【獣医師監修】犬の震えが止まらない原因と考えられる病気

ふと犬に目をやると、ぶるぶるカラダを震わせている…。犬が震える原因は様々です。中には様子を見る時間を設けず、すぐに対処した方がいいケースもあるので、迅速に対応するための知識を身につけましょう。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬が震える原因

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犬の震えは、どのような時に起こるのでしょうか。

寒さが原因の震え

犬は全身が被毛に覆われているので、常に温かいようなイメージがあるかもしれませんが、寒さに弱い犬種も意外と多く、カラダを震わせることで体温を保とうとします。犬が震えている時は、室温などを確認してください。とくに小型犬や高齢犬は、体温調整機能が弱いので気を遣ってあげましょう。

恐怖が原因の震え

地震や雷などの自然の音、掃除機やドライヤーの音など、犬には苦手とする音があります。それらを聞いて「怖い」と感じた時に、犬は震えます。また、一度経験した怖い経験(病院で注射をされた、ほかの犬に強く吠えられたなど)が起こりそうな時にも、恐怖で震えます。

声をかけたり、遊びに誘ったりすることで震えが止まるようであれば、さほど気にしなくても大丈夫でしょう。

ケガが原因の震え

ケガや病気による痛みに耐えるために震えることもあります。いつもは活発な犬があまり動かない時は、触って痛がる箇所はないかなどをチェックしましょう。

筋力の低下

高齢化により筋力が低下し、震えが起こることもあります。

神経症状による震えについて

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すべての震えが病気につながっているわけではありませんが、神経症状として震えが起こることもあります。神経症状としての震えには、以下のようなものがあります。

てんかん発作

脳波の乱れによる発作ですが、なぜ脳波が乱れてしまうのかは不明です。てんかん発作の症状は様々で、痙攣を起こすほか、発作の予兆として震えたり、あくびをしたりという小さな症状がみられることもあります。

低血糖症

血糖値が急激に下がることで震えが起こります。生後間もない仔犬が食事を取れなかったり、インスリン過多になったりすることで起こります。

脳腫瘍

脳に腫瘍ができることで神経症状が起きますが、その症状の一つとして震えが起こることもあります。
また、震えを伴う神経症状は、腎疾患や肝疾患により本来代謝されるべき毒素などが血中に溜まってしまったり、毒物を摂取したりすることで起こる場合もあります。

犬が震える時の対策

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このような突然の震えや痙攣は、なかなか予防できるものではありません。
震えが継続していたり、いつも同じタイミングで起こったりする場合は、動物病院の受診を検討した方がよいでしょう。たとえば、食後に必ず震えなどの神経症状がみられるケースでは、「門脈シャント」という病気が原因になっていることもあります。

もちろん、震え以外にも食欲の低下、元気消失などの症状がみられる場合は、速やかに動物病院に連れて行きましょう。

犬の震えには、様々な病気が隠れている可能性があります。小さな異変にもすぐに気づいてあげられるよう、日頃から愛犬とのコミュニケーションを大切にしてください。

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