夏旅は水を求めて~初級編:初めてのプールにチャレンジ!
暑さに弱い犬にとって、水遊びは体への負担が軽く、メリットいっぱいの遊びです。とはいえ、正しい遊び方を知らなければ逆効果になるリスクも……。今回は、犬専門のフィットネスジムでインストラクターをしている深澤優希先生に、夏の正しい水遊びを教えてもらいました!(MY♡DOG Summer 2020 Vol.3より)
- 更新日:
今日から水がだ~い好き
清水京香さん・さくくん(オス・9カ月/ゴールデン・レトリーバー)
元気いっぱいで人懐っこさMAXのさくくんですが、プールに入るのは初体験。今回は、水遊びを好きになれるように頑張ります!
Instagram
@sakugolden39(さくくんのアカウント)
@beaglehach(ハチくんのアカウント)
深澤優希先生
犬専門のフィットネスクラブ「わんわんフィットネスNAS 若葉台」のインストラクター。プールやバランスボールによる筋トレなど、犬の健康ケア全般を行っています
わんわんフィットネスNAS若葉台
東京都稲城市若葉台2-1-1フレスポ若葉台
EAST3FスポーツクラブNAS若葉台内
TEL:042・350・5401
https://www.wanwan-fitness.com/
今回の撮影地は!
Wonderful Nature Village
秋川丘陵の自然の中に立地した「愛犬と一緒にアウトドアを満喫できる」というコンセプトに基づいたアウトドア複合施設です。広い敷地内でドッグランやドッグプール、カフェレストラン、ハイキングなど、さまざまなレクリエーションを楽しめます
東京都あきる野市上代継白岩600
TEL:042・558・5861
https://www.wnv.tokyo/
Step.1 水に入る前の準備をしよう
愛犬をいきなりプールに入れると、関節を痛めたり、内臓を冷やしてしまったりと、大変危険です。
まずは、水に入る前の準備運動から始めましょう。
1. 体をほぐすために、周囲を散歩する
15分ほどの散歩で、長時間の車移動で硬くなった体をほぐし、血行をよくします
2.ストレッチで足の筋肉を伸ばす
愛犬の足の付け根と肘の先を持って、ゆっくり伸ばします。
力の入れすぎに注意しながら、前後左右、すべての足に行います
3. 水温に慣れるため、シャワーを浴びる
愛犬が驚いてしまわないよう、まずは足先など、心臓から遠い部分に水を当てます。慣れてきたら、全体に広げましょう
ライフジャケットも装着して、準備完了! いざ、プールサイドへ!
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Step.2 少しずつ、水に慣れよう!
最初に怖い思いをしてしまうと、愛犬の苦手意識を取り払うのはひと苦労。水辺に着いても焦りは禁物です。
まずは、飼い主さんと一緒に少しずつプールに入り、水に慣れさせていきましょう。
1. 飼い主さんと並んで、プールサイドを歩く
飼い主さんがプール側に立ち、水際を歩きます
2. 浅瀬に足を浸けて歩く
愛犬がおびえず、水に興味を持ち始めたら、浅瀬に入り、また歩きます
3. 徐々に深くへ入っていく
プールの底に足がつく範囲で、少しずつ深い場所に入っていきます。愛犬が怖がるようなら無理せず、浅瀬に戻りましょう
Step.3 足がつかないエリアへはおもちゃで誘導
愛犬が水に慣れてきたら、いよいよ泳ぎの練習に入ります。今回初めてプール遊びをするさくくんは未知の領域に慎重で、なかなか深い場所には向かいません。深澤先生、コツを教えて!
1.プールサイドで〝お気に入り〞を認識させる
食べることが好きなコには、おやつを用意するのもアリ!
※ Wonderful Nature Villageでは、プールエリア内での飲食は禁止です。
2. 水に誘導
おもちゃを見せたまま、飼い主さんが先導して水に入り、しばらく浅瀬で遊びます
3. 少しずつ、深い場所へ導く
浅瀬でおもちゃを追うようになったら、深い場所に向けて投げたり、飼い主さんが持ったまま移動したりして、愛犬を誘導します
Step.4 泳げる犬を手本に、レッツスイミング!
水には慣れたけれど、なかなか深い場所に行かないさくくん。そのような場合は、泳げる犬の姿を見せるのも効果的。今回は、泳ぎが大好きな先住犬のハチくんを助っ人に、練習を続けます。
1. 先住犬のハチくん登場
プールサイドでさくくんの練習を見ていたハチくん(オス・4才 /ビーグル)。なかなか深いところに行けないさくくんのために、助っ人として加勢!
2. 泳いでいる犬の姿を見せて、怖さを軽減させる
水に入った途端、悠々と泳ぎ始めるハチくん。
その姿を見たさくくんは……
3. 気 づいたら、泳ぎを習得!
ついに足の届かない深いところへ到達!
しっかり水をかき、すぐに泳げるようになりました
Step.5 アフターケアも忘れずに
水遊びをした犬は、見た目以上に体力を消耗しています。
バイタルチェックをしっかり行い、体温低下を防ぐために体の水分を取りましょう。
1.タオルで体を拭く
体全体を拭いて、できるだけ水分を取りましょう。また、ブロワー を嫌がる場合は、タオルでの水分取りをしっかり行います
2.ブロワーやドライヤーで乾かす
タオルで拭いたら、次はブロワーなどで乾かします。全身を完全に乾かすことは難しいと思うので、最低限、おなか周りだけでも乾かしましょう
本日のレッスンを受けての感想
さくにとっては初めてのプール遊びだったので、怖がらないか心配でした。でも、すぐに水に慣れて、最後は楽しそうに泳いでいたので、すごくうれしかったです。ちょっとお兄ちゃんなハチの姿も見られてよかったなあ。これからも、機会をつくってプールに連れてきてあげようと思います!
いつでも心の片隅に~深澤先生のちょっとためになる話
適度に休憩して、愛犬をチェック
水に慣れ、気持ちが高揚すると、犬は際限なく遊びます。楽しそうな姿を見ていると、そのまま遊ばせたくなる飼い主さんが多いかもしれませんが、ここで大事なのは適度に休憩をとること。特に、長時間動きっぱなしだと、脱水症状や酸欠になるおそれもあります。15分ほど遊んだら、5~10分の休憩をとるように心がけましょう。
1.水分補給は忘れずに
水遊び中であっても、脱水症状には注意。特に、気温が高い季節でもあるので、こまめに水分を与えて、無理なく水遊びをさせましょう
2.休憩中のバイタルチェックポイント
歯茎と舌の色が白色か紫色だと酸欠ぎみ。また、白目が赤い場合も同様に酸素が足りていない状態なので、元に戻るまで休憩しましょう
呼吸の状態もチェックしましょう。 普段の呼吸の倍速くらいだと息 切れをしている状態なので、落ち 着くまで休ませます
楽しそうなときほど、愛犬の様子に目配りを
犬が元気に遊んでいるからといって、油断は禁物。基本的に犬は本能で動いているので、楽しいときは疲れていても延々と遊び続けます。そのため、飼い主さんが思うより疲れがたまっているということもしばしば。休憩をこまめに挟んでいても、水に入っている時間は40分ほどまでにして、切り上げるようにしましょう。
※ほかにも、プールサイドからの飛び込みは、愛犬の関節を痛めヘルニアになるおそれがあるので、絶対にさせないようにしましょう。
企画&構成/SOULWORK
取材・文/高橋健太
撮影/西山嘉治