猫びより
接客上手な支配猫(にゃん)&見習い女将の待つ旅館【from Japan】

接客上手な支配猫(にゃん)&見習い女将の待つ旅館【from Japan】

【Cat News Network】(猫びより 2019年3月号 Vol.104より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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温泉の湧出量日本一を誇る大分県別府市の中でも古くからの湯治場として知られ、源泉が集中する鉄輪(かんなわ)温泉にあるお宿「かんなわ ゆの香」。
こちらはとても愛くるしい2匹の看板猫かぼす君(4歳♂)と、ゆずちゃん(1歳♀)に会える宿としてただ今人気急上昇中。楽天トラベルの2018年版“全国の宿 自慢の看板猫ランキング”でも、ゆずちゃんが堂々3位に輝いたことからも、看板猫たちの注目度の高さと人気ぶりがうかがえる。

「かぼにゃんは支配猫なので社長や私よりも偉いんですよ。ゆずにゃんは現在見習い女将として修行中なので、その内女将の座を奪われてしまうかもしれませんね」と現役女将の葛城さや香さんは笑う。

見習い女将ゆずちゃん

見習い女将ゆずちゃん

これまで何匹もの犬と暮らし、もともとは完璧な犬派だったというさや香さんだが、今ではすっかり猫派に転向。
「最初は猫はよくわからない生き物だと思っていて、全然興味がなかったんです。でも、4年前にいきなり宿に入って来て、私の目の前でコロンと転がった子猫のかぼにゃんと出会って以来、すっかり猫の魅力にハマってしまいました。かぼにゃんは本当に賢くて、トイレも一度も失敗したことがないし、決して人を引っ掻いたりもしないんです。実家で飼った4匹の犬のうち教えずにちゃんとトイレができたのは1匹なんですよ。それだけでも猫ってすごいと感動しました」と言う。

1匹でふらりと現れたかぼす君は、「ここならきっと大丈夫」と自分の住む場所の狙いを定めたようで、さや香さんに「入っちゃダメ!」と言われても決してあきらめず、平気な顔でまたやって来て、放っておけなくなったさや香さんが保護。今では支配猫の座にまで登りつめたというからあっぱれだ。

ちょっぴりシャイなかぼす君&女将さや香さん

ちょっぴりシャイなかぼす君&女将さや香さん

一方ゆずちゃんは、2017年4月にどこからかニャーニャーと子猫の鳴き声がし、みんなで探すものの見つからず結局ドリルで宿の壁を開け、その隙間からまだほんの300gだった子猫を救出したとのこと。

「多分母猫が咥えて運んでいる時に、どこか屋根の穴からスポッと落ちて挟まってしまったんでしょうね。最初は里親を見つけようと思ったんですよ。でも、一晩一緒に過ごしてしまったら情が移ってしまってもうダメですね。結局ゆずにゃんもうちで飼うことになりました」とさや香さんは打ち明ける。

もてなし上手なさや香さんとゆずちゃん

もてなし上手なさや香さんとゆずちゃん

猫が苦手な方のことも考慮し、基本的には2匹は非常勤だが、夕食と朝食後には必ずフロントに出すようにしているそうだ。

一度さや香さんは、少々強面のお客様に「猫はどこにおるんか?」と聞かれクレームかと思いドキドキしたものの、実は大変猫好きなお客様だったと判明。
かぼす君を見ていきなり相好を崩して抱っこし、「可愛いのー。こいつと一緒に食事したいのう」とリクエストされたそう。猫は客室に入れないことにしているので丁重にお断りしたそうだが、さすがは支配猫だけあり、かぼす君は落ち着いた様子で抱っこされていたという。

ほっこりするお宿・ゆの香

ほっこりするお宿・ゆの香

ゆの香では、ゆっくりと温泉に浸かり、2匹の看板猫と戯れ、まったりとした時間を過ごす、至福の時が待っている。

かんなわ ゆの香

大分県別府市鉄輪御幸4組
TEL 0977-67-2682
http://www.kannawa-yunoka.com

(写真・文 平野敦子)

Atsuko Hirano
猫&映画専門フリーライター。著書に『新版 人に育てられたシロクマ・ピース』『ふたつの名前で愛された犬』(学研パブリッシング)。現在猫2匹と同居中。国内外を飛び回り、猫や猫好きの人々と交流する旅を続けている。去年の旅行回数17回。

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