【獣医師監修】猫にトマトを与えるメリットとデメリット

私たちの食卓を彩る栄養満点のトマト。「トマトが赤くなると医者が青くなる」という格言があるほど、カラダにいいとされている野菜ですが、猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫にトマトをあげても大丈夫?

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結論からいうと、猫がトマトの「果実」を食べることに問題はありません。トマトの果実には、猫にとって毒となる物質や成分はほとんど含まれていないからです。ただし、すべてのトマトが安全というわけではありません。その理由について説明していきましょう。

トマトの意外な危険性

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トマトはASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の発表している「猫に毒性のある植物リスト」に挙げられています。ただし、その中でも「熟した果実に毒性はない」と記載されています。

トマトにはトマチンが含まれている

トマトには、トマチンという猫にとってかなり危険な成分が含まれています。トマチンとは、昆虫を寄せ付けない(忌避)成分で、トマト自身が赤く成熟するまで昆虫から身を守るために備えているといわれています。

トマチンは、ジャガイモの芽に含まれているソラニンという成分に非常に似ているといわれていますが、このソラニンは人間が摂取した場合でも食中毒を引き起こすなど、強力な毒性を持つことで知られています。

トマチンの中毒症状としては、

●下痢
●嘔吐
●腹部の痛み
●呼吸困難
●血便

などが挙げられます。

トマトが熟すとトマチンが減る

トマチンは、トマトの果実が未熟な頃には、多く含まれているのですが、果実が熟し実が赤くなる頃には、減少します。先述した「トマトの果実は安全である」というのはこれが理由で、赤く熟したトマトなら猫が食べても問題なく、健康面の心配をする必要はないでしょう。

一方、まだ熟していない青いトマトには多くのトマチンが含まれていますが、毒性を発揮するほどの量ではありません。しかし、猫がこの状態のトマトを食べてしまうと、胃腸障害を引き起こす可能性があるので、与えない方がよいでしょう。

また、水分が多い野菜は、与える量により嘔吐や下痢などの症状を引き起こす場合があります。大きなトマトなら1/16個、ミニトマトなら1個を目安に、おやつをとして少量与えるにとどめましょう。

また、トマトの茎や葉には、果実部分よりも大量のトマチンが含まれています。基本的に、猫が自分からトマトの茎や葉を食べることはありませんが、カラダに触れただけで、発疹や痒みなどの皮膚症状が出る場合もあるといわれています。家庭菜園などでトマトを育てている場合は、猫が近づかないように注意してください。

猫は完全肉食動物

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このように、トマトの果実部分は猫にとって危険な食べ物ではありませんが、そもそも猫は肉食動物です。人間と共同生活を送ることで雑食寄りに変化してきているとはいえ、猫のカラダは肉食動物としての構造をしているため、野菜や植物の消化が得意ではありません。

猫の消化能力には個体差がありますが、トマトに限らず初めて食べる食材を与える場合は、必ずごく少量から始めましょう。そして、食後に嘔吐や下痢などの症状がみられた時は、すぐに与えるのを止めてください。

また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。しかし、食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時などは、試しに与えてみるのもいいでしょう。

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