【獣医師監修】猫の口内炎 考えられる原因や症状、治療法と予防法

人間同様、猫にも口内炎ができることがあります。痛みを伴うため、食餌をとろうとしなくなることもあるなど、飼い主にとっては心配事が尽きない病気です。そこで今回は、猫の口内炎について解説していきます。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫が口内炎になる原因

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猫の口内炎は、口腔内細菌の関与、ウイルスの関与、免疫異常などが原因と考えられており、強い痛みから食事がとれなくなることもあります。

口内炎は、口腔粘膜、舌、歯肉、喉などいたるところにできます。

また、猫の口内炎には「難治性口内炎」「リンパ球性形質細胞性口内炎」「形質細胞性口内炎」「慢性歯肉口内炎」「慢性潰瘍性歯肉口内炎」「潰瘍性増殖性口峡炎」などといった別名があります。

猫の口内炎の症状

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猫が口内炎を患うと、以下のような症状が出ます。

●涎が出る
●食事を食べにくそうにする
●固いフードを好まなくなる
●食欲が低下する
●口を気にする仕草をする
●痛みにより鳴く
●口臭がきつくなる

これらに加え、炎症が悪化すると水を飲むことすらできなくなってしまいます。重度の食欲不振により体重が減少することもあるので、注意してください。

猫の口内炎の治療・予防方法

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それでは、猫の口内炎はどのように治療・予防すればよいのでしょうか?

猫の口内炎の治療方法

猫の口内炎の治療としては、口腔内の消毒や歯垢・歯石の除去、抗生剤・ステロイド剤・インターフェロン・ラクトフェリン・鎮痛剤などによる治療が施されます。しかし、投薬をやめると口内炎の症状が悪化するため、完治は望めません。そのため、徹底的に口腔内環境を衛生的にすることが必要になりますが、麻酔をかけて病院で口腔内をきれいにしても、その後家庭で十分にデンタルケアを行うことは難しく、良い状態を長く保つことは難しいのが現状です。そこで、抜歯をするという歯科処置が選択されることがあります。

抜歯では、臼歯(奥歯)のみを全て抜く方法と、口腔内の歯を全て抜く方法があります。臼歯のみを抜歯した場合の改善率は約6割、全ての歯を抜歯した場合の改善率は9割以上といわれていますが、ぐらぐらしていない歯を抜くのは非常に大変なことであり、顎の骨が弱っている場合は骨折をすることなどもあるため、どのような段階を踏んで抜歯をしていくかは担当医が慎重に決めます。もちろん、十分な術前検査も必要になります。

猫の口内炎の予防方法

猫の口内炎を予防するには、口腔内のケアをしっかり行うことが大切です。やわらかいガーゼなどを使って歯をきれいにしてあげるといったケアを行うのが理想的ですが、口内炎になってしまうと痛がってこのようなケアをさせてくれなくなります。もし痛みがあるようでしたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

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