犬猫の誤飲・誤食:食べると危険なもの、症状や検査について解説 | 動物医療センターPeco

この記事では獣医師監修のもと、犬猫の誤飲(誤食)について解説します。動物病院へ連れて行った方がいい状況、症状や検査の内容を紹介しています。

記事の監修者
長濱麻子の画像
長濱麻子
動物医療センターPeco 獣医師

犬猫の誤飲(誤食)とは?

おもちゃや人の食べものなど、犬猫にとって有益でないものを飲み込んでしまったり食べてしまったりすることを誤飲(誤食)といいます。

犬猫の誤飲は身近なトラブルですが、ときに命に関わることもあります。

ペットが誤飲したかも?と思ったらまず確認

危険なものを食べていないか

代表例を以下に挙げます(下線はとくに危険と言われているもの)。

犬猫が食べると危険なもの

  • タマネギなどのネギ類(スープでも)
  • ブドウ(シャインマスカットやレーズンも)
  • チョコレートやコーヒー
  • アボカド
  • キシリトールガム
  • アルコール飲料
  • 油脂類
  • マカデミアナッツ など

物理的に消化管に詰まる可能性のあるもの

  • とうもろこし(芯ごと)
  • りんごや梨(大きめにカットされたもの)
  • 桃やあんず(種ごと)
  • 牛や豚の骨
  • 歯磨きガム
  • ジャーキー
  • アルミやサランラップなどの包装ごと(およびその中身)
  • おもちゃ(ネズミ形のおもちゃ、小さいボールなど)
  • プラスチック
  • ジョイントマット
  • 靴下
  • マスク など

※喉や食道に詰まった場合にはより緊急的な対応が必要です

毒性のあるもの

  • 花や観葉植物(とくに ユリ科
  • たばこ
  • 不凍液や保冷剤(エチレングリコール
  • 人間用の薬(ビタミン剤やダイエットサプリも種類によっては危険)
  • 殺虫剤
  • 殺鼠剤
  • 精油(エッセンシャルオイル)
  • 洗剤や柔軟剤
  • 肥料 など

消化管を傷つけたり穿孔を起こす可能性のあるもの

  • 針や竹串
  • 鳥の骨
  • 長い糸や毛糸(ひも状のもの)
  • ビニール
  • タオル
  • ボタン電池
  • 魚介類の骨
  • 砂や石 など

何時に、どんな量を飲み込んだか

何時頃、どんなものをどんな量飲み込んだのか?

かけらや切れ端、写真など参考になるものがあれば取っておいてください。

多分、食べてしまったと思うんだけど…

本当に誤飲したのか?実はどこかに落ちていたり、ベッドやラグなどの下に隠れていたりしないか?もう一度入念に確認してください。

近くの動物病院に連絡し、状況を伝える

誤飲したものが何でも基本的にはできるだけ早めの処置が必要です。そのためあまり遠方の病院はおすすめできません。

毒性のあるものの場合にはもちろん、吐かせると食道や肺を傷つける場合や既に中毒症状が見られる場合、また胃から腸にすでに流れている場合には催吐処置や内視鏡での摘出が難しくなる場合があります。

ただし病院によっては内視鏡を扱っていなかったり、手術中などでどうしても対応が難しい場合もあるので、必ず受け入れが可能かどうか確認してから向かいましょう。

犬猫の誤飲、危険な症状は?

  • 毒性のあるものを誤飲してしまった
  • 誤飲してから呼吸の仕方がおかしい
  • えづきや嘔吐が続く
  • 元気がなくぐったりしている

上記のような場合には、一刻も早い受診が勧められます。

万が一、口やお尻からヒモなどの一部が出ているのを見つけた場合には無理にひっぱると消化管を傷つけてしまう可能性があるので、触らずに動物病院に相談してください。

判断に迷ったときは動物病院へ

食べてしまったものの種類によっては命に関わることもあります。このくらいなら大丈夫だろうと様子をみるのではなく、少しでも迷った時には動物病院に相談をしましょう。

※食塩で無理に吐かせようとしたり、牛乳などを飲ませる行為はおすすめできません。

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犬猫が誤飲した際に必要な検査や処置方法は?(動物医療センターPecoの場合)

検査室の風景

当院で実際に行う可能性のある検査や処置方法についてご説明します。

食べてしまったものの種類や大きさ、誤飲してから経過した時間、動物の体格など様々な要因によって異なります。

一般的な検査は、問診を含めて1時間近くかかりますが、原因や病状によってさらに時間がかかることや、診断のために何度か通院していただく必要がある場合もあります。時間に余裕をもってご来院ください。

血液検査

すでに毒性が現れていないかの確認や麻酔前検査として実施します。

画像検査(レントゲン、エコー)

胃の内容物、誤飲したものの位置や形の確認、麻酔前検査として実施します。

催吐処置

薬剤を使って胃の中のものを吐き出させます。

尖ったものや刺激性のある物質など、食道や肺を傷つける場合には実施できません。

解毒薬の投与

ほとんどありませんが、誤飲してしまった物の種類によっては有効です。

吸着剤や胃粘膜保護剤の投与

誤飲してしまった物質の吸収を抑えたり、傷ついた胃や食道粘膜の修復を早めるために投与します。

点滴

おもに薬物の代謝を早めたり、脱水を予防して腎臓を保護したりする目的です。

内視鏡下での摘出(麻酔下)

催吐処置で吐き出せなかった場合や、催吐処置が行えない物質の場合に実施されます。

胃洗浄(麻酔下)

催吐処置で十分な量を吐き出せなかったり、殺鼠剤などの危険な毒物を摂取した場合に実施します。

開腹手術(麻酔下)

催吐処置や内視鏡での摘出が難しい場合に選択されます。

※症例によっては他院をご紹介させていただく可能性があります

犬猫の誤飲を防止するには?

誤飲してしまいそうなものは与えない、生活環境に置かない

一番大切なのは、誤飲して困るものを与えないこと、犬猫の生活環境中に置かないことです。いつもは気をつけていたのに…ということが多いものですが、誤飲するリスクをなくす対策を日頃からご家族全員で意識して実施していただくことはとても重要です。

うちの子はしないと思っていても絶対ということはありません。ちぎれる素材や丸飲みできる大きさのものは与えないでください。おもちゃやおやつなどの選び方に迷ったときにはご相談ください。

トレーニング

とくに犬の場合、ダメ!と取り上げようとしたら飲み込んでしまった、というお話をよく耳にします。犬にとってはせっかく手に入れた大事なものですから無理もありません。

そうならないために、普段からおもちゃやおやつなどを使って、物を離してもらうトレーニングをしておくことは重要です。またお散歩中の拾い食いのコントロール、ケージやサークルで過ごす練習も大切です。

ウールサッキング対策

とくに猫の場合、好んで布やビニールを舐めたりかじったりしてしまう子がいます。そうしているうちに一部が破れたり糸がほつれたりして誤飲してしまいます。

危なそうなものはしまう、毛布やタオル、絨毯などはほつれにくい素材のものにするなどの対策が必要です。

とくにイベントや来客時には要注意

お正月やクリスマスシーズンは人の出入りも多くなり、ご馳走が並びますので、誤飲で来院されるケースが多くなりがちです。

お子さんなどがいてどうしても管理が難しい場合には、一時的に別のお部屋やサークルなどにいてもらうなどの対応も必要です。

一度誤飲した子はその後も繰り返す傾向にあるため、とくに注意が必要です。

困った場合は動物病院に相談してください。

動物病院に行く前にお願いしたいこと

本当に食べたのか今一度確認

催吐処置や内視鏡による処置もリスクはゼロではありません。

動物に無用な負担をかけないために、今一度落ち着いてしっかり確認してください。

参考になるものがあれば持参する

口頭のみよりも実物や写真があると参考になります。

事前に動物病院へ連絡

時間のロスを防ぐためにも受け入れ可能かどうか必ず動物病院に確認しましょう。

誤飲の診療で当院が心がけていること

1.症例ごとに適切な処置を考える

まずは本当に誤飲したのか、入念にお話しをお伺いします。

誤飲したものの種類や量、経過した時間など様々な要因を加味して、適切な対処方法をご提案します。

2.できる限り安全な処置に努める

いずれの処置に関しても残念ながらリスクはゼロではありません。

必要な検査を実施し、安全な処置が行えるように努めます。

当院の獣医師スタッフからのメッセージ

誤飲は身近なトラブルですが、ときに命に関わる場合もあります。

防止するための対策が何より大切ですが、もし起こってしまった時に正しく対処できるように備えておくことも必要です。どうしたらいいのか判断に迷ったときは動物病院に相談してください。

初診時の一般的な検査費用

誤飲時の動物医療センターPecoでの一般的な検査、処置料金は以下の通りです。状況によって検査内容や料金が異なります。

項目料金の目安
カルテ新規開設料1,100円
初診料4,950円
血液検査7,660円〜
X線検査6,000円〜
※治療費は別になります。
※2022年8月現在の価格です
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