【獣医師監修】猫に魚肉ソーセージを与えてはいけない理由
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【獣医師監修】猫に魚肉ソーセージを与えてはいけない理由

魚肉ソーセージを食べていたら、猫が近づいてきて可愛くおねだり。そんな時はついついお裾分けしてあげたくなりますが、じつは魚肉ソーセージは猫に与えてはいけない食べ物なのです。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫に魚肉ソーセージはNG

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魚肉ソーセージはその名の通り、魚のすり身を主原料とする加工食品です。猫は魚を好んで食べるイメージがあるので、ちょっとくらいなら与えても大丈夫、と思ってしまう飼い主がいるかもしれません。

しかし、魚肉ソーセージには、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性のある成分が含まれています。

ちなみに、魚肉ソーセージは「普通魚肉ソーセージ」と「特種魚肉ソーセージ」の2種類に大きく分類することができます。それぞれに含まれている成分は異なりますが、いずれにしても猫に与えてはいけません。

魚肉ソーセージが猫に与えるデメリット

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魚肉ソーセージに含まれる成分のうち、猫の健康に悪影響を与える可能性があるものは以下の通りです。

香辛料

普通魚肉ソーセージには、ジンジャー、ペッパー、ナツメグ、シナモン、コリアンダーなどの香辛料が含まれています。香辛料とは、植物を原料とする刺激性物質で、食べ物の生臭さを消したり、香りをつけたりするために使われるものですが、猫が食べてはいけない成分の一つです。

もともと香辛料を口にする習慣のない猫が、香辛料を大量に摂取してしまうと、胃腸に大きな負担がかかります。さらに、ある種の香辛料に含まれる有機化合物には、猫の肝臓では代謝できないものがあるため、中毒症状を引き起こすおそれがあります。

原材料に「タマネギ」が含まれる

先述した特種魚肉ソーセージには、主原料となる魚肉のほかに、種ものとしてタマネギが含まれていることがあります。タマネギには、アリルプロピルジスルファイドという成分が含まれており、猫が口にしてしまうと赤血球が破壊される「溶血性貧血」を引き起こします。いわゆる、タマネギ中毒です。

猫では、体重1kgあたり5gのタマネギでも危険といわれていますが、中毒物質の許容量には個体差があり、この量をさらに下回っていても中毒症状を起こすこともあります。また、アリルプロピルジスルファイドの効果は加熱しても変わらないため、たとえ火を通したソーセージであっても、原材料にタマネギが含まれている時点で、猫には絶対に与えてはいけません。

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塩分の過剰摂取

魚肉ソーセージに限らず、練り物と呼ばれる食べ物には塩分が多く含まれているため、猫が食べると塩分の摂りすぎになってしまいます。

猫にとって、塩分の過剰摂取は腎臓病を引き起こす原因となります。猫がどうしてもソーセージを欲しがる場合は、猫用のソーセージを与えてください。

このように、魚肉ソーセージは猫に与えない方がよい食べ物です。もし猫が魚肉ソーセージを食べてしまった場合には、嘔吐や下痢などの症状に注意し、必要に応じて病院に連れて行きましょう。

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