【病院で生まれた友情】難病の子供たちに頑張る力を与えるファシリティドッグの活躍
ペット先進国では動物愛護の意識や日常で動物たちが活躍できる現場が多々あります。それに比べると日本の環境はまだまだ発展途上。そんな中、医療の現場で活躍する“ファシリティドッグ”が日本の病院でも認められつつありました。
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病院で子供たちに寄り添うワンコ。
今日本の病院でもこういった活動が広がってきています…!
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ファシリティドッグとは
病院で医療チームの一員として働けるように、専門的なトレーニングを受けた犬のことです。
心のケアを担っているという面ではセラピードッグと同じですが、一体何が違うのか…
【セラピードッグ】
飼い主がボランティアでしつけや施設への訪問を行い、主に癒しを目的としています。
同じ場所での活動は月に数回ということが多いようです。
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【ファシリティドッグ】
ある特定の施設(=ファシリティ)で活動するために専門的に育成された働く犬のことです。
動物介在療法に特化したドッグトレーナーから高度な訓練を受けており、臨床経験のある看護師をハンドラーに採用していることから治療計画への介入ができます。
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臨床経験のあるハンドラーとファシリティドッグが現場に入ること、それは「緩和ケア」という意味でとても前向きな効果を示します。
しかし、日本でこの活動を取り入れている病院は数が少ないのが現状。
その理由は後ほどお話ししますが、まずは一人でも多くの人にファシリティドッグの存在と効果、そしてその魅力を知ってもらうことが入り口だと思っています。
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どんな仕事をしているの
難病で闘う子や長期入院を余儀なくされた子供たち、またその家族に寄り添いサポートしています。
子どもたちとのふれ合いの他、検査や手術室への同行、採血や処置の現場で応援をしたり、リハビリなどの治療計画にも加わります。
時にはお空に旅立つ子供のそばで、直前まで添い寝をすることもあります。
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どんな効果があるの
病と闘う子供たちやその家族の心のケアに大きな影響を与えていて、治療にも役立つと言われています。
例えば、隣で寄り添ってくれるだけで子どもたちから恐怖心が薄れ、治療に前向きになれます。
そのおかげで薬の量を減らすことができたり、体への負担も軽減されると言います。
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実際に、意識障害になって全く目を開けられなくなってしまった子供が、触れ合っている30分だけは目を開けることができていたそうです。
辛くて歩けない時でもファシリティドッグに会えると聞けば、歩いてお迎えに行く子もいます。
またハンドラーの存在も、ストレスを吐き出せない患者や家族の精神的なサポートになっているのだとか。
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ファシリティドッグが何か特別なことをする訳ではなく、その存在がその子の勇気になり、頑張る力を奮い立たせてくれるのです。
辛い思い出を楽しい思い出に変えてくれる存在
話せないからこそ本音で向き合える存在
思い切りだきしめて思い切り涙を見せられる存在
先生にも家族にもできない、言葉のわからないもの同士だからこそできる力。
そしてそれは、薬だけが治療ではないことを証明してくれています。
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プライベートは普通のワンコ
ファシリティドッグが元気でなければこの関係は成り立ちません。
1時間お仕事したら、1時間休憩。
無理やり業務をすることはありませんし、日頃からオンオフを大切にしています。
お仕事のない日は犬らしく過ごせる時間を大切にします。山や海に行くことも多く、思い切り遊びます。
街を歩くワンコたちと変わらずにはしゃいだり泥んこになって遊んだり、わがままを言って困らせることもあるそうです。
また、ハンドラーとファシリティドッグには役割の前に、「家族」という信頼と絆が築かれています。
共に暮らし、朝は一緒に通勤して、終業後に一緒に帰宅する通勤スタイルです。
愛犬のバランスを管理しながら共に歩いていくことは、通常の飼い主と愛犬との間にある信頼関係となんら変わらないのです。
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プライベートでは自由奔放でも、お仕事で病院に行くのを嫌がることは1度もなく、かえって「まだ帰らない!」と病院の中に戻ってしまうこともあるそうです。
言葉を話せないので本当のことはわかりませんが、きっとそれは、自分のことを愛してくれる人がたくさんいる場所だから。
病院で働く先生や看護師さん、子供たちも、その家族もみんな“仲間”であると知っているからではないでしょうか。
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より多くの病院で…
コロナになってから、外部との接触が減り制約が多くなってしまった病院。今まで以上に子供たちの心のケアの必要性が高まりました。
そんな時に子供たちに笑顔と勇気を届けていたのは紛れもなくファシリティドッグだったのです。
しかし、まだまだ乗り越えなければいけない壁もあって…
活動を支える資金面での問題がもっとも大きいとのことです。
その理由としては…
初年度経費として年間1200万円(通常の運営費に加え、犬の譲渡・研修費、研修のための渡航滞在費、輸送料・関税、獣医診療費、等)
継続のための直接経費として年間1,000万円(ハンドラー人件費および交通費等の経費、ファシリティドッグ飼養管理代、定期健診・獣医診療費、フォローアップを含むプログラム管理費、他)が必要となるのです。
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多くの人の支えがあって…
現在ファシリティドッグは国内4病院で4頭が活動しており…
ファシリティドッグが子供たちへ与える影響や実績が国内でも認められてきています!
コロナ禍の間もこの活動が続けられていたのは支援してくれる沢山の人のおかげでした。
家族と離れて病院で過ごしていてもいつも会いにきてくれる、辛い時には隣で寄り添ってくれる、そんな子供たちの「ともだち」はみんなの力で支えられているんですね。
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プログラム導入開始から11年が経ち、ファシリティドッグと接してきた子どもたちは延べ6万人*を超えました。
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(左上より時計回り)アニー、アイビー、タイ、マサ
現在活動中のアニー、アイビー、タイ、マサの4頭は、今日も子どもたちの笑顔に寄り添っています。
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※2020年度(2021年3月31日)までで3病院合計延べ61,583人
このファシリティドッグの活動を日本中に広めようとしているのは認定NPO法人シャイン・オン・キッズ。ファシリティドッグのほかにもさまざまな活動を行なっています。
もしこの記事を読んで気になった方は、下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
「入院中の子どもたちを笑顔に」の先へ 心のケアでつなぐ家族と未来
認定NPO法人シャイン・オン・キッズ