【獣医師監修】イタリアン・グレーハウンドのお手入れ方法は? お手入れのやり方と頻度
優雅なフォルムが美しく、家族思いのイタリアン・グレーハウンド。大人しい性格ながら他の動物にも友好的に接することができるので、とても飼いやすい犬種です。共に生活していくために、日頃からどんなお手入れが必要なのかみていきましょう。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
お手入れのポイント
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サイズが小さく、被毛が短いイタリアン・グレーハウンドは、とくにお手入れがしやすい犬種であるといえます。ただし、お手入れを怠ると不潔になってしまい、それが原因で病気にかかってしまうこともあるので、飼い主の責任として日頃から愛情をもってケアしてあげるようにしましょう。
毎日のお手入れ
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イタリアン・グレーハウンドは、被毛が大変短いので毎日ブラッシングをする必要はありません。そのかわり運動や遊びが大好きな犬種なので、毎日の散歩は欠かさず、時にはドッグランに連れて行って、その運動能力を存分に発揮させ、心もカラダも健康的に過ごせるように心がけてください。
イタリアン・グレーハウンドは、繊細で神経質な一面も持ち合わせています。飼い主が相手をしなかったり、散歩に行けない日が続くとストレスをため込んでしまいます。また、飼い主の気持ちに敏感な面もあるので、愛情たっぷりかつ穏やかに接してあげるようにしましょう。精神面の不安から、カラダにまで不調をきたしてしまう場合もあるので、充分に手をかけて安心させてください。
定期的なお手入れ
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日頃の散歩や運動の後は、被毛のケアをしてあげましょう。イタリアン・グレーハウンドは被毛がとても短いので、カラダが汚れてしまったら固く絞ったタオルやペット用のボディータオルを使って拭きます。肌が乾燥している場合には、犬用の保湿クリームを塗ってあげるのもいいでしょう。
ブラッシングについては、週に2、3回程度で充分です。だたし被毛が極端に短いということは、ブラッシングの際に肌への刺激や負担も大きいということになります。毛の固いラバーブラシなどを使うと痛がってしまい、ブラッシングをさせてくれなくなります。嫌なこともすぐに覚えてしまうので、ブラシ選びや力加減には注意が必要です。また、被毛のケアの時に軽石を使うと、余分な毛を取り除くことができ、血流が良くなることによって被毛の艶も良くなるので、試してみるのもいいでしょう。
上記のケアをしっかりしていれば、シャンプーについては月に1回程度で充分です。過度のシャンプーは必要な皮脂を取り除いてしまったり、肌が乾燥しやすくなったりする原因にもなるので気をつけてください。また、毛が短いのでドライヤーを使う必要は必ずしもありません。タオルでやさしくしっかり拭いてあげましょう。ただし、皮膚や被毛の質には個体差があるので、獣医師から特別な指示が出ている場合はそちらを優先してください。
イタリアン・グレーハウンドは「太刀耳」と呼ばれ、耳が水平に伸びていますが、中には垂れ耳になっている犬もいます。垂れ耳の場合には耳の汚れや垢がたまりやすいので、定期的にお手入れが必要になります。放っておくと外耳炎などの原因になるので注意しましょう。脱脂綿などを耳掃除用クリーナーで十分に湿らせて、やさしく汚れを取り除きます。耳の中はデリケートな部分ですので、ゴシゴシと力を入れて拭くのは厳禁です。
もう一つ重要なのが爪切りです。イタリアン・グレーハウンドは爪の伸びが速いので、鋭くなってしまう前に切ってあげましょう。爪を伸ばしたままにしておくと、掻いた時に自分の皮膚を傷つけてしまったり、歩行中に引っかかって転んでしまったりする可能性があります。
犬の爪の中には血管が通っており、爪を切りすぎると出血してしまうことも。しかし、爪切りを怠ると伸びた爪の中に血管が伸びてきて、少し爪を切っただけで出血してしまうようになります。定期的に爪切りをして、継続したケアを心がけましょう。自分で切るのはどうしても難しいという時は、ペットショップや病院にお願いするのもいいでしょう。愛犬が痛がって爪切りが嫌いにならないように注意してください。
これらのケアと、日常的なスキンシップをとっていれば、犬の異変や、ケアのタイミングがわかると思います。愛情深く、やさしく接してあげてください。