猫が喉をゴロゴロ鳴らす理由と、その心理について

猫を飼うと、喉から「ゴロゴロ」という音が聞こえてくることがあります。この喉をゴロゴロと鳴らすのは、猫を撫でている時が多いことに気づきますが、じつは様々な場面でこのゴロゴロを聞くことになります。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫が喉を鳴らす理由

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世界中で不思議がられている

日本では擬音語で「ゴロゴロ」と呼んでいるこの猫の喉の音、英語では「purring」と呼んでいます。世界中でこの「purring」という言葉に対する疑問が寄せられていて、「猫がなぜ喉をゴロゴロ鳴らすのか」を不思議に思っている飼い主がたくさんいることがわかります。ちなみに、一生に一度もゴロゴロ鳴らさない猫もいるとか。このゴロゴロが何を意味しているか、謎を深めているようです。

猫が喉をゴロゴロ鳴らすのは、機嫌がいい時、楽しい時、嬉しい時、リラックスしている時といったポジティブな要因が多いと思われていますが、じつは、以下のようなタイミングでも猫が喉をゴロゴロ鳴らすことが報告されています。

●病院の診察台の上で緊張している
●怪我をしている
●出産・授乳
●死の直前

総合すると気持ち的な高ぶりを感じている時のようです。喉を鳴らすことで、不安になったり緊張したりしている時、ポジティブな気持ちに戻るように、気持ちを静めてリラックスしようとしていると考えられています。

猫が初めて喉を鳴らすのは生後1週齢からで、この時は母親が母乳を飲ませようとゴロゴロ喉を鳴らすのに呼応するところからスタートします。これが、母子間で交わされる初めての意思疎通となるわけですが、母猫は喉を鳴らすことで自分の居場所を教え、同時に授乳の準備ができていることを知らせ、仔猫はその返答として乳を飲めることを喜んでいることを伝えます。そして、母親は安心し授乳態勢に入ることになります。

また、猫は親(と思っている飼い主も含む)の真似をする「刷り込み」という性質を持っているので、この喉のゴロゴロも、授乳を通して親から子へ引き継がれていきます。

ゴロゴロはどのようにして鳴るのか

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この猫の喉のゴロゴロですが、じつはまだはっきりとどのように鳴るのかはわかっていません。猫の喉がゴロゴロとなる仕組みとして考えられているのは、以下の2つの説です。

●血液乱流説…大静脈から心臓に向かう血流が増すことで乱流が生じ、その乱流が低い音を出して横隔膜がその振動を増幅させてゴロゴロ鳴る

●仮声帯説…声帯のほかに仮声帯と呼ばれる喉頭室皺壁という器官があり、その器官の喉頭筋を収縮させる音でゴロゴロ鳴る

猫のゴロゴロで骨折が治る?

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猫が喉をゴロゴロ鳴らすのには、様々な理由があるわけですが、最近注目されているのは、この猫のゴロゴロの周波数が骨折の治癒を早めるというものです。
猫のゴロゴロの周波数は25~150Hz程度で、いわゆる低周波(100Hz以下)の範囲内に収まることが多いようです。実際、骨折の治癒を早めるために、低周波を利用する医療機関は多く、プロサッカー選手のデビッド・ベッカム選手が骨折した時に超音波治療をしていたことでも話題になったことがあります。このように超音波が骨折の治療に使われているという事実から、猫の喉のゴロゴロが骨折の治癒を早めるという説は一理あると考えられています。

猫と人間は長い間共存してきましたが、まだまだわかっていないことが多く、そのひとつが喉のゴロゴロです。世界中の人々が、「purring」を疑問に思っていることは不思議でも何でもないのです。

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