【獣医師監修】猫のトリミングって必要? トリミングの頻度とやり方
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【獣医師監修】猫のトリミングって必要? トリミングの頻度とやり方

東京、大阪、名古屋、札幌など全国にあるペットのトリミングサロン。トリミングの相場や頻度は? やり方を覚えて自宅でやってみましょう。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

トリミングは必要に応じて

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ハサミなどで犬や猫の部分カットや全身カットを行い、被毛全体のお手入れをすることをトリミングといいます。一方、シャンプーをはじめ、ブラッシング、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなど、被毛のカット以外のお手入れのことをグルーミングといいますが、日本では両方合わせて「トリミング」と呼ぶことが多いようです。

猫を見てわかるように、爪は爪とぎで、足の裏からしっぽの先まで自分でなめて全身を清潔に保っています。とくに完全室内飼いの猫は、ふかふかの毛に顔をうずめても臭いはほとんど気にならないほどきれいです。

ただ、長毛種の猫は毛づくろいが行き届かず、毛玉になったり、汚れが残っていたりするので人間のサポートが必要です。また、短毛種であっても、毛の抜け替わる換毛期は、カーペットに横になっただけで周辺にびっしりと抜け毛がついてしまいます。

長毛種の場合は、毛玉ができてしまったときはプロにお願いしたほうがいいと思います。基本的に短毛種は被毛をカットする必要はありません。

そのかわり、ブラッシングは猫との絆を深める一つの手段にもなるので、短毛種、長毛種ともにスキンシップの一環として毎日でもやってあげましょう。シャンプーや爪切り、耳掃除など、それ以外のケアは必要に応じて行ってください。

自宅で行うトリミング

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グルーミングを含めたトリミングを自宅でやるのは大変です。でも、節約になるうえ、猫自身もサロンまでの移動もないですし安心できるはず。ただし、成猫になってから始めるのは大変なので、仔猫のころから少しずつおこない嫌がらないように慣らしていくことが大切です。そこで、どんなことをやればいいかまとめてみました。

ブラッシング

プラスチックやナイロン製など、人間用のものは静電気や切れ毛のもとになるので猫用ブラシを用意してください。プロが使うスリッカーブラシや獣毛ブラシなどがベストです。
ブラッシングは毛並みにそってやさしくとかすこと。ちょっとした毛の絡まりはスリッカーブラシでとくことができますが、毛玉になってしまったものは無理にほぐそうとすると皮膚が引きつれ痛みが生じるのでやめましょう。
猫は背骨、腰骨、胸骨、足の付け根など、骨のある部分にブラシが当たるのを嫌がるので、気をつけましょう。ブラッシングは毎日か、最低でも3日に一度の割合で行ってください。

シャンプー

猫は水に濡れるのを嫌う生き物だけに、シャンプーは大変な作業です。耳の中に水が入らないよう気をつけながら、短時間で済ませましょう。暴れる場合は、ふくだけできれいになる使い捨てのシートを利用するのも一つの方法です。ブラッシングだけでもある程度皮膚を清潔に保つことはできますので、シャンプーをするにしても通常は年に1回程度で充分でしょう。

耳掃除

ティッシュやコットンをオリーブオイルか動物用のクリーニングローションで湿らせ、外耳の部分をやさしくふき取ってください。ただし、耳に傷がつくと炎症の原因にもなるのでこすらないよう気をつけること。外耳を傷つける恐れがある綿棒も避けた方が賢明です。過剰な耳掃除は耳を傷めてしまうため、通常は1ヶ月に1~2回程度で充分です。かかりつけの先生などに頻度を指示されている場合はそれに従ってください。

爪切り

猫の爪の内側には血管とともに神経も通っています。そのため、誤って切りすぎてしまうと痛みを伴い出血もしますので、爪の細くなっているところを切るようにしましょう。猫にもよりますが、2~3週間に1度の頻度で切れば適度な長さを保つことができます。

歯磨き

猫の歯垢が歯石になるのはとても早く、人よりも歯周病が問題になっています。そのため、歯磨きは必須のケアといえるでしょう。シャンプーと同じく、歯磨きも大変な作業ですが、歯ブラシを嫌うときは、ガーゼや歯磨き用のウェットシートで歯の汚れを落としてください。噛むだけで効果がある歯磨きガムやおもちゃなど、デンタルケア製品を使うのもおすすめです。歯磨きは毎食後やるのが理想といわれていますが、1日1回、もしくは週2~3回を目標にしてみましょう。

目やに取り

寝起きに少量付く目やには健康上問題はありませんが、気になるようであればとってあげましょう。コットンに水を含ませたものやペット用のウェットティッシュで目の周りにも使用できるタイプのものを使います。人間用のウェットティッシュは猫に害のあるアルコール成分が含まれているので使わないようにしましょう。汚れが目立ったときにふき取るようにしてください。

プロに任せた場合

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猫の皮膚は薄く、大きく裂けてしまうことがあります。また、切れてもほとんど出血しないため、誤って傷をつけても気が付かないことも。毛玉が気になっても、自分でハサミを使うことは避けた方がいいようです。毛玉の除去を含め、被毛のカットはプロに任せましょう。

なお、犬がペットショップなどでトリミングをしてもらうことは一般的なこととして浸透していますが、犬と比べると猫を受け入れてくれるところはそれほど多くありません。

嫌がる猫に無理にトリミングを行うと、多大なストレスをかけ体調を崩してしまうことも少なくありません。そのため、動物病院では鎮静剤などを用いてトリミングを行うところもあります。どのような方法でトリミングを行ってもらえるのかをきちんと確認したうえでお願いしましょう。

気になる値段ですが、トリミングサロンは短毛種が5000円前後、長毛種が6000円前後で、グルーミングがセットされている場合はそれぞれ2000円ほど高くなるようです。動物病院は短毛種が6000円前後、長毛種が8000円前後というのが相場のようです。この他、鎮静剤などを使用する場合は、その分の料金がかかります。

自分でやるときも、プロにやってもらうときも、無理は禁物。猫が強く拒絶したときはあきらめて、機嫌のいいときを見はからって再度チャレンジしましょう。

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