【獣医師監修】チワワにとって冬の部屋の適温は何度? 低体温症に要注意!

人間にとって体温は健康のバロメーターですが、それは犬も同じです。犬の場合、熱中症や風邪による体温の上昇にも注意が必要ですが、逆に体温が低下している時も、危険な状況になっている可能性があります。今回は、チワワにとって快適な部屋の温度と、低体温のリスクについて解説していきます。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

チワワにとって最適な冬の室温

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チワワにとって最適な冬の室温は「25度前後」といわれています。チワワはもともとメキシコ原産の犬種なので、寒さにはめっぽう弱く、冬場の室温管理には充分な注意が必要です。

エアコンやストーブ以外にも、ペット用の電気ヒーターを利用するなどして、室温を快適に保ちましょう。また、外出時には急激に体温が低下しないよう、チワワ用の衣服を着せるのがおすすめです。

この室温管理を怠ると、チワワが体調を崩してしまう可能性が高くなります。また、目安として「25度前後」が適温とされていますが、チワワの毛の長さや年齢、あるいは持病の有無によって最適な温度は異なるため、暖房器具などで微調節をしながら、愛犬が快適に過ごせる温度を見極めましょう。

冬の室温管理で注意したいのは、せっかくエアコンをつけても、暖かい空気が天井近くに溜まってしまうことです。チワワがいる床近くは寒いままになっていることがあるので、エアコンの設定温度や室内の温度計の数字だけを見るのではなく、実際に寒がっていないかを確認するようにしましょう。

また、チワワにとって快適な湿度は40~70%といわれていて、「室温25度」「湿度60%」の組み合わせが適温適湿となります。加湿器や濡れタオルを利用して、乾燥対策もしっかり行いましょう。

空気の乾燥は喉の粘膜にダメージを与え、呼吸器系の病気やウイルス感染の原因となります。また、飼い主が部屋の外からウイルスを持ち込んでしまわないよう、手洗い・うがいを徹底しましょう。

チワワの低体温症に注意

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チワワは寒い環境に長くおかれると、自分で体温をコントロールできなくなってしまい、平熱より体温が低くなる「低体温症」を引き起こすことがあります。とくに、冬場に長い時間留守番をさせる時は要注意です。

低体温症になると、カラダが震えたり、ぐったりして呼吸が浅くなったりします。また、体温が32~35度まで下がってしまうので、急いで回復させなければなりません。

チワワが低体温症になってしまった時は、まず室温を上げます。そして、湯たんぽなどでチワワのお腹を暖めて、意識がある場合はぬるま湯を飲ませます。なかなか体温が戻ってこない時は、ストレスやほかの病気が原因で、チワワの体温が下がってしまっているのかもしれません。

また、低体温はカラダの免疫力を低下させ、ほかの病気を発症する原因にもなってしまいます。低体温の原因を特定し、カラダをしっかりと温めながら動物病院に連れて行きましょう。

また、冬の寒い時期に、チワワを長時間外に出すのは絶対にやめてください。とくに、体力のない仔犬や高齢犬の場合は、命に直結する問題になります。チワワを飼う場合は必ず室内で飼育し、散歩に出かける際も犬用の服を着せるなどして防寒に努めましょう。

チワワの低体温症を防ぐためには、まずはチワワにとって寒いと思われる環境を作らないことです。気温が下がる季節には、ケージの中にはいつもより1枚多く毛布を用意するなど、少しでも温かい環境を作ってください。

そして、夏場以上に丁寧なブラッシングを心がけましょう。被毛の健康を保つことで、犬が持っている保温機能を高めることができます。また、日頃から体温を測ることを習慣にしておくと、病気のサインにいち早く気づくことができるでしょう。

犬の健康を守れるのは飼い主だけです。大切な愛犬が快適に過ごせるよう、冬の室温や湿度には充分気を配り、万が一体温の低下がみられた場合は適切に対処してください。

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