【獣医師監修】犬には、唐辛子などの刺激物を与えてはいけません!
人間は、暑い時や疲れた時に辛い食べ物を欲することがありますが、犬も同じように辛い食べ物を食べたいと感じることはあるのでしょうか。今回は、犬と辛い食べ物の代表格である唐辛子について解説していきます。
- 更新日:
監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
犬に唐辛子などの刺激物を与えてはいけない理由
犬に辛い食べ物を与えても大丈夫なのか…答えは、欲しがっても与えてはいけません。最近では、人間用のお菓子などでも唐辛子が含まれる商品が増えていますが、万が一、そのような辛い食べ物を犬が食べると、体調不良を起こしてしまいます。
たとえば、腹痛を起こしたり、それが悪化して胃腸炎になってしまったり…これは、唐辛子に含まれている「カプサイシン」という成分が、犬にとって有害だからです。人間の場合、カプサイシンは肥満の防止や食欲の増進などカラダに良い影響を与えますが、犬にとっては胃腸に負担をかけるだけの成分です。唐辛子を含むものに限らず、人間用に加工された食べ物は、人間の健康には良いとされていても、犬にとっては悪影響しか与えない場合があるので注意が必要です。
とはいえ、ごく少量であれば影響が出ないこともあります。ひとかけら程度を誤食してしまった場合は、そのまま様子をみましょう。下痢・嘔吐・食欲不振など、少しでもいつもと違う様子がみられた場合には、すぐに動物病院に連れていきましょう。
それでは、もし犬が唐辛子を大量に食べてしまったら、どのような症状が現れるのでしょうか。唐辛子以外にも、わさびやこしょう、洋辛子など刺激が強い香辛料を食べると、胃腸が刺激され、下痢を起こします。また、嘔吐や食欲不振などの症状もみられます。
犬が下痢をしている場合は、脱水症状を起こす可能性があります。脱水症状を起こしているかどうかは、背中の皮を引っ張ることで確認することができます。背中の皮を引っ張ってすぐに皮が元通りになれば正常ですが、戻るのに時間がかかる時は脱水症状を起こしている疑いが強くなります。悪化すると命にも関わるので、すぐに動物病院に連れていきましょう。
また、犬が唐辛子ほか刺激物を食べてしまった時には、感覚の麻痺が起こる可能性があります。胃の感覚が麻痺することで、様々な病気を引き起こしてしまうおそれがあるので、犬に刺激物を与えるのは絶対にやめましょう。
犬が刺激物を誤飲してしまった場合の対処法
犬が唐辛子を食べてしまった時は、まずはその後の様子をしっかりと観察します。便の状態や行動などにいつもと違う様子がみられたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
緊急を要する場合は、獣医師の指導のもと、犬に唐辛子を吐かせる処置を行う場合があります。ただし、飼い主が自分の判断で処置を行うと、後に様々な問題が発生することも。犬が有毒物を食べてしまった時は、必ず動物病院に連絡し、獣医師が「今すぐ吐かせてください」と指示を出した場合にのみ、その指示に従って処置を行うようにしましょう。
唐辛子は、犬の内臓にダメージを与える危険な食べ物です。誤って口にしてしまわないよう、取り扱いには日頃から注意してください。
野菜・果物を犬に与える際の注意点。食べてはいけない食材は? | PECO(ペコ)人は毎日同じものを食べると飽きてしまうため、ついつい犬にも旬のものを与えたくなる人が多いようです。そこで今回は、犬に与えてもよい野菜・果物、与えてはいけない野菜・果物をまとめてみました。
犬が異物を飲んでしまった! 誤飲の症状と対処法について | PECO(ペコ)犬は、家の中でも散歩中でも、食べてはいけないものを口に入れることがあります。少しくらいなら大丈夫、と思うかもしれませんが、異物の誤飲は犬にとって非常に危険なことなのです。