【獣医師監修】犬の目が充血している。疑われる病気とケアの方法

いつもはパッチリしている犬の目がしょぼしょぼして開きづらくなっている…それは、犬の目に痛みや違和感がある証拠です。そして、同時に充血している場合は、何かしらの炎症が起きている可能性が高くなります。今回は、犬の目の充血について解説していきます。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬の目が充血している原因

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犬の白目が赤くなる…いわゆる充血が起こるのは、白目とまぶたの裏を覆っている結膜という場所に炎症が起こるためです。部分的に真っ赤になっているような場合は、結膜下出血かもしれません。これは、目をぶつけるなどの衝撃により、結膜の血管が切れることによって起こります。

犬の目が充血している時に考えられる病気

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では、犬の目が充血している時にはどのような病気が疑われるのでしょうか?

結膜炎

細菌・ウイルスによる感染の他、砂・ほこりなどの異物、まつ毛の生え方の異常などにより、結膜が刺激され炎症が起こり発症することがあります。また、アレルギー、涙の減少が原因となる場合もあります。

角膜炎

目の一番外側にある角膜に起こる炎症をいいます。砂やほこりなどのゴミ、まつ毛の生え方の異常(逆さまつげなど)、自分で擦ってしまう、ケンカなどによって角膜に傷がついてしまうことが原因となります。中には、細菌やカビ、ウイルスが目に入って増えてしまったり、涙が少なすぎたり、ビタミンが不足することで発症することもあります。

その他(眼瞼炎、ぶどう膜炎、緑内障など)

その他、目の疾患の多くの症状として充血が見られます。
眼瞼炎はまぶたの炎症で、皮膚炎から併発したり、細菌感染によるものだったりします。
ぶどう膜炎は目の内側に位置する虹彩、毛様体、脈絡膜に起こる炎症で、これに続発して緑内障が起こる場合があります。
緑内障は眼球の圧が上がってしまう疾患で、目の中の眼房水がうまく排泄できないことによって起こることが多く、非常に強い痛みを引き起こします。

犬の目が充血している時の対策

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では、犬の目が充血している時はどうすればよいのでしょうか。

異物の除去

犬の目をしっかり観察し、異物が混入しているのがわかった時は、すみやかに除去します。洗浄用の点眼薬がある時は、それで洗い流すのがよいでしょう。点眼薬がない場合は、少量の水道水を代用しても構いません。数的を垂らし、まぶたをやさしく開け閉めして、コットンやガーゼなどで目やにも一緒に軽く拭き取ってあげましょう。

エリザベスカラーの装着

異物が発見できなかった時は、犬が目を触らないようにエリザベスカラーを装着させます。犬は、目に違和感や痛みを覚えると、前足でしきりに触ったり、地面にこすりつけたりします。このことで症状が悪化する可能性があるので、エリザベスカラーで目を守る必要があります。

病気が疑われる場合

軽度の結膜炎であれば異物の除去などで改善するかもしれませんが、目の病気は進行も早いため、基本的にはあまり様子をみることはせずに、動物病院を受診することをおすすめします。

日頃から飼い主が意識して、犬の目のケアを忘れないようにしましょう。

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