町のお花屋さん「花徳」
三浦半島・三崎港といえばマグロ。昭和の趣(おもむき)を残す「三崎下町商店街」には、多くのマグロ料理屋が立ち並びます。店先や路地裏にはマグロ育ち(?)の気ままな猫たち。この街は、程よい距離感で人と猫が共存しているようです。
チャトはたっぷりゴハンを食べた後、ここで水を飲む
チャトラの猫に誘われて行くと「三崎堂書店」に辿り着きました。道行く猫を眺めながらご主人と猫談義をしていると、すぐそこに猫に人気の花屋さんがあるよ、との情報。早速お邪魔することに!
細野美智子さん(左)と、姪の国分いづみさん(51歳)に抱かれるウインクのチャト
店先に大きい猫が転がっていたのですぐにわかりました。生花店「花徳」。体が大きくて懐っこいチャト(♂)は愛嬌があるトップの看板猫。お向かいの和菓子屋さんにパトロールに行くも、ご主人に「間に合ってますよ!」と帰されているのを目撃しました(笑)。
和菓子屋さんにパトロールに行くも、残念な結果に(笑)
ガラスケースの上にいるのは、クールなコチャト(♂)と花が好きなみかん(♂)。男の子同士、独特の距離感で看板猫業務を遂行しています。
店主は猫が大好きな細野美智子さん(82歳)。居心地のいい花屋さんの評判は人だけでなく猫にも広がり、三浦半島の総鎮守である「海南神社」からも猫たちが遊びにやってきます。
花屋さんの仕事は忙しそうなのに、何故か時間がゆっくり流れている……。昔ながらの優しい風景に、ほっこりした気分になりました。
クールなコチャトの上から視線に耐えられるか!?
向日葵の似合う、みかん。仕事の邪魔はしません
花徳
神奈川県三浦市三崎3-2-28
TEL 046-881-2731
「中央水族館」
「赤い稲妻」こと京急・快特に乗って横須賀中央駅で下車。横須賀は米軍基地があり、異国情緒とレトロな繁華街が広がる三浦地域の中心街です。
駅からの急な坂道にある「中央水族館」が今日の目的地。創業50年、海水魚・熱帯魚・金魚の販売店です。あの「さかなクン」は学生の頃からここに通い、今ではこちらの魚を水族館へ送ることもあるそうです。
さかなクンが館山から連れてきたイシガキフグのヤマト君は、人なつこく、ゴハンをねだって近寄ってくる姿がとても可愛い
そんなお魚マニアの聖地に看板猫が! 鼻先の、横になったタツノオトシゴ模様がチャームポイントの看板猫「ブータン」。ブータン国王が初来日した年にお店に来たのが名前の由来。オーナーの西岡昭三さん(77歳)の先住猫亡き後、友人から譲り受けた元野良猫です。
タツノオトシゴがチャームポイントのブータン
ブータンがゆっくり店内を案内してくれました。大きな体でおっとり系ですが、魚を狙ったりしないのかな? そこは心配ご無用。魚は見るだけで手は出さず、聞けば、毎日のゴハンも魚系は嫌いとのこと。魚は友達なのです!
泳ぐ魚を見つめるブータン。
「お魚カワイイな」
そしてもう一匹、やんちゃなキジトラのきんがいます。子猫の時にお店に走ってやってきて、長いこと金魚売り場に隠れ住んでいたからきん。裏山で鳥を捕まえたりとワイルドですが、やはり魚には手を出さないというから偉い!
お魚マニアも目を奪われる可愛い看板猫たちがいる、和みの水族館でした。
西岡さんときん。人柄に惹かれて多くの常連さんが集まる
おやつをあげたくなっちゃうお客さんが多いみたいです
中央水族館
神奈川県横須賀市若松町3-20-18
TEL 046-822-2626
営業時間/10:00~19:30
定休日/毎月第2または第3水曜(急な変更あり)、年始
http://chuosuizokukan.com
(写真・文 芳澤ルミ子)