(猫びより 2017年11月号 Vol.96より)
猫4匹に囲まれながら一軒家で暮らすフォトスタイリスト・ヤノミサエさん。猫との暮らしでどうしてもかなえたいことが一つあったそうです。それは、「猫がよろこぶ家にしたいけれど、私の好きなインテリアもあきらめたくない!」ということ。
猫がいるとどうしても、猫ベッド、猫かご、猫クッションなどが増え、猫のごはん台やトイレで床が占領され、気がつくとおしゃれとはほど遠い猫仕様の部屋になりがちなもの。
もともとシンプルな部屋が好きだというヤノさん。猫とすっきり暮らす生活スタイルを、試行錯誤しながらつくり上げてきました。ここでは、そんなヤノさんが気づいたコツやアイデアを紹介します。
『猫がよろこぶインテリア』
ヤノミサエ・著 辰巳出版 1200円+税
猫がいるから部屋がキレイになるのは本当だった!? いたずら、ごはん、掃除、手づくり猫アイテム……猫4匹と暮らすフォトスタイリスト・ヤノミサエの背伸びをしない暮らし術。ヤノさんが気になる素敵なお宅も取材。アイデアと写真をふんだんに掲載しています。
猫がよろこぶインテリア -Amazon
猫が自由にいられるリビング
わが家で一番、広くて日当たりがいいのがリビングです。猫が自由に過ごせるよう広い床をキープ。日の当たる時間になると猫たちは思い思いの場所でゴロンとしています。かごはインテリアにも合うものを厳選して増やさないように。棚は階段状に組み合わせてキャットステップに。壁につくった猫トンネルから階段に出られるようにしています。
すっきり見えるがいちばん大事
クローゼットの上は猫たちの避難場所。もともと私は服が少ないほうですが、猫たちが入れる空間を確保するようになったおかげで、服をめいっぱい詰め込まず、余裕のある収納を保てています。
落とされる場所に物を置かない
猫たちが物を落として割った……なんてこと、以前はよくありました。でもふと、「落とされる場所に置いた自分が悪い」と考えるようになってからは、危険を予想するように。怒るのは自分も疲れますもんね。
無印良品のアクリル台を猫ごはん台に
猫のごはん皿やお水は、床に直置きより、高さのある台に載せたほうが、猫にとっても食べやすいそう。ホコリや猫毛も入りにくくなるので、衛生的にもおすすめです。
無印良品のアクリル仕切棚は皿2枚が並べられ、透明なので床に置いても見た目すっきり。インテリアの邪魔にもなりません。お皿の下に、市販のすべり止めシートを敷いても。
人にも猫にも使えるグッズを選ぶ
物を増やしたくない私としては、できるだけ猫と人が共通で使えるものを選んでいます。「猫用」を特別に用意しなくても使えるものはたくさんあるんです。ウェットティッシュや消毒剤、除菌剤などは、なるべく薬剤が入っていないもの&無香料のものを使っています。
嘔吐用のお掃除セットをつくっておく
猫は嘔吐が多いのも特徴です。見つけたらすぐに掃除しないと、染みたり汚れが残ったりすることも。必要な道具をまとめておいたら、掃除が一瞬で終わるようになりました。「ジェームズマーティン」の除菌剤は、インテリアになじむのでお気に入り。掃除を好きになるコツは、グッズをお気に入りのテイストに揃えること。
ダンボールでつくるキャットハウス
猫が好きなダンボール箱をハウスにして階段状に並べれば、入って楽しい、上って楽しい、のぞいて楽しい、魅力満載のキャットハウスが手づくりできます。
作り方
1
フタ付きの収納用ダンボール箱を、つくりたいハウスの数だけ用意。
2
猫の体の幅より広い左右幅で、出入り口用の穴をペンで型取る。デザインはお好みで。
3
カッターで切り抜く。
4
側面にも遊び用、のぞき用の穴を円形カッターで開ける。
5
1部屋分ができあがり。
6
組み立てたいハウスの数だけ同様につくり、テープで接着する。
7
黒いカラーボード3枚を、黒いテープでつなげるように貼る。
8
三角形に組み立てて、頂点をテープで貼る。
9
三角形にしたボードをハウスの上に載せ、底をテープで接着する。
10
できあがり。側面の穴を大きく開ければ、猫が出入りできます。
箱の底のサイズに合わせて、カットできるタイプのカーペットを中に入れたら、中で猫が気持ちよさそうに寝るようになりました。
材料
●フタ付きの収納用ダンボール箱(ハウスの数)
●ビニールテープ(黒)
●カラーボード(黒。ダンボールのフタとサイズを合わせるとよい)
●カッター
●円形カッター(ホームセンターなどで購入可能)
●定規
●ペン
写真・林ひろし