【獣医師監修】猫に麦茶を与えていい? 麦茶のメリットや注意点

意外に感じるかもしれませんが、麦茶を好んで飲む猫はけっこう多いようです。しかし、そもそも猫は麦茶を飲んでも大丈夫なのでしょうか。そして、猫はなぜ麦茶を好むのでしょうか。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫は麦茶を好む?

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猫が麦茶を飲むと聞くと、不思議に思ったり疑問を感じたりする人も多いと思います。しかし、ネットで検索してみると、意外にも猫と麦茶に関連する記事や動画が多いことがわかります。中には、自分が飲むつもりで麦茶を注いだコップに、猫が顔を突っ込んでいるのを目撃したという人も。もちろん、個体差があるので、麦茶が大好きな猫もいれば、まったく反応しない猫もいるようです。

猫に麦茶をあげても大丈夫?

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そもそも猫は麦茶を飲んでも大丈夫なのでしょうか。結論からいうと、猫が麦茶を飲んでも問題はなく、健康に影響が出ることもないので、安心してください。

麦茶のミネラル成分には、カルシウムやマグネシウムが含まれています。カルシウムやマグネシウムの過剰摂取は、尿路結石の原因になるといわれているため、心配に思う人もいるかもしれません。しかし、麦茶に含まれているミネラル成分は微量で、一般的には猫が飲んでも影響がないレベルです。

具体的には、成猫で体重が3~4kgの標準的な猫の場合、1日に摂取していいカルシウムは1~2g、マグネシウムの量は70~100㎎といわれています。一般的な市販の麦茶の成分は、カルシウムが100ml中0.32㎎、マグネシウムが100ml中0.5㎎ほど。もともと飲水量の少ない猫が一度に100mlもの麦茶を飲むとは考えにくいため、実際の摂取量はもっと少なくなります。

これなら猫が麦茶を飲んでも、カラダへの影響はほとんどないといえるでしょう。それでも心配な人は、麦茶を水で割ることで、より成分を薄くすることができます。ただし、常識的に考えて、猫が結石の原因になるほど麦茶を飲むことは難しいため、あまり敏感になる必要はないでしょう。

ちなみに、猫のカラダに害を与える成分として、カフェインがあります。摂取するとカフェイン中毒になる可能性もありますが、麦茶はノンカフェインの飲み物なので、その点も安心です。

麦茶は猫草と成分が近い?

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先述したように、麦茶を好む猫は案外多いようです。なぜ、猫は麦茶を好むのでしょうか。これについては、確実なことはわかっていません。しかし、よく聞かれる理由として、猫が大好きな猫草との関連が挙げられます。

猫草はイネ科の植物で、猫にとっての嗜好品です。そして麦茶の元となる麦も、同じイネ科の植物であるということが、猫が麦茶を好む理由ではないかといわれています。

ほかにも、麦茶のニオイ自体が猫に好まれるという説もあるそうです。猫の嗅覚は極めて優れているので、麦茶の香ばしい香りを堪能しているのかもしれません。

個体差はありますが、麦茶が大好きな猫はいます。そして、猫が麦茶を飲んでも問題はありません。水分補給にもなるので、うまく活用できれば、猫の健康維持にも役立ちます。

ただし、人間用のお茶や飲料のすべてが、猫にとって安全というわけではありません。緑茶やコーヒーなどには、猫に有害なカフェインが含まれていますし、ミネラルウォーターには、尿路結石の原因となり得る量のミネラルが含まれていることがあります。また、アルコールは少量でも急性アルコール中毒を起こすおそれがあります。これらの猫にとって危険とされている飲料は、絶対に与えないように注意してください。

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