【獣医師監修】犬にブリを与えるメリットと注意点

冬に旬を迎える魚の代表格といえばブリ。脂がたっぷり乗って、人間にとってはぜひ食卓に並べたい魚ですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬とブリの関係について解説していきます。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬はブリを食べても大丈夫!

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結論からいうと、犬はブリを食べても大丈夫です。というのも、ブリには犬が必要とする様々な栄養素が含まれているので、むしろ与えた方がよい食材に分類されます。

ブリなどのいわゆる“青魚”には、必須脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。また、ミネラル類・ビタミン類も豊富なため、犬の血中コレステロールを低下させる効果が期待できます。

犬にブリを与えるメリット

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上述の通り、ブリにはDHA・EPA・ミネラル類・ビタミン類が含まれています。そして、犬が生きていく上でもっとも必要な動物性たんぱく質を豊富に含んでいるのです。

とくに、DHAとEPAは青魚特有の栄養素。DHAは脳の働きを活発化し、学習能力・記憶力を高める効果が期待でき、高齢犬の認知症予防にも効果的といわれています。

そして、EPAはコレステロールや脂肪分を減らし、血管の流れを良くする働きがあるため、動脈硬化・心筋梗塞といった命に関わる病気の予防に役立つと考えられています。さらに、EPAはDHA同様、高齢犬の認知症予防にも効果を発揮するといわれていることから、ブリは総合的に犬の健康に役立つ食材といえるでしょう。

犬にブリを与える時に気をつけること

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では、ブリを犬に与える際には、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

まず、ブリは脂分が非常に多い魚だということを覚えておきましょう。この脂分をそのまま与えてしまうと、犬が肥満になる可能性があるので、湯通しするなどして、しっかり脂を落とすことが大切です。ブリの血合いもアレルギーを引き起こす可能性があるので、与えないようにしてください。

また、ブリを生で犬に与えるのは危険です。生の魚には、チアミターゼという、体内のビタミンB1を急激に減らしてしまう成分が含まれています。犬が急性ビタミンB1欠乏症になると、炭水化物を消化できなくなり、歩行障害や腰を抜かすといった症状が現れることがあります。

このチアミナーゼは加熱することで分解されるので、犬にブリを与える際は必ず加熱しましょう。ただし、味付けをすることは塩分過多につながるのでNGです。

そして、ブリに限らず、犬に魚を与える時に気をつけなければならないのが、骨の存在です。犬には食べ物を丸飲みする習性があるので、喉や消化器官に骨が刺さってしまうリスクがあります。

ブリの小骨はほかの魚と比べて少ない方ですが、犬の喉や消化器官に骨が刺さらないように、骨は全部取り除いてから与えるようにしてあげてください。骨から身を外し、ほぐして与えるのがベストです。

基本的に、犬はドッグフードだけを食べていれば健康に過ごすことができますが、毎日同じものを食べていると、飽きて食いつきが悪くなることもあります。そのような時は、ブリのように栄養価が高く、与え方を間違わなければ犬の健康に良い食材を上手く活用してみてください。

犬の健康を守るためには、食べ物についての正しい知識を持つことが重要です。肥満や偏食に注意しながら、健康的な食生活を提供してあげてくださいね。

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