【獣医師監修】猫が毛玉を吐くのはどうして? 予防法は?
猫は、自分で毛づくろいをしても、飼い主がブラッシングやお手入れをしっかりとしていても、毛玉を吐く時があります。毛玉を吐くのはなぜなのでしょうか。また、何が原因で毛玉ができ、それを吐くのでしょうか。今回は、猫が毛玉を吐く原因とその予防方法について紹介していきましょう。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
猫の体内に毛玉ができる理由
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はじめになぜ、体内に被毛が入るのか考えます。これは、猫の被毛の状態に関係があります。猫の毛は毛根から先に向けてささくれのような状態になっているので、被毛同士が絡まりやすいのです。さらに、猫の皮膚にはアポクリン汗腺という特殊な汗腺があり、ここから出る油分を含んだ分泌物が汚れをくっつきやすくするため、余計、絡まりやすくなります。この絡まった毛を猫が舐めることで、胃に毛が蓄積されていきます。また、加齢やストレス、皮膚炎などが原因で自分のカラダを頻繁に舐めると、少しずつたまっていきます。
猫が毛玉を吐く理由
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それでは、なぜ猫は毛玉を吐くのでしょうか。猫は毛づくろいすることで、自分のカラダを舐めて清潔に保とうとします。また、自分の感情を落ち着かせるために毛づくろいをすることがあります。その際に飲み込んでしまった被毛が胃の中にたまります。たまった毛を吐き出そうと草を食べて吐き出したり、排泄物として排出されます。
猫が毛玉を吐く理由は、胃の中にたまった毛を吐き出すためだったのです。定期的に吐き出すことで、胃の中に毛をためないようにしているのです。これは、野生で過ごしていた時代、獲物を食べた後に体外に排出するべき異物(獲物の毛など)を吐き出していた習性が残っているためともいわれています。ですから、毛玉を吐くことは、病気ではなく正常な行為だといえるでしょう。毛玉を吐く頻度は1日平均2~3回ともいわれています。それ以上になると胃や腸に負担がかかります。
食事で毛玉の吐き出しを少なくできる
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毛玉を吐く回数が多い場合は、必要以上に毛玉を吐かせないように予防する必要があります。長毛種や換毛期の猫の場合、毛玉を吐きやすくなるので、しっかりとブラッシングをしたり、シャンプーをしてあげたりといったお手入れが必要になってきます。猫の種類や個体によっては、毛玉を吐かない場合もあります。短毛種やお手入れをしっかりしている猫の場合は、あまり毛玉を吐くことがありません。
一方、毛玉コントロールやヘアボールケアといった食物繊維を豊富に含んだフードを与えることも有効です。これらのフードには消化の機能を活発にして、毛玉の排泄を促すことで毛玉を吐かないようにケアができるという利点があります。
毛玉を吐かないから大丈夫?~毛球症という病気かも~
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これらを実行しても、吐く回数や量が多かったり、排泄物にも毛玉がない場合、「毛球症」という病気が心配されます。咳をして毛玉を吐こうとしますが、吐くことができずに便秘や食欲不振に陥り、お腹を触られることを嫌がるようになります。こんな様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。
愛猫につらい思いをさせないためにも、日頃のブラッシングやお手入れを欠かさず触れ合うことで、毛球症を早めに発見することができます。また、猫が頻繁に毛づくろいをするのはストレスのサインともいわれます。これを機会に、生活空間内にストレスになっている事柄がないか、再度考え直してみることが必要かもしれません。