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【猫びより】【みんなの推し猫】ボブが遺してくれたギフト(辰巳出版)

【猫びより】【みんなの推し猫】ボブが遺してくれたギフト(辰巳出版)

“ボブがぼくの運命を変えた。大げさではなく、これは事実だ”(『ボブが教えてくれたこと』より)ひとりの孤独な青年を救った猫・ボブは、世界中の人に希望の灯をともしつづけています。(猫びより 2021年1月号 Vol.115より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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世界に愛された友情の物語

野良猫のボブと元ホームレスのジェームズとの出会い2007年の春。孤独なひとりと一匹の友情の物語『ボブという名のストリート・キャット』は世界30ケ国で翻訳され、続く『ボブがくれた世界』とともに長く愛されてきました。

世界に愛された友情の物語

ジェームズに撫でられて、幸せそうなボブ

今年の12月には、〈ボブとぼくの物語〉3部作完結篇『ボブが遺してくれた最高のギフト』の日本語翻訳版を刊行。ふたりの出会いから3年後、2010年のクリスマスの出来事をつづっています。

ボブと家族になり心を通わせながら薬物依存症を克服し、ホームレスの自立を支援する雑誌『ビッグイシュー』の販売員として働くようになったジェームズ。しかし、記録的な寒さと脚の痛みで動くこともままならない状態に見舞われます。

ボブとの幸せなクリスマスを過ごすために奮闘するジェームズの6日間を描いた本書は、現在英国で公開中の映画「A Christmas Gift from Bob」(日本では2021年公開予定)の原作本。ボブによって結ばれた人々との繋がりや優しさに触れる、心温まる物語です。

虹の橋を渡ったボブ

2020年6月、ボブは不慮の事故により天国へと旅立ちました。突然の別れに、世界中のファンがボブの死を悼み、いまなお愛あふれるメッセージを送りつづけています。

虹の橋を渡ったボブ

映画では“ボブ”役としてボブ自身も出演。スクリーンで会える日も近い

映画「A Christmas Gift from Bob」より
2020 © A GIFT FROM BOB PRODUCTION LTD ALL RIGHTS RESERVED

ボブの存在は、私たちの心に多くの影響を与えました。ふたりの物語をきっかけに路上生活者や『ビッグイシュー』の存在を知り支援を始めた人、チャリティイベントや社会事業を始めた人、困難な状況に希望を見出した人……。

一匹の野良猫が元ホームレスの人生を大きく変えたこの物語は、世界中の人々にも希望を与え、新たな始まりを見出すきっかけを与えつづけています。

ボブが遺してくれたもの

Bobite(ボバイト)(ボブのとりこ)という新語を作ったマーティン・ピケット氏は、『ビッグイシュー』の中で語りました。

「ボブが生まれてきたことで、この世界はいっそう明るい場所になったと思います。これでボブの物語が終わるわけではありません。新たな章が始まるのです」

ボブが遺してくれたもの

鼻についたおやつをペロリ

ジェームズは現在、多くのファンの協力を得て、ボブの彫像を制作する計画を進めています。設置場所はふたりの思い出の地・イズリントン。いつの日かボブに会いに行ける日が来るかもしれません。

ボブは自身の存在や物語を通して、どんな時でも希望を持つこと、力強く生きることの大切さを教えてくれています。ボブが遺してくれたさまざまなメッセージは、私たちの心にいつまでも残ることでしょう。

ボブとぼくの物語シリーズ好評発売中!(すべて辰巳出版・刊、1,600円+税)

『ボブが遺してくれた最高のギフト』

『ボブが遺してくれた最高のギフト』


『ボブという名のストリート・キャット』

『ボブという名のストリート・キャット』


『ボブがくれた世界』

『ボブがくれた世界』


『ボブが教えてくれたこと』

『ボブが教えてくれたこと』


『ボブが遺してくれた最高のギフト』刊行に寄せて 【ジェームズから日本のファンの皆様へ】

今年の六月、ボブはこの世を去った。ボブのいない日常に馴染んでいくなかでますます強くなっていく思いがある。ボブは本当に奇跡のような相棒だった。この世界にはかりしれないほどの変化をもたらしてくれた。いっしょにいたときには世界中を旅してそのことを実感した。

『ボブが遺してくれた最高のギフト』刊行に寄せて 【ジェームズから日本のファンの皆様へ】

ジェームズとハイタッチ

2017年秋の日本への訪問は、なかでも特別だった。東京でみなさんがぼくたちを熱烈に歓迎してくれて、本当に胸がいっぱいになった。〈ビッグイシュー〉の販売員のみなさんと過ごした時間は思い出深い。どこにいてもみんな同じような苦労をしているのだとわかった。

そしていちばん感動したのはボブとぼくの物語を読んでくれた読者のみなさんと話したことだ。本を読んで自分の人生にどんなにいいことがあったか、うれしい話を次々にしてくれたのだ。つらかったときに希望を持てた、ほかの人に対する理解が深まった、と話してくれた。

『ボブが遺してくれた最高のギフト』刊行に寄せて 【ジェームズから日本のファンの皆様へ】

ふたりはこれからも唯一無二の相棒であり親友だ

この本にはさらに力強いメッセージがあると思う。ぼくたちは力を合わせるともっと強くなれること、そしてどんなに暗い雲がたちこめているように見えても、とくにクリスマスの時期には味わい感動すべきことがある、ということだ。

このメッセージにあるボブが遺してくれたものが、ボブの思い出とともにぼくたちの心のなかでこれからもずっと生き続けることを願っている。

ジェームズ・ボーエン
2020年、ロンドンにて

最新刊がビッグイシュー販売員からも購入できる!

12月限定で、全国のビッグイシュー販売員から『ボブが遺してくれた最高のギフト』をお買い求めいただけます。1冊ごとに880円が販売員の収入に。本書を購入することで、販売員への支援にもつながる仕組みです。

販売期間 12月31日まで
※在庫が無くなり次第終了いたします

販売場所:ビッグイシュー日本HP
https://www.bigissue.jp
お問い合せ:有限会社ビッグイシュー日本
TEL 06-6344-2260
MAIL info@bigissue.jp

最新刊がビッグイシュー 販売員からも購入できる!


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文・中嶋仁美
写真・平川さやか

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