えて、捕獲したら必ず駆除を行います。これはどこの団体も一緒だと思いますね。“猫を保護したら、すぐにノミ・ダニの駆除をする”というのは、常識的なことです」(同)

ノミ・マダニが同時に駆除予防でき、ネット購入も可能なお薬

西村さんは、ノミ・マダニの駆除に「フロントライン プラス」を使用しています。

「保護した猫だけでなく、餌やり時などに地域猫にもつけてあげることもあります。以前はノミにしか作用しないお薬を使っていたのですが、『フロントライン プラス』はマダニにも効くので助かっていますね。そして何よりも、インターネットで手軽に購入できるのがうれしいです」(同)

外で暮らす猫は家猫と違って、人に触られることを過度に嫌う場合が少なくありません。なので、体を触ってノミ・マダニの存在を確かめる前に、薬を投与してしまうことが多いそうです。

「つけてあげると1日ぐらいで体のノミ・ダニが死にますから、即効性も強いんです。一度投与すれば一ヶ月は効力が持続し、予防にもなりますから、本当にお手軽な薬だと思います。ただし、最初に投与するときは説明書を読み、しっかりと経過を観察する必要があります。体が衰弱しているコに投与すると余計に弱ってしまうことがありますから、元気な状態になったらつけてあげるようにしています」(同)

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取材をさせていただいたお店にも、元保護猫が。ノミ・マダニ予防の大切さについて熱心にお話を聞いている(?)猫ちゃんたちでした

猫だけでなく、人間側も予防することが大切

ご自宅では3匹の元保護猫と暮らしているという西村さん。全員完全室内飼いだそうですが、おうちの猫ちゃんたちにもノミ・マダニ予防は行っているそうです。

「完全室内飼いとはいえ、ノミやマダニは人が外から連れてきてしまうこともあります。特に私の場合は、野良猫を保護したり搬送したりと、外の猫に触れる機会が多いものですから、猫だけでなく、人間側もできる範囲で予防に務めるようにしていますね。帰宅したらまず手を洗い、着替えて、除菌スプレーをかける…これは必ずやっています」(同)

前述のとおり、外にいる猫はほとんどの場合ノミに寄生されています。これは外への出入りが自由な家猫にも言えること。「猫は完全室内飼育が理想だと思いますが、外に出る可能性が少しでもある猫は、必ずノミ・マダニ予防したほうがいいです」と、西村さんは言います。

「ノミに刺された経験がある方はわかると思いますが、ものすごくかゆいんですよね。しかもなかなか治らず、つらい。そんな虫がもし自分の体にびっしりとついていたら…と想像してみてください。不愉快極まりないですよね? ノミ・マダニに寄生された猫も同じ気持ちなんです。猫も家族の一員です。もし自分が猫の立場だったらどうだろうか…と想像力をはたらかせて、予防できるものは事前に予防してあげるべきだと思います」(同)

外を行き来する猫の場合、かかりつけの獣医さんからも指導があるかとは思いますが、ノミ・マダニの予防はしっかりとやってあげることが大切です。

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【プロフィール】
西村麻衣子(にしむら・まいこ)
東京都武蔵野市の市民ボランティア団体「むさしの地域猫の会」代表。東京都動物愛護推進員。
東日本大震災をきっかけに野良猫の保護、地域猫の普及に興味を持ち、TNR活動を行う。
自宅では3匹の元保護猫たちと暮らしている。
ブログ「飼い主のいない猫たち

【「むさしの地域猫の会」とは】
東京都武蔵野市と協働して、地域猫活動を普及・推進している市民ボランティア団体。
保護猫の里親募集や、定期的に飼い主のいない猫の譲渡会なども開催している。
現在会員は300名程度。

【取材協力】
CORE

1階では無添加のペットフードやペット用品、雑貨の販売(喫茶スペース有)、
2階ではトリミング・ホテルを行っています。

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