この記事では獣医師監修のもと、犬と猫の高カルシウム血症の原因や症状、検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。
犬猫の高カルシウム血症とは?その原因は?
高カルシウム血症とは、その名の通り、血液中のカルシウム濃度が高い状態をいいます。症状は多飲多尿、元気・食欲の低下などさまざまです。
犬でよく見られる原因
猫でよく見られる原因
高カルシウム血症の症状は?
軽度の場合には無症状のことがほとんどで、血液検査で偶然見つかることが多いです。重度になると、多飲多尿、元気・食欲の低下、嘔吐、下痢、震え、筋力の低下、不整脈など、さまざまな症状が見られます。
血尿などの尿石症に関連する症状が出る場合もあります。
さらに、高カルシウム血症の原因となっている疾患の症状が出ることもあります。
高カルシウム血症で多く見られる症状
多飲多尿 | 元気消失 | 食欲低下 |
嘔吐 | 下痢 | 震え |
筋力の低下 | 不整脈 | 血尿 |
気になる症状がある場合はご相談ください
症状がはっきりせず、特徴的でないものも多いため、当てはまる症状が複数ある場合には動物病院に行くことをおすすめします。特に重症の場合には、元気がなくなりぐったりしてしまうので、できるだけ早く診察を受けましょう。
JR山手線「原宿駅」徒歩4分 /
地下鉄東西線「神楽坂駅」徒歩1分
東急田園都市線「三軒茶屋駅」
高カルシウム血症の検査・診断方法は?(動物医療センターPecoの場合)
当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。
血液検査
血液中のカルシウム濃度が高ければ、高カルシウム血症と診断します。
関連するリン、アルブミンなどの数値もあわせて確認します。
血液検査で高カルシウム血症が見られた場合、原因となる疾患を見つけることがもっとも重要であるため、さらなる検査を行って原因疾患を特定します。
ただし、数値が非常に高い場合や、すでに重い症状が出ている場合には、カルシウムを下げる治療を優先します。
問診・身体検査
問診では、これまでの病歴や投薬歴、食事内容など、原因疾患の鑑別の手がかりとなる情報をお聞きします。また、高カルシウム血症による症状が出ていないかも確認します。
身体検査では、体表や体内にしこりやリンパ節・臓器の腫れがないかなどを確認します。
ホルモン検査
原因疾患の鑑別のために行います。血液中のカルシウム濃度を調節している「上皮小体ホルモン(PTH)」や、悪性腫瘍から分泌されて高カルシウム血症を引き起こす蛋白「上皮小体ホルモン関連ペプチド(PTHrP)」を測定します。
画像検査
超音波検査やX線検査で、しこりやリンパ節・臓器の腫れがないかを詳細に確認します。
細胞診
しこりやリンパ節・臓器の腫れが見られた場合には、細い針で細胞を採取して、顕微鏡で評価します。
高カルシウム血症の治療方法
高カルシウム血症の治療は、基本的に原因となる疾患を治療することです。
ただし、カルシウムの数値が非常に高い場合や、すでに重い症状が出ている場合には、輸液や利尿剤、ステロイドなどで、カルシウムを下げる治療を行います。
当院が高カルシウム血症の診療で心がけていること
初診時の一般的な検査費用
当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的な高カルシウム血症の検査料金をご紹介します。
検査内容 | 料金の目安 |
---|---|
カルテ新規開設料 | 1,100円 |
初診料 | 4,950円 |
血液検査 | 7,660円〜 |
超音波検査 | 4,500円〜 |
X線検査 | 6,000円〜 |
※2022年8月現在の価格です