猫びより
自閉症を抱える少女と子猫が起こした奇跡の物語【from U.K.】

自閉症を抱える少女と子猫が起こした奇跡の物語【from U.K.】

(猫びより 2017年7月号 Vol.94より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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2013年、イギリスの地方紙《レスターマーキュリー》に掲載された絵が世界中の注目を集めた。新聞の一面には、“3歳のトップアーティスト”という見出しとともに、笑顔で走る幼い女の子の写真があった。彼女の名前はアイリス・グレース。その絵を描いた少女は、重度の自閉症を抱えていた。

トゥーラは画家アイリスのアシスタント

トゥーラは画家アイリスのアシスタント

イギリス中部レスターシャーの村で両親と暮らすアイリスは、2歳の時に「自閉症スペクトラム障害」と診断された。誰とも目を合わせない、声を発しない、大きな音が我慢できない、全然寝ない……普通の子ができることがアイリスにはできなかった。

アイリスが描いた絵『タツノオトシゴかくれんぼ』

アイリスが描いた絵『タツノオトシゴかくれんぼ』

アイリスの母、アラベラ・カーター・ジョンソンさんは、自分の娘が他の子どもたちと違っていることに気づいてはいたものの、「自閉症」という診断を下されても、何をどうすればいいのか戸惑い、悩んだ。適切な支援やガイドもないまま、娘を理解しようと奮闘する日々。娘のためにと思ってやったことが何一つ計画通りにいかないもどかしさの中で、落ち込み、涙に暮れ、ふたたび立ち上がる毎日だった。

Tumpty Tum

『Tumpty Tum』

アラベラさんは諦めなかった。試行錯誤の中、言語療法の一環として絵を描かせてみたところ、アイリスが非凡な才能を発揮したのだ。そして、アイリスと家族にとって奇跡の子猫、トゥーラとの出会いが訪れる。「アイリスとトゥーラは、まるでずっと昔からの友だちのように、ふたりの息はぴったり合っていた」。固く閉ざされていた母と娘の生活に、一筋の光を差し込んだ「絵」と「子猫」。アラベラさんは、家族の軌跡とアイリスの成長の記録を本に綴った。プロのフォトグラファーでもある彼女が撮影したアイリスとトゥーラの愛らしい写真の数々もその中に収められている。

お風呂が大嫌いだったのにトゥーラと一緒なら平気になった

お風呂が大嫌いだったのにトゥーラと一緒なら平気になった

世界中が“小さなモネ”と絶賛する自閉症の少女と賢い子猫トゥーラ、そして少女を育てる母の姿が、困難に立ち向かう勇気と希望をくれる子育て日記。現在、世界8ヶ国で翻訳出版されており、待望の日本語版も発売された。

母アラベラさんは、アイリスの一番の理解者

母アラベラさんは、アイリスの一番の理解者

HP:Iris Grace Painting https://irisgracepainting.com

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『小さなモネ ― アイリス・グレース ― 自閉症の少女と子猫の奇跡』

小さなモネ ― アイリス・グレース ― 自閉症の少女と子猫の奇跡

『小さなモネ ― アイリス・グレース ― 自閉症の少女と子猫の奇跡』


アラベラ・カーター・ジョンソン・著/吉井智津・訳
四六判
本体1,850円+税
辰巳出版・刊
好評発売中
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photographs copyright © Arabella Carter -Johnson

(文・小泉宏美)

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