犬や猫の腹膜炎:原因・症状や検査・治療法について解説 | 動物医療センターPeco

この記事では犬猫の腹膜炎の原因、症状を解説します。また、検査や治療法とおおまかな検査費用についても解説しているので、動物病院に行く前に参考にしてください。


記事の監修者
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大野耕一
動物医療センターPeco 院長 獣医師

腹膜炎とは?

「腹膜」とは、お腹の中そして肝臓・胃腸などの臓器の外側を覆っている膜です。腹膜は体液の分泌と吸収を行っており、腹部臓器を収める無菌の空間を作っています。

なにかしらの原因でこの腹膜が炎症を起こすと「腹膜炎」という状態になります。

犬猫の腹膜炎の原因は?

腹膜炎には様々な原因があり、原因に応じて病名も分類分けされています。

犬や猫に共通する原因としては、胃腸に穴が開くこと(消化管穿孔といいます)によって細菌が腹膜炎を起こす細菌性腹膜炎、胆汁が胆嚢や胆管から漏れることによっておきる胆汁性腹膜炎などが代表的です。

消化管穿孔は異物や腫瘍、手術などが原因になることが多く、胆汁の漏出は胆嚢の壊死や胆嚢の術後にみられることがあります。

このほかにお腹の中の臓器に癌ができることで腹膜炎が起きる癌性腹膜炎などが挙げられます。

猫、とくに若齢の猫では猫伝染性腹膜炎(FIP)というウイルスによっても腹膜炎が起きることがあります。

腹膜炎の分類と原因

腹膜炎の主な分類原因
細菌性腹膜炎炎症、腫瘍、術後などによる腸穿孔
胆汁性腹膜炎胆嚢炎、壊死、胆石などによる胆嚢破裂、胆汁漏出
癌性腹膜炎お腹の中のさまざまな癌
お腹の中の臓器の炎症膵炎、胆嚢炎、腸の血流障害など

腹膜炎の症状は? 

腹膜炎に共通してみられる症状としては、元気・食欲の消失、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などが挙げられます。しかし、腹膜炎に特徴的な症状ではありません。腹膜炎になるとお腹の中に水分が溜まるようになり(腹水)、多量に貯留するとお腹が大きくなることもあります。腹膜炎は進行すると命にかかわる状態になることがあり、ぐったりして血圧や体温が下がったりすることもあります。

猫伝染性腹膜炎で見られる症状

猫伝染性腹膜炎では、腹膜炎以外にも全身のいたるところで炎症が生じ、眼の異常や神経症状、黄疸、呼吸困難などもみられることがあります。

気になる症状がある場合はご相談ください

腹膜炎に特徴的な症状はありませんが、元気・食欲がなく、発熱や腹痛があると思われる場合には、積極的に病院に行くことをおすすめします。


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腹膜炎の検査・診断は?

当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。

※検査は、問診を含めて通常1時間-2時間程度かかります。また原因や病状によってさらに時間がかかることや、診断のために何度か通院してもらう必要がある場合もあります。時間に余裕をもってご来院ください。

血液検査

血液検査では炎症の程度を知るために、白血球数や炎症マーカーの数値も評価します。また疑われる腹膜炎の原因によって、そして病状によって行われる血液検査項目がある程度異なります。

超音波検査

腹膜炎では、ほとんどの動物でお腹の中に水分(腹水)が溜まります。必ずしも腹水の量は多くないことがあり、外から見ていてもわからないので、超音波検査で確認します。腹水がある場合には必ず針を刺して採取して、どのような腹水なのか調べることが極めて重要です。

X線検査

腹水があるためにX線検査ではあまり腹部は詳しく見えませんが、腸穿孔していると腹水の中でガスが見られることが多いので、診断の補助となることがあります。

腹水・細胞の検査

腹水の性状を調べることで、胆嚢が破れたのか、腸に穴があいたのか、などがわかることがあります。また採取した腹水の中の細胞を顕微鏡で調べることで、腹膜炎の程度や原因が分かることがあります。

また腹水だけでなく、胃腸やリンパ節が腫れていたり、お腹の中にできもの(腫瘍)がある場合にも、針を刺して細胞を採取して検査を行います。

細菌やウイルスの検査

腹水中の細菌の有無や抗生物質がどれが効くか調べるために、培養検査を依頼することがあります。また猫ではウイルスを調べる検査を外注検査に依頼することがあります。

当院が腹膜炎の診療で心がけていること

1. 腹水を検出し、採取して検査を実施します

腹水の検査は必須です。細菌感染があるかどうか、腫瘍があるかどうかなど、原因によって大きく治療や治癒の可能性が異なります。

2. 病態に応じて速やかに治療を開始します

多くの腹膜炎では症状が重いことが多く、診断を進めるとともに治療も開始する必要があります。

3. 治癒の可能性を適切に判断し、治療について相談します

残念ながら診断はついても治せない腹膜炎は多いので、治療を含めてできること、できないことを相談いたします。

初診時の検査費用の例

当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的な腹膜炎の検査料金をご紹介します。

検査内容犬の料金目安猫の料金目安
問診・身体検査5,170円5,170円
血液検査18,150円〜18,150円〜
超音波検査7,700円7,700円
合計31,020円〜31,020円〜

※治療費は別になります。

腹膜炎の治療は?

腹膜炎は原因や状態によって治療が異なります。とくに消化管穿孔(腸に穴が空くこと)などに伴う腹膜炎はかなり重篤な状態になることが多いです。

消化管穿孔の場合

消化管穿孔によって腹膜炎が起きている場合には、最終的に手術が必要になりますが、その前に点滴や抗生物質などの治療を速やかに開始する必要があります。開腹手術を行っても、腫瘍が関連して腸穿孔している場合や、癌性腹膜炎の場合には治療困難なことも少なくありません。

猫伝染性腹膜炎の場合

猫伝染性腹膜炎の場合には、手術は行われず、炎症を抑える治療などが行われますが、今のところ良い治療薬はなく致死率が非常に高いのが現状です。

最近、猫伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を抑制する薬(未販売)が、かなり効果的であることが報告され期待されています。

しかし正規な薬はまだ販売されておらず、一方で非正規薬剤を個人輸入して使用する症例も増えており、獣医界で論議されています。当院では非正規薬剤は現在は使用していません

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