【獣医師監修】犬の急性胃炎 考えられる原因や症状、治療法と予防法
胃炎と聞くと「私もよく起こす」と思う飼い主も多いかもしれません。胃炎は犬でも珍しくない病気です。あの痛みが犬を襲っていると思うと、かわいそうな気持ちになりますね。今回は、犬の急性胃炎について解説していきます。
- 更新日:
監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬が急性胃炎になる原因
胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起こる病気です。犬の胃炎では、発症から数日以内のものを急性胃炎、数週間以上続いているものを慢性胃炎と呼んでいます。
犬の急性胃炎は、様々な原因によって引き起こされます。
誤飲・誤食
単純に異物の刺激から急性胃炎を起こすこともありますが、誤飲した内容によっては中毒を起こし、それによって急性胃炎を起こすこともあります。中毒を引き起こす観葉植物、化学薬品、人間用の薬などの取り扱いにはとくに注意をしましょう。
感染症
細菌、ウイルス、寄生虫などの感染症により急性胃炎を起こすことがあります。
不潔な環境
犬の生活環境において不潔な状態が続き、古い水や腐った食べ物を食べてしまうと、急性胃炎を発症することがあります。
犬の急性胃炎の症状
典型的な症状は、急性嘔吐です。吐き気からよだれを垂らすこともあります。長時間嘔吐し続けた場合には、脱水症状を引き起こすこともあります。また、胃の粘膜の炎症により出血している時は、血液が混じった胃液を吐くこともあります。
犬の急性胃炎の治療法
犬に急性胃炎の症状がみられた時は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。治療には、以下のような方法があります。
原因に対する治療
誤飲・誤食が原因となっている場合は、胃の中の異物を取り除く必要があります。内視鏡で取り出せるような異物は取り出し、中毒などを起こしている場合は胃洗浄を行うこともあります。
絶食・絶水
食べ物や飲み物を受けつけない場合は、絶食・絶水により胃を休め、代わりに点滴などで水分とミネラルを補給します。食事を始める際は、消化しやすい低脂肪食を選ぶことが多いです。
投薬
胃粘膜保護剤、制酸剤、制吐剤、抗生剤などが使用されます。
犬の急性胃炎の予防法
まずは、誤飲・誤食を防ぐために、犬が拾い食いできる環境を作らないことが重要です。散歩中はとくに危険なので、犬が異物に近づいた時はすぐに引き離しましょう。家の中でも、誤飲しそうなものは犬が届く場所に置かないようにしてください。
また、消化器に負担をかけないように、食べ慣れない食べ物を一度にたくさんあげるようなことも避けましょう。
これらの予防を心がけていても、愛犬に急性胃炎の症状がみられた場合は、すぐ動物病院に連れて行ってあげてください。