【獣医師監修】犬と猫の性格。その違いってどんなもの?
犬・猫ともに、昔から人間のそばで生活をしてきた身近な動物です。現代においては、どちらもペットとして大人気。ただし、犬と猫では性格はまったく違うようです。今回は、犬と猫それぞれの性格の特徴についてみていきましょう。
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長
犬と猫の性格の違いとは?
犬・猫から見た人間
犬は、人間のことを「犬ではない何か」と思っていると考えられ、とくに飼い主のことはリーダーとして認識しています。群れで暮らしてきた犬にとって主従関係は大切なので、リーダーである飼い主を信頼し、命令や指示にも従います。
一方、猫は、人間のことを「大きな猫」と思っているようです。つまり、カラダが大きいだけで、同じ猫、対等であると認識していると考えられます。ですから、猫は飼い主と一緒にいても自分のペースをくずしません。飼い主が呼んでもそばに寄って来なかったり、尻尾を振って聞いているよと反応するだけだったりします。これは、猫にとって、気を遣っていないということではあるものの、人間のことを見下しているわけではありません。
従順さの違い
犬は人間の言うことをよく聞き、理解しています。人間が自分よりも立場が上の存在だと認識しているのです。上述のように、もともと犬は群れを作って生活していた動物なので、上下関係がはっきりしています。そして、自分より上と認識しているものに対して、むやみに歯向かうことはありません。
一方、猫は人間の言うことなどどこ吹く風といった態度で、マイペースに過ごします。猫の場合はもともと群れを作らず、単独で暮らしてきた動物なので、人間を自分より上の存在だと認識することもありません。呼んでも来なかったり、甘えてきたと思ったらすぐにどこかへ行ってしまったりと、いつも自由気ままです。
甘え方の違い
犬にとって、飼い主から褒められたり、撫でられたりすることは最高の愛情表現です。犬は、甘えたい時には全身を使って表現し、尻尾を振りながらカラダを寄せたり、時には飛びついたりして喜びを表現します。
猫が甘えたい時は、足元にすり寄ってきたり、尻尾をピンと立てたりして、甘えたいアピールをします。犬に比べて控えめではありますが、立派な愛情表現です。喉を鳴らしたり、お腹を見せたりしている時は、かなり甘えたがっている時です。
怒り方の違い
犬の怒りの第1段階は、鼻先にしわを寄せて威嚇します。第2段階では、歯茎をむき出しにして、攻撃態勢であることを表現します。そして、犬が唸り始めたら、それは犬の怒りが爆発寸前であることを意味します。こうなったら、やさしく声を掛けて落ち着かせましょう。もし、犬が歯茎をむき出しながら吠えていたら、飼い主でも近づくと危険なので注意してください。
猫の場合は、尻尾を大きく振ります。毛を逆立てて唸り声を上げたり、牙をむいていたら完全に怒りモードに入っている証拠です。そして「シャー! 」と声を出して相手を威嚇し始めます。「シャー!」と声を出している時は、見えるものすべてを敵と見なす可能性があるので、落ち着くまで触らないようにしましょう。
個体によって性格は異なる
犬と猫の性格の違いについて説明してきましたが、これらは、あくまでも一般的にいわれている性格の違いです。もちろん個体差があるので、マイペースな犬もいれば、とても人懐こく、飼い主から離れないような猫がいるのも事実です。また、一緒に暮らす人間の生活環境や生活習慣に合わせて、性格が形成されたり、変化したりすることももちろんあります。
犬と猫は、生態もルーツも違う生き物なので、性格が違って当然ですが、どちらも私たちに最高の癒しを与えてくれる存在です。飼い主に従順な犬か、ツンデレで人を虜にしてしまう猫か。ペットを飼う時は、どちらの方がより自分の生活や性格に合うか、考えてみるのもいいかもしれません。そして、家族に迎えることを決めたなら、最後まで責任をもって付き合ってあげてくださいね。
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