犬が舐めてくる理由とは? 舐めてくる犬の心理

犬が舐めてくる理由とは? 舐めてくる犬の心理

人懐っこい犬は、とにかくペロペロと舐めてきますよね。犬が舐める場所によってその意味が変わるのをご存知でしょうか?

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    小雪戸 ぼたん
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1.犬が舐める理由

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舐めるのには理由がある

犬はよく人や物、他の犬を舐めます。

何でもペロペロと舐めてしまう犬の行動は、人間からすると少し不思議に思えてしまいますよね。理由なく舐めているのではないか、と感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、犬の「舐める行為」にはちゃんとした理由があります。

そもそも、犬の「舐める行為」というのは本能からくるもので、犬の祖先であるオオカミの時代から続く犬の伝統的行為です。では、当時のオオカミたちはどんな意図でペロペロをしていたのでしょうか? 大まかに挙げてみると、以下が理由が考えられます。

■群れの仲間同士の挨拶
■愛情表現
■群れのリーダーに尊敬を示すため

つまり要約すれば、「舐めること = オオカミどうしのコミュニケーション」だったわけです。

現代を生きる犬たちの舐める行為もまた、オオカミたちがそうしていたように「コミュニケーション」としての意味合いがあります。

ただ、現代の犬となると古代のオオカミとは生活が変化しており、舐める行為にも以前より多くの意味合いが見られるようになりました。そこで知っておきたいのが「犬が“何を”舐めているか」ということです。

2.犬の舐める場所・物によって、表す意味が違う

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犬が舐める対象は、あらゆるものに及びます。

■人間の手
■自分の足
■地面や床
■自らのおしっこ、他の犬のおしっこ
■人間の顔、口

それぞれどんな意味があるのでしょうか?

人の手を舐める

■分析

犬はよく私たち人間の手を舐めます。これは舐める相手の分析をしていると考えられています。舐めながら「こんにちは」と挨拶をしつつ、相手の出方を伺っているわけですね。

手を舐められているということは、少なくとも敵意は持たれていないと思っていいでしょう。

自分の足や体を舐める

■怪我を治そうとしている

犬が自分の足や体を舐めるのは、「怪我を治そうとする」本能に他なりません。犬は怪我をした場所を舐め、汚れを落として自然回復力を高めようとします。もしも、散歩後に愛犬が足を執拗に舐めていたら、「怪我もしくは違和感があるんだなぁ」と捉え、該当する場所をチェックしてあげてくださいね。トゲが刺さっていたりすることがあります。

また怪我のような外傷的原因だけでなく、ストレスをきっかけとして自分の体を舐め続けることがあります。これには注意が必要で、同じ場所をあまりにも舐めすぎると炎症を招き脱毛や皮膚炎が起きるケースがあります。

怪我もないのに同じ場所をずっと舐めていたら、病院で診察を受けさせましょう。何か原因が明らかになるかもしれません。

地面や床を舐める

■物色している

犬が床や地面を舐めるのは「物色」している動きです。

「何かいいにおいがする」と犬の食欲スイッチがオンになり、床を舐めながら食べ物がないか探すわけですね。これは犬のみならず動物全般に見られる本能行動です。

時たま舐めるだけならいいのですが、場所によっては危険な食べ物を拾い食いしてしまう可能性があります。もしもゴミなどが散乱した場所で犬が床・地面を舐め始めた場合、飼い主さんは「危険なものの拾い食い」に注意する必要があります。

「物色」以外にも、運動不足でストレスが溜まっている可能性もあります。運動が十分でなければ、散歩に連れて行ってあげた方が良いでしょう。

おしっこを舐める

■ミネラルを摂取しようとしている

実は「おしっこ」にはミネラルなどの栄養素が含まれています。犬が自分のおしっこや他の犬のおしっこを舐めるのは、そのミネラルを体に取り入れようとしているからなのです。

ただ注意したいのは、時に犬はストレスでおしっこを舐めたり糞を食べてしまうことがある点です。犬の排泄物には病原菌が潜んでいるケースがあります。特に散歩時など、他の犬のおしっこ跡には何が潜んでいるのかわかりません。

身体にとって悪影響の方が多いので、おしっこを舐めさせないようにしつけることを心がけましょう。

人の口、顔を舐める

■愛情表現
■アピール

犬が人の顔や口を舐めてくるのは、愛情を伝えたいがゆえの行動です。親愛の気持ちを表しているので、無理にやめさせる必要はありません。これは犬が相手でも同じで、犬同士が口を舐めあっていたら「久しぶり元気だったか」というような友好的な挨拶をしていると考えていいでしょう。

また何かアピールをしたいときに口や顔を舐めてくる場合もあります。例えば「おなかすいた」であったり「遊んで」であったり、舐めることで自分の欲求を伝えようとしていることがあるのです。特に子犬に至っては顕著で、飼い主さんの顔をとにかく舐めることで欲求を訴えてきます。
とてもかわいい子犬から顔や口を舐められると、このうえない幸せを感じますよね。

犬に口・顔を舐められるのは愛情や要求の証であるのですが、気を付けたいことがあります。
それは人畜共通感染症です。

3.口・顔を舐められるときの注意

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犬に顔・口を舐められ、犬の唾液が人間の体内に入ることで、人畜共通感染症(ズーノーシス)が引き起こされる危険性があります。

人畜共通感染症(ズーノーシス)とは

■犬と人の間で伝染する感染症の総称

人畜共通感染症は犬だけでなく猫から人へも感染します。噛まれるなどの外傷の他、唾液が直接口に入ることにより動物の持つ病原体が人へうつってしまいます。

赤ちゃんは気をつけたい『パスツレラ症』

この人畜共通感染症で一番気を付けたいのが、犬の口内に在菌する「パスツレラ菌」が人にうつることで引き起こされる「パスツレラ症」です。

■約75%の犬が口に保菌している
■健康な人が保菌しても症状はでない
■免疫力が落ちたときだけ症状がでる

パスツレラ菌によって引き起こされるパスツレラ症は健康な人にとっては危険な病気ではありません。菌が移っても特に症状は現れませんが、保菌者の免疫力が低いと症状が現れる場合があります。

犬を飼っている家庭でもしも赤ちゃんに、咳、呼吸困難など呼吸器に関係した異常があればパスツレラ症が疑われます。また噛まれることで発症する場合もあり、その際は傷の腫れ、激痛などが生じます。

『パスツレラ症』を予防するために注意すべきこと

■犬に赤ちゃんの口を舐めさせない
■犬の唾液が口に入るような、濃厚な接触をしない(させない)ようにする

大前提として犬に赤ちゃんの口を舐めさせないようにしましょう。多少舐めるくらいならば菌が移る可能性は低いですが、犬の唾液が赤ちゃんの口腔内に入るほどの接触ともなると話が変わってきます。犬が赤ちゃんと触れ合うときは犬が過剰に舐めかからないように、見守ってあげてください。

最後に

以上、犬が舐める意味でした。

濃厚すぎる接触は菌が移る可能性がありますが、過剰でなければ特に心配はありません。犬が舐めてくるのは信頼の証でもありますので、ほどほどになだめつつ、その喜びを楽しんでくださいね。

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