猫びより
【猫びより】芳澤ルミ子の三浦半島ねこ散歩【from Japan】(辰巳出版)

【猫びより】芳澤ルミ子の三浦半島ねこ散歩【from Japan】(辰巳出版)

【Cat News Network】(猫びより 2020年1月号 Vol.109より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
  • 更新日:

町のお花屋さん「花徳」

三浦半島・三崎港といえばマグロ。昭和の趣(おもむき)を残す「三崎下町商店街」には、多くのマグロ料理屋が立ち並びます。店先や路地裏にはマグロ育ち(?)の気ままな猫たち。この街は、程よい距離感で人と猫が共存しているようです。

チャトはたっぷりゴハンを食べた後、ここで水を飲む

チャトはたっぷりゴハンを食べた後、ここで水を飲む

チャトラの猫に誘われて行くと「三崎堂書店」に辿り着きました。道行く猫を眺めながらご主人と猫談義をしていると、すぐそこに猫に人気の花屋さんがあるよ、との情報。早速お邪魔することに!

細野美智子さん(左)と、姪の国分いづみさん(51歳)に抱かれるウインクのチャト

細野美智子さん(左)と、姪の国分いづみさん(51歳)に抱かれるウインクのチャト

店先に大きい猫が転がっていたのですぐにわかりました。生花店「花徳」。体が大きくて懐っこいチャト(♂)は愛嬌があるトップの看板猫。お向かいの和菓子屋さんにパトロールに行くも、ご主人に「間に合ってますよ!」と帰されているのを目撃しました(笑)。

和菓子屋さんにパトロールに行くも、残念な結果に(笑)

和菓子屋さんにパトロールに行くも、残念な結果に(笑)

ガラスケースの上にいるのは、クールなコチャト(♂)と花が好きなみかん(♂)。男の子同士、独特の距離感で看板猫業務を遂行しています。

店主は猫が大好きな細野美智子さん(82歳)。居心地のいい花屋さんの評判は人だけでなく猫にも広がり、三浦半島の総鎮守である「海南神社」からも猫たちが遊びにやってきます。

花屋さんの仕事は忙しそうなのに、何故か時間がゆっくり流れている……。昔ながらの優しい風景に、ほっこりした気分になりました。

クールなコチャトの上から視線に耐えられるか!?

クールなコチャトの上から視線に耐えられるか!?

向日葵の似合う、みかん。仕事の邪魔はしません

向日葵の似合う、みかん。仕事の邪魔はしません

花徳

神奈川県三浦市三崎3-2-28
TEL 046-881-2731

「中央水族館」

「赤い稲妻」こと京急・快特に乗って横須賀中央駅で下車。横須賀は米軍基地があり、異国情緒とレトロな繁華街が広がる三浦地域の中心街です。

駅からの急な坂道にある「中央水族館」が今日の目的地。創業50年、海水魚・熱帯魚・金魚の販売店です。あの「さかなクン」は学生の頃からここに通い、今ではこちらの魚を水族館へ送ることもあるそうです。

さかなクンが館山から連れてきたイシガキフグのヤマト君

さかなクンが館山から連れてきたイシガキフグのヤマト君は、人なつこく、ゴハンをねだって近寄ってくる姿がとても可愛い

そんなお魚マニアの聖地に看板猫が! 鼻先の、横になったタツノオトシゴ模様がチャームポイントの看板猫「ブータン」。ブータン国王が初来日した年にお店に来たのが名前の由来。オーナーの西岡昭三さん(77歳)の先住猫亡き後、友人から譲り受けた元野良猫です。

タツノオトシゴがチャームポイントのブータン

タツノオトシゴがチャームポイントのブータン

ブータンがゆっくり店内を案内してくれました。大きな体でおっとり系ですが、魚を狙ったりしないのかな? そこは心配ご無用。魚は見るだけで手は出さず、聞けば、毎日のゴハンも魚系は嫌いとのこと。魚は友達なのです!

泳ぐ魚を見つめるブータン

泳ぐ魚を見つめるブータン。
「お魚カワイイな」

そしてもう一匹、やんちゃなキジトラのきんがいます。子猫の時にお店に走ってやってきて、長いこと金魚売り場に隠れ住んでいたからきん。裏山で鳥を捕まえたりとワイルドですが、やはり魚には手を出さないというから偉い!

お魚マニアも目を奪われる可愛い看板猫たちがいる、和みの水族館でした。

西岡さんときん。人柄に惹かれて多くの常連さんが集まる

西岡さんときん。人柄に惹かれて多くの常連さんが集まる

おやつをあげたくなっちゃうお客さんが多いみたいです

おやつをあげたくなっちゃうお客さんが多いみたいです

中央水族館

中央水族館


神奈川県横須賀市若松町3-20-18
TEL 046-822-2626
営業時間/10:00~19:30
定休日/毎月第2または第3水曜(急な変更あり)、年始
http://chuosuizokukan.com

(写真・文 芳澤ルミ子)

内容について報告する