【獣医師監修】猫砂よりも便利なトイレシートの利点と使い方
猫のトイレというと、猫砂をイメージする人が多いと思いますが、猫用のトイレシートもあることを知っていましたか? もし猫が気に入ってくれたら、トイレの掃除が楽になるかもしれません。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
猫のトイレシートとは?
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犬を飼っている人なら、室内で犬に排泄をさせる時、トイレシートを使うのが一般的かと思います。しかし、猫の場合は猫砂を使っている場合が多いのではないでしょうか。
自分の排泄物を隠す猫の習性
猫には、自分の排泄物を隠すという習性があります。これは、汚いものをただ隠しているわけではなく、外敵から身を守るために、自分の存在を示す排泄物のニオイを消すための行動だといわれています。
室内飼育が一般的になった現在でも、猫の中にはその名残が本能として残っているため、猫砂にトイレをした後に足を使って、ウンチやオシッコをした部分を隠しているのです。
猫砂のデメリット
猫砂は、猫の排泄時の習性を活かしたものなので、猫にとっては何のデメリットもありません。ただし、飼い主側から考えるとどうでしょうか。
猫砂には、おからを再利用した砂や、紙を材料にしている砂、高温殺菌された自然の砂、鉱物系の砂、シリカゲルの砂など、じつに様々な種類があります。それぞれが、猫や飼い主にとってメリットのあるものです。しかし実際に使ってみると、利点以外の様々な難点が露見します。
たとえば、おからの再利用品は、常に豆腐カスのニオイがすることが難点といわれています。また、家に大豆アレルギーの人がいる場合、砂が浮遊することでアレルギーを発症する可能性があるので使うことができません。
紙の砂は、トイレを清潔に保てるという利点が大きいですが、一度の排泄で砂を大量に消費してしまうこと、部屋に紙ホコリが舞うなどの難点があります。
その他の砂についても、排泄後の処理が難しい(燃えるごみとして処分できない)、ニオイが残ってしまう、部屋が砂だらけになるなど、飼い主側の普段の生活において何かとデメリットがあるのです。
トイレシートは安全で便利!
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それに引き換え、トイレシートは高分子吸収シートを使って、水分をシート内に閉じ込めてしまうので、シートを取り換えてしまえばニオイが残らず、その後の処理も簡単です。また、砂やホコリが飛び散ってしまうこともないので、部屋を綺麗に保つこともできます。
そして、もう一つの大きな利点は、猫の排泄物を観察しやすいことです。健康管理のために、オシッコの色や量、ウンチの大きさや水分量などは重要な目安になります。
猫砂を使っていると、オシッコの色が砂に吸収されて変わってしまったり、ウンチが固まったりするので、排泄物がどういう状態かを確認することが難しい場合があります。
トイレシートを使用すると、これらの情報をしっかり把握することができるので、猫の体調変化にもいち早く気づくことができるかもしれません。
トイレシートの使い方
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これまで猫砂を使っていた場合、いきなりトイレシートに変えてしまうと、猫にとってはストレスになってしまいます。猫の反応を確かめながら、徐々に切り替える工夫をしましょう。
まずはトイレシートの上に、これまで使っていた猫砂を撒いて使用し、猫が慣れてくるにつれて猫砂の量を減らしていきます。少しずつ慣れさせることで、猫のストレスを軽減することができます。
猫がシートの上でうまくトイレをしてくれない時は、用を足した後の猫砂やシートを、新しいトイレシートの上に置いておきます。こうすることで、猫はそこでトイレをしても大丈夫だと認識します。地道に何回も繰り返せば、古い砂やシートなしでも、トイレをしてくれるようになるかもしれません。
ただし、先述した通り、猫は自分の排泄物を隠そうとする習性があります。シートのみのトイレでは排泄物を隠すことができないため、トイレを嫌がって我慢してしまうことも…。この状態が続くと、猫の健康状態に悪い影響を及ぼしてしまうので、すぐに猫砂に戻してあげましょう。
トイレシートは、飼い主にとって大きなメリットがあるだけでなく、うまく使えば猫の健康管理にも役立ちます。ただし、猫にとって排泄物に砂をかけるのは本能的な行動なので、トイレシートを導入する際はストレスを与えてしまわないよう、くれぐれも注意してください。