【獣医師監修】犬の局部から黄色い膿が出てきた。包皮炎の予防法や治療法
犬を抱っこしたら服が汚れてしまった…オスの犬特有のものですが、黄色っぽいベトベトしたものがついていたら、犬の局部が炎症を起こす包皮炎という病気を患っているのかもしれません。今回は、犬の包皮炎について解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬の包皮炎とは?
犬の包皮炎とは、オス犬の局部を包んでいる包皮に起こる炎症を指します。細菌が包皮内で増殖することで、膿が出る病気です。犬の包皮には常在菌がいて、通常この常在菌はカラダに悪影響を及ぼしませんが、なんらかの原因で増えすぎることにより膿が出てくることがあります。通常は、膿が出る以外の症状は起こりません。
具体的な症状としては、包皮から黄色っぽいクリーム状の膿が出たり、陰部をやたらと気にして舐めたりすることがあげられます。
犬が包皮炎になる原因
犬の包皮に細菌がたくさんいることは上述の通りですが、健康な状態では悪さをしない細菌である「常在菌」がバランスを崩してしまい、異常繁殖することで炎症を引き起こしてしまう状態が包皮炎です。
バランスを崩す原因としては、局部に傷がついてしまったり、栄養不足やホルモンの不均衡、過度のストレスなどが考えられます。
もともと、包皮の中は汚れが溜まりやすい上に通気性も悪いので、細菌感染・繁殖がしやすい環境になっています。
また、過剰なマウンティングなどでペニスに傷がついてしまい、それが要因となることもあります。
犬の包皮炎の治療方法
基本的には、包皮内が綺麗になるまで洗浄を行います。
ぬるま湯などで洗浄することもありますが、動物病院で洗浄液を処方してもらうこともあります。
犬の包皮炎の予防方法
包皮炎の予防のためには、過剰なマウンティングをやめさせることや、定期的に包皮内を洗浄することが重要です。マウンティングに対しては去勢手術を検討するのも有効でしょう。
犬が包皮炎になってしまうと、膿の分泌により家の中を汚したりといった“二次被害”が起こる可能性が高くなります。そのため、飼い主の負担も非常に大きくなってしまいますので、予防できることはしておきたいですね。
愛犬の様子がおかしいと思った時には、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
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