猫びより
不幸のどん底から救ってくれたのは片目のラナ【from Germany】

不幸のどん底から救ってくれたのは片目のラナ【from Germany】

【Cat News Network】(猫びより 2017年11月号 Vol.96より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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イタリア・ローマの猫たちの保護施設でボランティア活動中に出会い、私と猫バカ同士すっかり意気投合したドイツ人の友達クリスティナ。
彼女は2014年11月、ローマからドイツのエッセンまで連れて帰った片目のフィッシュボーン(9~10歳)を原因不明の病気で突然亡くすという不幸に見舞われる。ちょうどクリスティナがローマを再訪し、ボランティアをしていた最中に、かかりつけの動物病院に預けていたフィッシュボーンの容態が急変し、あっけなく逝ってしまったことを異国の地で知らされたという。

大好きなブルースに寄り添うフィッシュボーン(左)

大好きなブルースに寄り添うフィッシュボーン(左)

すっかり失意の底にいたクリスティナは、まるで何かに導かれるようにローマの保護施設で片目の真っ白な猫ラナと遭遇。
「フィッシュボーンと同じ片目のラナを見た瞬間に一目惚れしたの。ラナは保護されてまだ日が浅かったし、もともと片目がつぶれていて手術をしたばっかりでね。ケージを開けた瞬間に私の手を噛んだんだけれど、そんなの気にしない。とにかくラナを“ドイツに連れて帰る!”と出会った瞬間に決めたんだから、今から思うと狂気の沙汰よね」と笑う。

ラナは日本から持参したネズミのおもちゃがお気に入り

ラナは日本から持参したネズミのおもちゃがお気に入り

だが、2ヶ月後、同じくローマからやって来たブルース(9~10歳)を内臓疾患で相次いで失くすという不運が彼女を襲う。
「あの頃は、一体私が何をしたっていうの……と毎日自分の運命を呪ったものよ」と淡々と告げるが、さらなる悲劇が彼女を待ち受けていたのだ。さらに1ヶ月後、なんと長年苦楽を共にしてきた一番年長のサミーが20年の生涯を閉じたのだ。

じつはキスも抱擁もあまり得意ではないラナ!?

じつはキスも抱擁もあまり得意ではないラナ!?

「サミーはもともと高齢で肝臓に腫瘍があって、先のことは誰にもわからないって言われていたんだけれど、まだ若いフィッシュボーンとブルースが先に逝ってしまった矢先だもの。まさに人生どん底って感じ。あまりにも悲し過ぎて涙が枯れ果てるまで泣いて……。でも、ラナのおかげで、今はようやくみんな仲良く猫の天国で、私のことを見守ってくれているんだと思えるようになったの」と語る。

クリスティナはラナのおかげで毎日笑顔に!

クリスティナはラナのおかげで毎日笑顔に!

ラナは最初の数日間はソファの下に隠れていたというが、1週間もすると顔を見せてくれるようになったという。
「来た当初はよく椅子から転げ落ちていたから、脳に腫瘍でもあるんじゃないかととても心配したの。フィッシュボーンも片目だったけれど、運動神経は抜群だったし、一度も椅子から落ちたことなんてなかったから。動物病院で色々と検査もしてもらったの。獣医師ははっきりと口に出しては言わなかったけれど、じつはラナはちょっとだけ他の猫より“おばかさん”らしいのよね。それを聞いた時は力が抜けて大笑いしたわ」とニッコリ。

結局ラナ1匹だとかわいそうなので、猫の保護活動をしている同僚から、体重9キロの茶トラのスカリー(4歳♀)を引き取ることに。

とにかく食べることが生き甲斐のスカリー

とにかく食べることが生き甲斐のスカリー

こちらは3週間も隠れ続けた筋金入りの臆病猫だ。今では2匹はお互いに距離を保って共同生活を送っているという。
ラナはあくまでマイペースで、窓から外を眺めては鳥を見つけニャウニャウとおしゃべりし、真夜中にボール遊びを始めてクリスティナの安眠を妨害。最近ようやくダイエットに成功し、体重を7キロにまで落としたスカリーは食いしん坊で、ごはんの時は可愛い声で甘えてすり寄って来る。
猫なしでは生きられない体質のクリスティナと、新しい相棒ラナとスカリーの穏やかで、幸福な日々が長く続くことを祈るばかりだ。

(写真・文 平野敦子)

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