【Shi-Ba】我こそは挑戦者なり！【辰巳出版】（その２）

君は自分の大きな可能性にもう気づいているか？

とっくの昔に気づいてましたっ！

日本犬は「楽しいこと」より、「安全なこと」の方が好き

犬の挑戦で思い浮かぶのが、フリスビーとかアジリティ。
でも、我が家のまる子もそうだが、日本犬ってフリスビーをくわえるどころか、顔に当たらないようによけたり、家ではできるのに外でやると周囲を気にしてにおいばかり嗅いで挙動が不審だったり。

これって、やる気がないってこと？

あたし、どれだけジャンプできるか？

「柴犬たちは楽しいことよりも安全なことを好みます。家の中や庭、顔馴染みがいるホームグラウンド的な公園やドッグランで遊ぶのは自分の身が守られていて、周りに知らない人がいないので安心できるのです」と茂木先生は話す。

彼らがもともと猟犬だったことはご存知の通りだが、飼い主の指示に従って狩りをする犬たちとは異なり、日本犬は猟において、獲物を自分で追い詰める役割を担っていた。追い詰め方を一歩間違えれば、自分の身に危険が及ぶこともあったろう。
それゆえに警戒心が強く、馴染みのない場所では四方八方に気を配り、飼い主からすれば注意力が散漫なように見えるのだそう。

なるほど！ 本番に弱いように感じたのはそのせいか。まぁ、競技に出る、出ないかはこの際おいておき、犬との信頼関係がしっかりとできていて、彼らが楽しいと思うことが見つかれば、飼い主的には一緒にいろいろと挑戦したいもの。

どれだけ葉っぱをキャッチできるか日々自主練！

今日も自己ベストの大きなウンコでて気分爽快♪

そんなわけで、今回も各家庭の工夫やエピソードを紹介していこう。

challenger No.3　家族の挑戦精神に応えまっす！

ローマは1日にしてならず【地道にコツコツ派】

今年もなんかを運びます

日々是挑戦！

埼玉県／松浦はなこ（メス・1歳）、こうめ（メス・3ヶ月）

パパ、ママ、仲良し姉妹、黒柴のはなこ、赤柴のこうめが賑やかに暮らす松浦家。
一見おとなしそうなはなこだが、一歩外に出るととにかくアクティブ。社交的なので友達犬もたくさんいるそう。最近家に来たこうめとも仲良し。

苦手な鼻パクを教える時は、パパが見本を犬に見せるよ

「オヤツの空中キャッチは得意ですが、鼻パクは全くできないので、今挑戦中です」と話すご主人の昭博さん。ご自身の鼻の上にオヤツを乗せ、はなこに「見て！ こうやるんだよ」と教えていた。
身体能力が高いはなこ。欲しいものがあるとすごいジャンプ力を発揮。ボール遊びも大好きだが、取りに行っても持ってこないので、目下、モッテコイを練習中だ。

せっせと枝を拾い集めてログハウスを作っちゃう！？

散歩中に木の枝を拾うのが好き。この間まで拾ってきた枝を玄関の脇に貯めておいたそう。「パッと見、薪っぽかったです」と昭博さんは苦笑。

とにかく目の前にあるものに挑むのだ！

家に来て間もないこうめは視界に入るものすべてを噛んで確認中。

一方、家に来たばかりの子犬のこうめは、トイレトレーニングやお手入れの練習など、いろいろなことに挑戦中。すでにほぼ完璧なオスワリができていたから、将来が楽しみ。

危険なものほどチャレンジしたい〜

ノラ猫を見ると戦いを挑もうとする。危ないから気をつけて～。

抜け毛集めていったい何をするのかな？

奥様の絵美さんは、何か作れないかと思案しつつ、はなこの抜け毛を集めているが、昭博さんはやや引き気味なのだとか。

ところで、松浦家はキャンプが大好き。はなこはキャンプデビューを果たしていて、連れて行くと普段とは違う環境なので、走り回って楽しんでいるそう。
こうめが大きくなったら、初キャンプに挑戦したい、と楽しみにしている。
「はなこが我が家に来てから、笑いが増え、癒しをたくさんもらっています」
家族全員笑顔で話す松浦家。こうめという新しいメンバーが加わって、さらに挑戦の幅が広がりそうだ。

子犬のしつけに姉妹でトライ♥

芽生さん、凛さん姉妹もこうめのしつけに挑戦中だ。

社会化期のしつけ日々挑戦中だよ

小さい頃から体中を触れるように、歯磨きや爪切りの練習に日々チャレンジ中。頑張れ！

challenger No.4 今度パパと初のドッグマラソンに出場！

ちゃっかりだけどやる時はやるよ【意外にも武闘派！？】

街のみんなは僕の虜なのさ♪

千葉県／柏木SUN（オス・8歳）

奥様の泉さんのご実家の三代目の柴犬で、太陽の「サン」とかけてこの名がついた。
笑顔がキュートなSUNは街の人気者。「取り巻きのおじさんが3～4人くらいいます」と話す泉さん。

車酔いを徐々に克服して兵庫まで一緒に旅をしたい

「歌って踊れるジャニーズ系に挑戦中です」と話すのは柏木さんご夫妻。歌うようになったのは1歳未満から。最初はメロディに合わせて時々歌っていたそうだが、今は毎日必ず歌っている。律儀な性格かも。で、踊りは近所の山田さんと練習中。
「しつけも山田さんがほとんど教えてくれました。SUNは耳を触られるのが苦手なんですが、山田さんだけは触れます」

古い小屋は自らカスタマイズさ♪

「庭のハウスを新しくした途端、古いのを壊しました」

夕方5時の「夕焼け小焼け」に合わせ熱唱

毎日スピーカーから流れる夕焼け小焼けのメロディに合わせて歌うんだけど、この日はなぜか曲が流れず。

そんなSUNは目下、ご主人の輝一さんと休日はマラソンの練習を頑張っている。でも人懐っこいから大会の当日、知り合いに会って足が止まりそうだな。

山田さんとペアを組んでドッグダンスに挑戦中なんだ

熱烈なチューをしてくる時の姿勢を利用して、SUNとドッグダンスしようと思っている山田さんなのだ。

山田さんがお尻の毛のカットに挑戦

近所の山田さんはSUNの抜け毛を集めてぬいぐるみを作ろうとしたり、お手入れをしてくれたり、SUN愛がハンパない。ハサミを器用に使って桃尻カットに挑戦。

さて、柏木さんご夫妻の今後の目標はSUNと一緒に旅行に行くこと。
「車酔いをするのでなかなか行けなくて。でも、毎年少しずつ練習して、今はようやく片道90分〜2時間くらいの所まで行けるようになりました。発進や停車があまりない高速道路は平気なんですけどね。車酔いが平気になれば、姪のいる兵庫県への旅行に挑戦したいです」

山田さん家で飲む牛乳はうまい

山田家ではSUN用オヤツセットを常備。メニューはササミ、パン、牛乳、魚肉ソーセージ、ジャーキー。

挑戦したいことがいっぱい。大きな目標があると犬も人も目がキラキラ輝くってこと、SUNと飼い主さんが教えてくれました。

パパとドッグマラソンに挑戦するよ！

ドッグマラソン大会に向け、ご主人の輝一さんと特訓中。

監修：茂木千恵先生
東京大学大学院農学生命科学科獣医学博士課程卒。獣医師。専門は獣医行動学。ヤマザキ動物看護大学講師。
教育・研究活動のかたわら、東京都町田市内でペットの問題行動治療やパピークラスの開催も行う。
「飼い主が幸せになれば犬も幸せになり、犬が幸せになれば飼い主も幸せになる」という考えをベースとし、飼い主の話をじっくり聞くことも大切にした指導は、多くの人や犬から好評を得ている。

Text：Mari Kusumoto
Photos：Minako Okuyama、Miharu Saitoh、Etsu Moriyama

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