愛知県の常滑市は、日本六古窯の一つで風光明媚な焼き物の街。スタート地点の陶磁器会館からゆっくり歩いて約1時間の「やきものさんぽ道」Aコースの折り返し地点・登り窯の向かいにギャラリー「ほたる子」はある。
常滑焼を始め、約40名の作家の作品が並んでいる。お地蔵さんやさまざまな焼き物の間を通って暖簾(のれん)を潜ると、朗らかな笑顔の店員、奈都子さんが迎えてくれる。
ここの3代目店長見習いが、みるちゃん(1歳♀)だ。
常滑焼の招き猫はふっくらした丸顔と丸い体が特徴
店主の小池正さん(72歳)は奈都子さんの叔父。学生時代からの猫好きで、初代店長・のんちゃんが産んだ猫を自宅で飼っている。
お地蔵さんをモチーフに焼き物を続けており、毎年2月には企画展で色々な作家さんの作品を集めた「ねこねここねこ展」を開催している。
みるちゃんは、昨年夏に店の近くの畑で1匹だけで鳴いていたところを保護された。SNSで名前を募集し、陶芸に使う道具「ミル」やお客様を「見る」という意味から「みる」に決定。
店主の正さん作のお地蔵さんと
ハーネスを付けて奈都子さんと「やきもの散歩道」を散歩するのが大好き。お客さんでもある近所の小学生の女の子も時々連れていってくれるそうで、草むらや竹やぶを嬉しそうに歩く姿が名物になっている。
重要有形民俗文化財の登り窯を散歩
初代店長のんちゃんは、登り窯の後ろで拾われたので「のぼちゃん」から、女子なので「のんちゃん」に。亡くなった時には、お店に作られた祭壇の写真にお客さんからの花がたくさん供えられ、皆にとても愛されていたのが分かる。
初代店長・のんちゃん
2代目店長「とらじ」さんは女の人が大好きで、大きな外見も中身もインパクトのある雄猫だった。杉本彩さんが常滑紹介のTVロケで訪れた時には抱っこしてもらい、恍惚の表情だったとか。『猫びより』選考の「ANK48」メンバーに選ばれたこともある。
奈都子さんと2代目店長とらじ
もともと常滑は招き猫の産地として猫好きに人気だったが、土管坂や江戸時代からの建物が映画のロケ地に使われたり、最近ではアニメ映画「泣きたい私は猫をかぶる」(Netflix配信)の舞台となり、聖地巡礼として全国からファンが訪れている。猫店長の今後の活躍にも期待したい。
お客様をたくさん招きますニャ
ギャラリーほたる子
愛知県常滑市栄町6-140
TEL 0569-36-0680
営業時間/10:00~17:00
定休日/木曜
http://www.hotaruko.net/
https://www.facebook.com/hotarukodayo/
取材・原田佐登美