【獣医師監修】じつは大食いなウーパールーパー。知っておきたいエサの量
笑っているように見えるニコニコ顔とフサフサのエラが、なんともユーモラスなウーパールーパー。食欲旺盛なウーパーへのエサやりは、飼い主にとって癒しの時間です。
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監修:オールペットクリニック 平林雅和院長
ウーパールーパーは何を食べる?
幼生の姿のまま成熟する珍しい生態を持ち、大人になっても可愛い姿のままのウーパールーパー。メキシコの湖に生息するサンショウウオの仲間で、自然環境下では魚や昆虫、カニやエビ、ミミズなどを捕食しています。口に入る大きさの生き物はなんでも食べる、肉食の大食漢です。
幼生のウーパールーパーには、飲み込みやすいブラインシュリンプを与えるほか、最近では幼体用の人工飼料も販売されています。また、ブラインシュリンプは卵で売られているものもあり、この場合は塩水でふ化させます。ウーパールーパーは動くものに反応するため、動き回るブラインシュリンプなどを上手に捕まえる姿を見ることができます。
体長10cmほどになると、生餌、冷凍餌、人工飼料の3種類から、与えるエサを選びます。特別な理由がない限り、人工飼料で育てるのが一般的です。アカムシやイトミミズを与える場合は、それだけでは栄養価が不十分なので、ほかのエサと組み合わせて与えるようにしましょう。
ウーパールーパーには、待ち伏せして獲物を捕食する習性があるため、水槽内に水草や土管などの隠れやすい場所を作ってあげると、上手に獲物を捕まえられるようになるだけでなく、ストレスを回避することもできます。人工飼料は消化・吸収に優れ、水を吸っても膨らまない、乳酸菌などが添加されているエサがおすすめです。ウーパールーパーのカラダのサイズと、エサの粒のサイズのバランスなども考えて、最適なエサを選んであげましょう。
ウーパールーパーは個体ごとにエサの好き嫌いがあり、大好物もあれば嫌いなものもあります。エサは水槽に落とせば捕食しますが、慣れてくると手やピンセットから直接食べるようになります。慣れるとエサをねだって立ち上がるような仕草も見せてくれます。
適切なエサの量について
ウーパールーパーは、与えれば与えるだけ食べてしまう食いしん坊です。そのため、食べすぎないようにエサの量を管理する必要があります。エサを食べすぎると吐き出してしまいますし、吐き出さなくても内臓に負担がかかり、下痢をすることがあります。エサのやりすぎや食べ残しは水質悪化の原因にもなります。また、食べすぎて肥満気味のウーパールーパーは、お腹が出てしまって地面に足がつかない状態になります。
与えるエサの種類にもよりますが、水を吸って膨らまないタイプのフードを与える場合は、1日1回、同量のエサを与えましょう。毎日エサを与えることで、ウーパールーパーの健康状態を把握しやすくなります。ただし、中には消化に2~4日程度かかるエサもあるため、消化に必要な時間を必ず確認してください。
また、水を吸うと膨らむタイプのードを与える場合は、与えすぎに注意が必要です。体長や体重、お腹の張り具合、食べるスピード、糞の状態などをよく観察して、個体ごとに適量を判断しましょう。
メダカなど魚の生餌を与える場合は、水カビ病や白点病の感染を防ぐために、生餌を薬浴させてから与えると安心です。生餌のカラダに異変がないか確認し、充分な検疫期間を設けた上で与えるようにしましょう。
よく食べるウーパールーパーは、エサのやりがいがあるペットです。人の手からじかに食べるようになると、可愛さもひとしおです。ただし、ウーパールーパーの外皮は非常に敏感なため、人の体温や触れた時の摩擦でも損傷してしまうことがあります。可愛いウーパールーパーを傷つけてしまわないように、触れ方にはくれぐれも注意して、楽しくコミュニケーションをとりましょう。