猫びより
本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ!】

本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ!】

第1回 紀伊國屋書店 新宿本店 店長代理 丸山裕子さん(猫びより 2019年5月号 Vol.105より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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悲しみから感謝へ

『わたしのげぼく』

『わたしのげぼく』
作:上野そら 絵:くまくら珠美
発行:アルファポリス 発売:星雲社
定価:本体1,200円+税

この本を読んだ時、涙が止まりませんでした。

飼い主は4歳の男の子。他の兄弟猫から自分を選んでもらったにも関わらず、飼い主を「げぼく」扱いし、常に上から目線な猫の「わたし」。時を重ねると「げぼく」への想いも、まるで自分の子どもか、弟のように守るべき存在へ変わっていきます。そんな「わたし」ももう18歳。「わたし」にとって一番心残りなのは自分がいなくなった後の「げぼく」の存在。

「げぼく」が立ち直れるよう、最期に伝えた「げぼく」への気持ちを込めた優しいメッセージが心に沁みます。

長い年月一緒に暮らしてきた家族だからこその、思い出や信頼、愛情、想いが絵や文から伝わり、涙が止まりませんでした。飼い猫を亡くした経験があり、後悔の念が大きい人、幼少時代から猫が家にいた人には、是非読んでほしいです。共感し、悲しみ、それが感謝へ変わり、悲しみや辛さから一歩前へ踏み出せるきっかけになります。

「げぼく」の顔が一切描かれていないことや、一人称で語られていることも共感できる大きな要素となっています。

猫の魅力にとりつかれ

私の幼少期は「名犬ラッシー」「ベンジー」「フランダースの犬」等の映画やテレビ番組に影響を受け、無性に犬が飼いたかったのですが、マンション住まいで飼えず、妄想で飼っていました(笑)。

ネコンシェルジュ

2月27日まで開催された『NO CATS NO LIFE ~猫好き書店員(ネコンシェルジュ)がおすすめする猫づくしのフェア~』。
フェアは終了しましたが、新宿本店のWEBサイトでは丸山さんオススメの猫本を紹介しています。
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その後もずっと飼えない環境が続きましたが、あまりにも可愛い野良猫が近所にいて、衝動的に家に入れ、その日から夜は腕枕で一緒に寝るのが習慣になりました。甘えん坊で聞き分けが良く、犬みたいな猫でした。

フェアでは、1冊ずつ書店員さんたちの猫愛あふれるコメントが添えられていました

フェアでは、1冊ずつ書店員さんたちの猫愛あふれるコメントが添えられていました

それ以来、猫の魅力に取りつかれ、今は2代目の猫と暮らして9年になります。アメリカンショートヘアーなので、初代の日本猫と性質が大きく異なり、怒られても悪びれず、自立心が強く、好奇心旺盛でビニールをかじったりイタズラすることも。

丸山さんの愛猫・そら

丸山さんの愛猫・そら(9歳♀)。
「朝、姿が見えず布団をめくったら……。視線を外してバツの悪い顔をしていました(笑)」

遊ぶのが大好きで、振り回される日々をずっと過ごしていましたが、年齢を重ねた今は急に甘えん坊になり、初代の猫を彷彿とさせることも多くなりました。

失った時に後悔しないよう、常に猫の存在を気にかけ、遊んだり、撫でたり、話しかけたりしながら、猫びよりな毎日を送っています。

紀伊國屋書店 新宿本店

紀伊國屋書店 新宿本店


東京都新宿区新宿3-17-7
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