【獣医師監修】ポメラニアンの毛並みのお手入れ方法と適切な頻度とは

ポメラニアンは、遊び好きで社交的な性格とふわふわの被毛が特徴の犬ですが、その健康と被毛の美しさを保つためには定期的なお手入れが大切です。今回は、ポメラニアンの毛並みのお手入れのポイントについて解説します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

ポメラニアンのお手入れのポイント

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ポメラニアンは、飼い主とその家族に対して深い愛情を抱く、とても甘えん坊な犬種です。そんなポメラニアンにとっては、飼い主に抱っこしてもらったり、撫でてもらったりすることが一番の喜びです。

しかし、ポメラニアンは非常に活発で気が強い一面もあり自由に動き回ることがあるため、しっかりとしたしつけをすることが重要です。これは万が一の事故を防ぐためだけでなく、ブラッシングや爪切り、耳掃除といった日々のお手入れをスムーズに行うポイントにもなります。日々のお手入れは、仔犬の頃から慣らしておきましょう。

ポメラニアンの毎日のお手入れ

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ポメラニアンの魅力であるふわふわの被毛を保つためには、毎日のブラッシングが大切です。ポメラニアンの被毛は皮膚を保護する役割のオーバーコート(上毛)と防寒の役割を果たすアンダーコート(下毛)が二重構造になったダブルコートの犬種なので、アンダーコート(下毛)までしっかりブラッシングしてあげないと、すぐに毛玉やもつれができてしまいます。

ポメラニアンのブラッシングには、スリッカーブラシとコームを使用します。まずは毛玉を取るのに最適な、スリッカーブラシでもつれや毛玉をほどき、その後、コームで全身の被毛を丁寧にとかしていきます。

とくに毛玉ができやすいワキの周辺やお腹、お尻、耳の裏などは、注意してブラッシングしてあげましょう。また、静電気が発生しやすい季節には、専用のスプレーやオイルで静電気を予防してあげることも大切です。

ブラッシングには、ポメラニアンの被毛や皮膚の健康を保つだけでなく、カラダの血行を良くして新陳代謝を高める効果もあります。また、毎日カラダを触ることで、犬との信頼関係の構築や病気の早期発見にもつながります。仔犬の頃から毎日のブラッシングを習慣づけ、犬も飼い主もストレスなく取り組めるようにしましょう。

また、ポメラニアンは「涙やけ」ができやすい犬種です。涙やけとは、涙で濡れている状態が長く続くことで、目の周りの毛が茶色く変色してしまうもので、とくに、ホワイトやクリームなど、淡い毛色のポメラニアンではよく目立ちます。

毛の変色自体がポメラニアンの健康に悪影響を及ぼすことはありませんが、涙で濡れた毛や目やにを放置しておくと、雑菌の繁殖により皮膚トラブルを発症する可能性があるほか、目の中に雑菌が入ることで目の病気を誘発するおそれもあります。

愛犬の健康を守るためにも、こまめに目やにを取ったり、コットンやガーゼなどで目の周りを拭いたりしてあげましょう。

そのほか、毎日してあげたいお手入れの一つに歯磨きがあります。歯磨きは毎食後が理想ですが、最低でも1日1回は必ず歯を磨いてあげるようにしましょう。ポメラニアンは口が小さいので、歯ブラシを使用するのが難しい場合は、ガーゼなどを指に巻いて歯の汚れを拭いてあげてください。

ポメラニアンの定期的なお手入れ

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ポメラニアンは運動好きですが、カラダが小さいので、それほど長時間の散歩は必要としません。そのため、爪が自然に摩耗しづらいので、定期的に爪を切ってあげる必要があります。伸びた爪をそのままにしておくと、カーペットなどに引っ掛けてケガをしてしまう可能性があるほか、伸びて丸まった爪の先が肉球に食い込んでしまうこともあります。

また、ポメラニアンのような小型犬は、肛門腺の分泌液がたまりやすいので、定期的に肛門腺を絞ってあげましょう。個体差はありますが、肛門腺絞りは1ヶ月に1回ほどの頻度で行ってください。

ただし、分泌物はとても臭く、犬のカラダなどにつくとなかなかニオイが取れないので、シャンプーやトリミングの際に一緒に行うことをおすすめします。また、不適切な肛門腺絞りはかえって肛門嚢炎(こうもんのうえん)などの病気を引き起こす原因となるため、最初はトリミングサロンや動物病院でやり方を教えてもらいましょう。

立ち耳のポメラニアンは、垂れ耳の犬種と比べて耳の汚れは少ないですが、月に1~2回は耳掃除を行いましょう。耳掃除を怠ると、雑菌の繁殖により外耳炎などの病気を引き起こすおそれがあります。ポメラニアンの耳の中からいやなニオイがしたり、黒い耳垢が出てきたりした時は、動物病院で診てもらいましょう。

毎日のお手入れは、大切な愛犬のコミュニケーションの時間でもあります。愛犬との絆を深めるためにも、たっぷり愛情を込めてお手入れをしてあげましょう。

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