犬の多頭飼いについて。ケージは一緒でも大丈夫?

犬を飼い始めると、多頭飼いに興味を持つ飼い主は少なくないようです。たくさんの犬に囲まれた生活はとても幸せなものですが、先住犬にとっては突然一緒に暮らす家族が増えることになります。今回は、犬の多頭飼いの注意すべき点を解説していきます。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

室内犬にケージは必要?

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犬を室内で飼う場合は、ケージの使用をおすすめします。常に犬をケージの中に入れておくのはもちろん厳禁ですが、ケージをうまく活用することで、犬のストレスを軽減したり、しつけに役立てたりすることができます。

犬はもともと、地面に穴を掘って自分の巣を作り、生活していました。そのため、ペットとして家の中で暮らすようになった現在も、巣の代わりとなる場所が必要になります。それがケージです。

ケージがあれば、犬はケージを自分の巣だと思い、その中で安心して過ごすことができます。このように、リラックスできる自分だけの場所があることは、犬のストレス軽減につながります。

また、飼い主と犬の行動範囲が“常に”一緒だと、犬は自分が飼い主と同等か、それ以上の存在だと勘違いしてしまう可能性があります。これを権勢症候群(アルファ・シンドローム)と呼び、しつけがうまくいかない原因となります。

しかし、飼い主が寝る時や留守番をさせる際に犬をケージに入れることで、犬は飼い主を自分よりも上位の存在と認識し、信頼できるリーダーとして従うようになります。

二匹を一緒のケージで飼うのはOK?

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では、多頭飼いをする場合には、同じケージに複数の犬を入れてもよいのでしょうか。

ここでのポイントは、新しい犬が来たからという理由で、先住犬の扱いを変えてはいけないということです。先住犬よりも新しい犬を優先すると、先住犬の飼い主に対する信頼を損ね、後々犬同士のトラブルを引き起こす要因になります。

そこで、まずは先住犬を安心させながら、新しい犬に家のルールや犬の上下関係を教えていくことが大切です。つまり、先住犬の方が新しい犬よりも上位であると教えることで、新しい犬が先住犬を尊重するようになり、トラブルを回避できるというわけです。

そのためには、先住犬とのコミュニケーションが大切になります。これまで飼い主を独占してきた先住犬には、新しい犬が来たことで、その独占権が侵害されたと感じるかもしれません。

それを避けるために、先住犬が飼い主を独占できる時間を作ってあげましょう。これは、1日数分でも効果的です。もちろん、新しい犬にも飼い主を独占する時間を作ります。こうして、両方の犬と飼い主の間に信頼関係を築きながら、犬同士の上下関係も確立していきます。

犬同士の関係性は、飼い主がすべてをコントロールする必要はありません。基本的には犬同士がじゃれ合いながら、お互いの立場を確認していくので、本気の喧嘩に発展した時以外はやさしく見守ってあげましょう。

また、ケージについては、犬の独占欲を満たすためにも、別々のものを用意しましょう。ここでいう独占欲とは、飼い主に対するものではなく場所に対するものです。各犬に“巣”を用意することで、それぞれの犬に安心して過ごせる場所ができます。これにより、先住犬と新しい犬両方のストレスを軽減することができます。

多頭飼いを始める時は、いきなり二頭の犬を一緒に生活させるのではなく、最初は挨拶程度からスタートし、徐々に一緒のスペースにいる時間を長くしていきましょう。そして、犬同士のコミュニケーションを見守りながら、飼い主が新しい犬に家のルールと犬の上下関係を教えることで、多頭飼いによるトラブルを防ぎます。

先住犬を尊重し、新しい犬を迎え入れる…多頭飼いが成功するかどうかは飼い主次第です。それぞれの犬の気持ちをうまくコントロールしながら、適切な環境を整えてあげてください。

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